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【お試し工作】【惰話】コクピットポケットで充電出来るようにと寿限無なヨット

今週末は仕事だの学会の準備だの車の納車だのと色々忙しく、ちょっとマリーナに出向けていません。
そこで困るのがネタですわ。
週一で何か書いているこのブログ… 何を書けば?

時は戻って1週間前。
マリン用品の通販で、新製品の所に表示されていた、

上原達也:綺麗な顔してないだろ?新品なんだぜ、これで(未開封だったけどこれ)。

こんなポンプを買いましてね(ちゃんと使う用事があって買いました!)。
ドリルのチャックを真ん中のシャフトを咥えさせ、ギュィーーーンと回せば水が流れるという物。
よし、今回はこれをネタに…

いや無理だろ、ポンプ単体でネタ一本なんて…

なんて悩んでいると、一つ思い出しましたわ。
このポンプを買う時に、一緒に新製品のところに並んでいたこれ。

ま、ようは携帯の入るポケットなんですけどね、底面にワイヤレスQi規格充電器が付いていらっしゃる。

GPSロガー兼カメラとして、船上でiPhoneをガンガン使っている私に朗報!と思い早速ショッピングカートに入れ…

日経電子でお馴染み

と、司馬 懿さん(魏の武将)に制止されまして、しばし購入欲求をクールダウン。
これは罠だと司馬さんが申しておられる。
落ち着いて、諸葛孔明の仕掛けた罠を考えてみると…

・取り付けにはお船様ウチのヨットに穴を開ける必要が
・色がウチのヨットに合わない
Qiチーは位置合わせが微妙で放り込めば充電とはいかない(ウチの車がそうなんだ…)

罠ではないか

そうだよな、そもそも不可逆的作業穴開けを強いられるのが嫌、Qiチーが新規格(そろそろMagSafe由来のQi2規格になる事が決定してる)になった後、取り返しつかないし不便なレガシー化になる
やめておくか…

と、購入には至らず。

でもですよ、さらに冷静に考えると…

普通に、コクピットポケットの底に充電器付ければ良くないか?

そうだそうだ、ヨットに穴開けする必要も(あんまり)ないし、そうしよう。
iPhoneは位置合わせ不要なMagSafeだから、対応充電器を置けばいいやん!

ちょうど家に転がっていたMagSafeの

前にセールで買ったが使ってないやつ

充電器がありましたので、これを使いますか。
まずは、

各所、採寸しまして。
iPhoneも、こう…

充電器の接触面よりもレンズが出っ張っていたりとか、(私の場合)バンパーを付けてて周囲が出っ張ってたりするので、その辺に干渉しないよう、必要な部分を採寸。

さらに、ポケット底面にピッタリ置く形にすると取り出しにくいし、溜まった水とかがあって濡れるのも嫌なので若干浮かせる感じ… などと、頭の中でなんとなくの形を決めて… それを図面に…

細密画と見紛う人もいるはず

図面??これは図面なのか?
図面と言うかポンチ絵にしまして、それを3D CADで…

試作なのでお気軽に

立体データにしまして、

3Dプリンターでガチャガチャと印刷して完成!

と言う動画がこちらですわ。

はい、動画の最後の方では実際に充電器をガチャっとはめてみてますが、

iPhoneとの接触面は面一ツライチ
底面は携帯を取りやすいよう嵩上げ、水が多少あっても大丈夫(なはず)

試作なので粗々作りで、エッジなんかもテキトーにしか描いてませんが、それなりに出来ました。
携帯を置くと、

うむ、うむ

↑こんな感じで、

試作にしては、かなりいい感じでフィット。

よし、後はヨットに行ってポケットの底にフィットするパーツ作りの採寸を… そのうちしますわ。

ええ、マリーナに行ってないですからね。

んー、ここまででこの記事、1,440文字。
ネタ的に少ないか。
仕方がない、何か小咄こばなしを一つ…

◾️ヨットよ、ジュテーム

欺くばかり偽り多き世の中で、この可愛さはまことなりけり。
これは本当にその通りで、かくまでにオーナーは思うぞ千歳飴。
昔の人はよく言ったもので。
自艇ヨットの可愛さなんてのは持ってみないとと古来からよく申しますが、
私なんぞいまだによく分からないんでね。

ジュテームの枕より

ま、これは自分のヨットが末永く健全に運用できますようにと、船名を長く縁起良い物にしたいと、とあるオーナースキッパーがフランスの神父さんに相談したところ、ジュテームJe t’aimeと言う名はどうか?と言うところから始まる有名な落語で、パリなんかでは皆、「ジュテーム ジュテーム ボクゥーノ ベトゥアヴァイル寿限無 寿限無 五劫のすりきれ…(Jet’aime jet’aime  beaucoup bateau à voile≒ヨットちゃん、愛してるぜ)」みたいに、長い名前を全部覚えているのが常識とか常識じゃないとか。

そんな感じで(どんな感じ?)まず「大事にしたい」と言う気持ちですな、ヨットでも他の何かの機械でも

と申しますのも、冒頭に書いた車の納車が控えておりまして、つまるところ先週マリーナに行って帰ってくると言うのが、今まで乗っていた車の実質的な最後のドライブだったわけです。

その帰りの道中と言ったら、

この画面でのエラー表示を初めて見た

急にアイドリングストップがエラーでオフに出来なくなるエラーが出たり、

これも初めて見る表示

エアバッグかシートベルトどちらかの故障だよと言う表示が出現したりと、急に不具合のオンパレード。

手放される事を悟った車がヘソを曲げたのか、それとも今まで我慢してた故障を、もういいやと我慢しなくなったのか?
車にも感情が?と思わせるドライブでしたわ。

うむ?全然海やヨットと関係ないな… 少し舵を(海だけに)切り直しますが、やはり車に限らず、機器・機械にいたわりとねぎらいの気持ちはホントに必要かと実感。

ましてや海の近くにある物はどんどん壊れていくのが道理。
そう、ヨットなんか特にですな。

1秒毎に進む錆、潮水にはやし立てられ異金属格闘選手権開催中かのような電触、突き刺さる紫外線で劣化する樹脂部品やロープ類やセイル、雨風で流され奪われる木材の油脂、湿気でどんどん加水分解が進んでダメになるハッチのパッキン、船底塗料やプロペラ防汚塗料の隙間を掻い潜り貼り付く海洋性生物・植物フジツボ、牡蠣、海藻と、あらゆるところが「海に在る」と言うだけダメになります。

マリーナに、ヨットを乗りに行ってるんだか整備・修繕に行ってるんだかわからんとなんて言われてる人も一人や二人は見かけますので、その辺のバランスは難しいところではありますが、やはりヨットにJe t’aime(愛してるぜ)と言う気持ちを持って接してやらないといけませんな。
愛していればこそ労り、不具合(の前兆)に気がつくと言うもの。

これがヨット寿限無、通称ジュテームと言う小咄でした。

ここまででようやく2,800文字ちょっと、ふー。

お後がよろしいようで…

注:Jet’aime jet’aime  beaucoup bateau à voileって正しいフランス語じゃないので人前で言ったらダメですよ!(通じはすると思う)

注2:じゅ、寿限無知ってますよね?知らないと意味不明な事書いてる人と思われちゃう…