見出し画像

出雲崎

 出雲崎、いずもざき、と読む、
越後平野の中ほど、日本海に面した旧い宿場町だ。
良寛様が住んでいたのと、
妻入りの旧い街並みで知られている。
200×年、祭日の月曜日、その出雲崎に行ってきた。
 
 越後線出雲崎で降り、バスで海岸沿いの街中にでる。
旧北国街道沿いの街並みは江戸時代そのままに、
各家の敷地は、間口が7,8メートル、
奥行きは間口の数倍あり、奥に細長い。
敷地いっぱいに、隣の軒が接するように家が建っている。
大半が日本瓦、板壁でいかにも旧く、崩れそうな家もあるが、
中越沖地震に絶えたのだから、それなりなのかもしれない。

 我々のように、他から訪れる人は皆無で、
ほとんど人を見かけない。
鯛の浜焼き等を軒先に並べて売っている家もあるが、
買う人がいるとは思えない。
旅館が数件あるから、固定客でもいるのだろう。

 30分ほど歩き、海岸沿いの大通りにでると、
天領の里と称するドライブインに着く。
こちらにはそれなりに人がいる。
2階のレストランで、遅めの昼食を取る。
直ぐ隣が漁港だから、魚が良いだろうと、
私はさしみ定職と冷酒を、妻は海鮮丼を注文する。
これが、驚くほど美味い。
ホタテ、イカ、平目、ハマチなどが、何れも新鮮で、
こしもあり、適度な甘みもある。
日本海を眺めながら酒と魚を楽しみ、 儲けた気分だ。
食後のコーヒーも飲んで、ゆったりと広々とした日本海を眺める。


 レストランを後にして、漁港に行くと、
年配の男性数人が釣りをしており、
小さな鯵をさかんに釣っている。
から揚げにして、丸ごと食べるそうだ。
漁船が4,5隻、ひっそりと係留されている。

 通りに戻りバス停の休息小屋に入ると、
天井に燕の巣があり、 夫婦と思わしき二羽がばたばたと、
頻繁に出入りしている。
子どもに食べ物を運んでいるのだろう。
そろそろ電車の時間だと言うことで、タクシーを呼び、
海に面した通りに出ると、
今度は、鴎が二羽飛んで来て
直ぐそこの街路灯の上に乗り、暫し休息する。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?