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引き抜き 7.朗報

 2014年2月業界トップのA社から、当社の販売店Y商事を取り込む戦争を仕掛けられた。対抗措置として、Y商事東京支店販売店の主要な営業マンを引き抜き、売上5000トンを取り戻そうと画策し、引き抜き対象者に当社での処遇と移籍一時金を提示した。
 Y商事の内紛も、引き抜きの後押しになっているようだ。
 
 7.朗報
 
 営業室長から、Y商事東京支店長のT氏が当社に来ることを決断したとの朗報が入った。
 
・営業室長からのメール
  T氏から「N社(当社のこと)に行く!」と連絡がありました。
「3月26日に、一部の取締役に辞めることを話した。
Y社長にはまだ直接話していないが、聞いている可能性はある。」
とのことです。
私と話した感じでは、間違いなく意思は固まっていると思います。
ただし、昨日より社内の人間から物凄い引き留めの連絡があるとのこと。T氏と一番仲が良い取締役本店長(同郷?)が、急遽会いに来るそうです。
 
・翌日、再度営業室長からのメール
 本日、T支店長とT支店長の部下S氏と連絡を取りました。
①  T氏、
「N社(当社のこと)行くことを決断した。今週、Y社長を訪問し、退社することを伝える。」
「移籍時期についてはその後(Y社長訪問後)に相談したい」
②  S氏、
「T支店長とともに、N社に行くことを決断した。」
「自分たち(S氏夫妻)の移籍時期についてはN社と相談して決めたい。」とのこと。
移籍スケジュールについては、T氏のY社長訪問後に相談します。
 
 S氏は夫妻でY社に勤務しており、一緒に移籍を希望している。奥様の方は、当社ではなく、当社の子会社、N商事へ移籍の予定。
 
・続けて、営業室長からのメール
 Y社東京支店でT支店長に次ぐNO2のE氏(37歳)と面談した結果、F氏と言う若手(28歳)社員と一緒なら行っても良いとのことです。F氏は、最後は収入で決めたいとのことです。E氏とF氏でY社東京支店の80~90%を売り上げてとのことです。詳細はまたご連絡します。
 
・私から関係者へのメール
  F氏もN商事ではなく、当社で受け入れる前提に進めてください。
 総務室長殿、その際の処遇案をまとめてください。
 状況は煮詰まってきました。この内容は厳厳厳秘です。
 
・営業室長からのメール
 以下2点をご報告します。
①  昨日営業本部長と一緒にT支店長と面談しました。
(T氏より)
先週の金曜日に取締役本店長に引き留められたが、きっぱり断った。本店長はY社長の命令で来ており、Y社長は知っている。
4月3日にY社長を訪問して直接伝える予定。
②  Y商事各支店、営業所の現状人員をヒアリングしました。添付の通りご報告します。
 
 Y商事東京支店は支店長以下約25名の陣容とのこと、N商事東京支店を立ち上げる際の参考になる。
 
・4月7日営業室長からのメール
 E氏、F氏から連絡があり、二人とも「当社に来る」とのことです。
 これで4人全員が当社に来ることになりました。
 彼らは本当に大きな決断をしてくれました。
 辞表提出のタイミングと移籍時期について、今週中に彼らと相談したいと思います。状況は逐一報告いたします。
 
・営業室長からメール
 T氏と電話で話しました。
 昨日Y社長を訪問し、辞意を伝えた。当社へ移籍の件、当社社長と面談したことも正直に伝えた。Y社長の反応は「もう少し待て!」の一本やりで了承してくれない。これ以上話しても進展しないと思い、出直すことにしたとのこと。
 T氏は「当社に移籍する意思は絶対に変わらない!」と言ってくれています。来週、面談して対策を相談したいと思います。
 
・総務室長からのメール
 営業室長殿
以下、顧問弁護士からの注意喚起です。
 今回の引き抜きは違法の可能性があり、首謀者は当社とT支店長とみなされます。以下、注意してください。
T支店長の辞表提出の日付について当社と話し合うのは不自然。 退職申請は日をおいてばらばらに提出すること。
退職者同士で話し合いをすることは避けること。
退職時の面談で、当社へ来ることは話すべきではない。
 
 談合して多人数を同時に引き抜くことは違法とみなされる可能性があり、民事の争いになったら、負けるかもしれず、要注意である。

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