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お墓参り

 2010年3月の日記です。
 
 月曜日、久々に墓参りに行った。
大宮から、湘南新宿ライン、中央線を経由して青梅線の某駅に到着し、バス停に向かうと、霊園の送迎バスは長蛇の列で、一台に乗れそうもない。係りの人に聞くと、道が込んでいてなかなか来ないとか。春のお彼岸は墓参り、が定着しているらしい。やむを得ず、タクシーにて霊園に向かう。
 
 霊園は南傾斜の小高い丘で、無数の墓石が、春の日差しを一杯に浴びている。休憩所に置いてある桶に水を注ぎ、団地の如く並んだ墓の間の通路を50メートルほど歩くと、当家代々の墓にたどり着く。
 
 さしかけの旧い花や燃え残りのお線香を掃除し、拝み石に水をかけ、手を合わせ、暫し瞑想する。この墓は、先祖代々の松山のお寺から10年前に回葬したもので、100年ほど前の石をそのまま移設しており、いかにも旧く、代々の墓にふさわしい。
 
 カロートには、田舎の墓に収めてあった祖父母とその親と、この2年ほどで亡くなった我が両親の、合わせて6体の骨壷が収めてあるが、まだ充分に余裕がある。墓に魂があるとも思えないが、一応は手を合わせ、暫し目を瞑って瞑想する。
 
 
追:その後、姫路に転居したこともあり、この10年程墓参りはしていない。
  この暑さが収まったら(10月頃)一度行こうと思っているが、
  昨今の我が身を思うと、それが最後のお墓参りになるかもしれない。

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