見出し画像

巨乳恐怖症

ここにハッキリ宣言する。私は巨乳が苦手だ。別に「女とか興味ないし」的なカッコつけではない。タイトルに書いた通り、怖いのだ。冗談抜きで高所、虫の次くらいに恐れています。

きっかけは中学1年のときだ。体育の授業にて、男女合同で体育館内をグルグルと走る時間があった。走る並びやペースは自由で、男女が入り乱れて館内を駆け巡る。運動嫌いな私は、サボっているのをバレない程度の鈍足で、チンタラ走っていた。

すると巨大な球体が二房、私の横を掠めた。同級生女子の爆乳だった。その乳は、水風船ヨーヨーのように上下左右に跳ね続けていた。自重による遠心力で、激しく揺れる様を見た私は、"ちぎれ落ちるのではないか"と錯覚し、ヒドく怯えたのを覚えている。

別の恐さで例えると、ジェットコースターのレールが外れるだとか、肉食獣の檻が破られる事を想像した際の震えに近いかもしれない。"秩序が破られるのではないか……?"という恐怖が巨乳にもあったのだ。


それ以来、私は巨乳を性の対象として見れなくなった。AV女優の乳がデカければ抜けないし、町中で巨乳と遭遇すると、身構えてしまう防衛本能すら身に着けてしまった。

それだけではない。なんと、オッパイそのものに欲情しなくなってしまったのだ。つまらない男だよ私は。私にとって、貧乳は無価値、巨乳は畏怖の対象なのだ。

胸への興味がなくなった証拠に、とあるエピソードがある。

私は昔背中が脆く(今もだけど)、整骨院に通っていた時期がある。そこでよく、若いお姉さん先生に、ボキボキ整体をやってもらっていた。関節技みたいに体を固定されて、体を捻られるアレだ。その当時施術を受ける際、以下の様な構図であった。

画力が無くて申し訳ない。赤が先生、青が私だ。上記絵の通り、先生が私を前から抱きつく形になる。そのため位置関係の都合、私の顔が先生の胸にめり込んでしまうのだ。

ここまで聞いた男子諸君は、「ラッキースケベじゃん」と羨望の眼差しを飛ばしただろう。しかし思い出して欲しい。私はオッパイに興味がない。それ故せっかくのスケベ展開にも関わらず、ムラッ気1つ起こさなかったのだ。私はヒドく悲しんだ。眼の前に男の夢が迫っているのに、それを素直に喜べない己の性を呪った。どうかこんな私を慰めて欲しい(性的な意味で)。

出来ることなら、オッパイに欲情できる男として生きたかった。胸チラで一喜一憂したかった。しかし、少年時代のトラウマにより、それは二度と叶わない。

男性諸君、どうかこれからの人生に悔いが無いよう、オッパイを堪能して欲しい。私が夢見た幻想を、あなた方に託します。

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?