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バリ島ゆったり3週間一人旅 ⑧【田んぼを歩く】

バリ島は街から外れると田んぼが多いらしい。
しかし、私が滞在しているのは街の真ん中なので家ばかり。ガイドブックを見ると歩いて行ける距離で田んぼのお散歩コースがあった。(Sweet Orange Walk Trail)

私にとっては懐かしの田んぼである。かれこれ50年以上前まで、北海道の私の実家には田んぼがあった。田植え、カエルの合唱、用水路の水の流れ、そして秋の夕方には何百匹という赤トンボが、西側の壁に止まる。そのトンボは私がそこを通るたびにふわふわと壁から離れてはまた元の位置に戻る。私は西壁の前を行ったり来たりしてトンボと遊んだ。

という懐かしい思い出が次から次へと浮かんでくる。

行ってみよう、田んぼへ。

私が行った田んぼの散策コースは、ウブド王宮からJI.Raya Ubud通りを西に向かってほんの数分歩いてプリルキサン美術館の手前を右に曲がる。その小さな通りはクラフトマーケットになっていて、両側にずらりと屋台の店が並んでいる。そこを過ぎると急に田舎道のようになる。

マーケット通りを歩き、田んぼ散策コースへ


マーケット通りを過ぎると像が祭られている場所がある。

10分くらい歩くと、もう田んぼだ。カエルが群生しているらしく、騒がしく鳴いている。いいねえ〜、うんうんいいよこの感じ。

ここは、まだ稲穂がついているが実が少ない気がする。

小さなカフェで分かれ道になるが、多分どちらでもいいのだろうと思うけれども、私は田んぼに降りていく方向の左を選んだ。

田んぼだ。両側に田んぼが広がっている。
街の中から、こうした広々とした空間に出てくると生き返る。
日本の田んぼと違うのは、周りをココナッツの実がついたヤシの木で囲まれていること。ここは、やっぱりバリ島だった。

田んぼだ。
両側に田んぼ

ほとんどの稲は刈り取られていたが、まだ稲穂がついている田んぼもあった。よく実って稲穂は垂れていた。

このまっすぐの道を突き当たりまで行くと、その向こうに食堂があるようだが私の散策はここまでにした。この突き当たりには用水路があって、水の流れる音が心地良い。川とは違った、この単調な水の流れの音は水量を想像させる。この音によって、私は一気に50年前の記憶の世界へ。畦道を歩きながら田んぼの水量を確認して歩く父の姿、この音を聞きながら草むらで遊んだこと。
ああ、想い出は美しい。

しばらくここで水の音を聞きながら休憩し、もと来た道を帰った。田んぼの中を歩いていると満ち足りた気分になって、もう寺院などの観光地巡りをしなくてもいいのかもしれない、という気持ちになってくる。

いやいや、せっかくここまで高い飛行機代をかけてきたのだから、やっぱりいろいろ見て帰らなくちゃ、と我に返った。

ウブドの近郊には段々になった田んぼもあるので、それも見に行こう。



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