『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』はプリティーリズムここにありと示すとんでもねぇ映画だった
・田中です。(前回からの続き)
新作が絶賛放送中のプリティーシリーズの一作品であるプリティーリズム・レインボーライブ、その続編である『KING OF PRISM by PrettyRhythm』が(シリーズ再始動もあってか)YouTubeにて無料配信された。自分はそれを見て、またしても感想をここnoteに書いた。
レインボーライブから出てたオバレ3人の活躍そして困難、新たなるキャラの登場、様々な展開を見せてくれたがどうしても気になる部分があった……これ続編ありきの作りだわ。改めて確認するが下手したら(というか応援上映ブーム来なかったら)これから話すキンプラ作れず打ち切りだったんですよね……?いやなんか考えられへんわ……自分はレインボーライブ視聴時に「なんで当時こんな面白いの教えてくれなかったんだ〜!」とか言ってたが、それに対してかのように「本当だよキンプリの頃はマジで危なかったんだぞ」という声あったのが今ならその理由が分かる。なんかすいやせん……
それはともかくそんなキンプリの次回作である『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』も無料配信されたのだ、今度は4月4日の西園寺レオの誕生日記念として。なんかこのままだと次は5月4日の香賀美タイガか5月5日の仁科カヅキの誕生日記念でテレビシリーズになった続編SSS配信する気がするんですが……(流石になかった)
ということで今回も始めていこうと思う、前回においていろいろ大変なことが起こりそうな予告からいったいどんな話が出てきたのか……
……なぜ裸なんだ?(OPのあれ。センシティブなので画像は貼らない)
・まず始めに〜みんながいたよ〜
まず今作キンプラにおいて真っ先に触れたいことがある………みんなが、いる。6人が。あくまで男子メインの展開だからで写真とかで済まされていた過去メンが…コウジやユウと密接に関わるいとちゃんは勿論のこと、なるちゃん達もちゃんと出てきた。台詞は一言のみとはいえ、それだけでもキングオブプリズムはレインボーライブの延長線に存在するんだという嬉しさを感じた……ありがとう続編…ありがとう応援上映とかで劇場で何度も見てくれた当時のファンの皆さん…ありがとう期待を込め続編ありきで制作したスタッフの皆さん…
・プリズムキングカップ、開幕!
さて前回バイプリからの続きである今作、メインの話はレインボーライブでのプリズムクイーンを決める大会の男子バージョン、4年に1度のプリズムキングカップに出場するという話である。予告の時点でシュワルツローズがPRIDEの権利差し押さえするわ仁がジュネを略奪するわと波乱起こりまくりを予期しいたがその実態は……まさに「今作はレインボーライブの正当続編ですよ」といわんばかりの内容だった。過酷な展開!多数の人間ドラマの同時進行!確かに存在する絆!そして心震わすプリズムショー!最後は清々しい感動!!いくら前回である程度やったとはいえ、これを70分程の尺に収めたのは恐ろしさすら感じる……さすがレインボーライブ時代から群像劇を描き綺麗にまとめただけはある……
ということでそんな話の中で特に動きが多かった4人を中心に語っていこうと思う。まずは法月仁だ。いきなり濃い奴から来たな
・法月仁編
「(PRIDEを作曲したのは)Lucky Star・JOの忘れ形見とは…ハッ、確かに前々から彼には格があるとは思っていました……」
(ウソつけRL時代に暗いとか言ってたじゃねえか)
ヒャアハァ!!ざまぁ〜見やがれ!!!
聖ィ!PRIDEを使いたければクぁネ(金)を返せェ!
ひゃくお〜くぅぅ!!wwwwwww
もうお腹いっぱいになりそうかつてはエーデルローズ主宰として生徒を徹底的に厳しく教育し非道を散々していたのだが、そんな中で速水ヒロに悪行をバラされプリズムショー界から追放された筈だった法月仁……しかし奴は全然諦めてなかった!父・法月皇の死を機にエーデルローズ財団を掌握し新組織・シュワルツローズ(ドイツ語ならSchwarzはシュバルツでは?)を立ち上げ日本男子アイドル産業の殆どを牛耳るトンデモ大復活を遂げてきた!
しかもそれだけでない……この法月仁はやられたら徹底的にやりかえす。後述する理由で憎み続ける聖に対して相続税だので130億の損失を押し付けるわ、刃を向けてきたヒロに対して持ち歌『PRIDE』の権利を(コウジをハリウッド送りにしても全然足りない借金100億による差し押さえという形で)奪い両親の名誉を傷つけるようなスキャンダルを流す容赦の無さ!でもなんかここまでやると「あぁ彼もちゃんと人間らしく恨み続けて復讐したいという気持ちがあるんだな」と妙な共感を生むから不思議なものである。あと慇懃無礼さを隠しきれずにヒステリックじみて本性をよく見せるようになった所とかも見てる分には面白いし(鞭で引っ叩かれるTheシャッフル一同には申し訳ないけど)。
そんな仁だがレインボーライブ時代からあった裏設定が公式化される……氷室聖の父はなんと法月皇、つまり仁と聖は異母兄弟という衝撃的な設定だ。聖はいわば母・氷室マリアと皇の不倫の子ということに……なんかRL当時だと「アレな息子に比べて意外にもしっかりした人格者」なイメージあった皇さんだが、まさかそんなことをしていたなんて……
かたや不貞ながらも相思相愛の元に生まれた子・聖、かたや…なにも疚しいことはないが政略結婚という愛なき関係の間に生まれてしまった子・仁。……あまりにも酷な対比だろ!RLの感想でちょいとばかし触れたように「今作におけるテーマに自身の存在を否定され続けた最大の被害者では?」と思ってしまったのはこういうことである。そりゃあそこまで地位や名誉に固執するようになるし、他に男作ってた頃もあるヒロの母親を貶したりするわ…でなきゃ自分がなぜ此の世に生まれたのか分からなくなるから。さらにそんな聖は根の純真さも相まってプリズムの煌きをより輝かせる素質を持っていた……自分以上に。だからこそ彼は弟を二度と壇上に立たせぬようにした。超えてはならぬ一線を超えてしまったのだ……
そんな怪人へと成り果ててしまった男・仁だが、聖からエーデルローズだけでなく最愛の人も…天羽ジュネすらも奪い取る。そういやレインボーライブ時点でカマかけてたけど当時はクイーンという称号に目が眩んだトロフィーワイフ的なものだと思っていたのだが……もう舞うことすらできぬただの修道女に執着していると仁なりに本気で彼女を愛そうとしていたんじゃと思えてくる。その「人を愛する」という方法を知らないだけで…
ただの慇懃無礼な純粋悪からこうなってしまった背景が語られ虚しさも感じるようになった法月仁、今回はヒロ達エデロの皆さんに敗北してしまったがどうせまた一悶着起こすに決まってる。そんな彼はどのような結末へと辿り着くのだろうか……自分としては正直けっこう気になる所である。
・仁科カヅキと速水ヒロ、彼らが魅せるプリズムショーという到達点
続いてはやはりこの二人…今作で共に大きな壁にブチ当たった仁科カヅキに速水ヒロだ。Over the Rainbowのふたりが困難を乗り越え見せるプリズムショーとは……
・仁科カヅキ編
ということでまずは仁科カヅキから。前回のバイプリ感想でも言ったように、RL時代に唯一これといった苦難が無かったカヅキ先輩にもついに試練が訪れた……自分のプリズムショーについてだ。高架下で自由に踊っていた頃と違い大勢のファンの為に顔が近いだの夢女シチュだのして黄色い声を浴びせられる日々に快く思わない者も……彼の根本にあるストリート系に影響受けた者達からの声や実力を見せられ彼なりに悩んでいたのだ。
とまぁ敵も味方からも言われてしまうカヅキ先輩。コウジ脱退によるオバレ休止もあって彼なりに自分のプリズムショーを悩んでおり、その為にストリート系のカリスマである黒川冷に相談するのだが……
カヅキくん、君は『黒川冷』になりたいのかい?
プリズムショーは心の煌き、つまりは自己表現……この言葉で気付いた。自分は仁科カヅキであり、それ以外の何者でもない。ストリート系としての強さも勿論大切だ、しかしそれだけじゃない………彼は優しさも併せ持っている。それは決して生ヌルいだのチャラチャラしただの言わせない、確かなものであるのはレインボーライブにて証明済みではないか…
だからこそ彼が舞うプリズムショーは……まさしく彼の集大成……ストリート系も、アカデミー系も、プリズムショーも、それを見てくれる観客の皆さま方も肯定し全て受け入れる大樹のような大きな器を持ち、人々を自由であれと導く、彼の持ち歌『FREEDOM』に相応しい“勇者”としての煌きだった。
フリーダムスプラッシュ!心を自由に解き放て!
俺たちの戦いは終わらない!『プリズムスタァ英雄伝!勇者たちのスタジアム』ッ!
メインプリズムショー、グレートアゲイン!全てのプリズムショーはフリーダムである!『プリズムショー ファン解放宣言』!
前回で感じてしまっていた彼のイメージを完全に払拭した、まさしく仁科カヅキここにありと勇者として君臨するプリズムショーだった。ストリート系を蔑む仁の睨みもあって点数無効になったが構わない、なぜなら自分は勝者でなく勇者、そして必ず勝ってくれると信じてる友達がいるから…
・速水ヒロ編
そして皆さんお待たせしました、今回「PRIDE the HERO」を冠するだけあって欠かしてはならない速水ヒロについて。予告どおり借金のカタに『PRIDE』を差し押さえ&コウジのハリウッド契約で新規曲作成も禁止とかなりプリズムキングカップにだいぶ支障が出る状況に。そんなヒロが行ったことは………
思わず「うお……」と声が出ちゃった。コウジに会う為にハリウッドまで単身で行ってるのは流石に……アレだろ!前回の感想でヒロすっかり毒抜けちゃったな〜と書いてたら「この人がキンプラのヒロ見たらどう思うんだろ…」という反応あったのは見かけてたけど……こういうのかよ!?そうだった、いつもはマトモなのにアレとかコレとかソレもそうだけどコウジが絡むとめちゃくちゃキモくなるんだった。よくキンプリからコウジがキモくなった(事実そう)のは言われてるけど、個人的にはそのコウジ相手に見せるヒロの瞬間最大風速すさまじい執着の方がキツいわ!べるやなるちゃんに見せてた方のヒロ様で頼むよ〜!!
思えば速水ヒロという存在は神浜コウジありきだった…法月時代のエーデルローズ学内にて見下されていた彼の曲に心底惚れ、共に絆を培い、断れぬ選択を提示され裏切ってしまうもののそれでも執着は捨てきれず、その際の衝突でHEROとしての心を思い出しこれまでの過ちを謝罪し、そしてオバレとして彼と共に歩むことが出来た。そのままキングとして君臨できると思い込んでいた……それが不可能になってしまい、また昔みたいな愚行をしてしまった。今の自分にはそんなことせずとも培った絆が確かに存在するのに……
聖から、母から、そして一番はコウジからの本当の気持ちを受けヒロは再び立ち上がる。そしてプリズムキングカップ当日、彼の番の直前にて「ある出来事」もあってヒロが選ぶ曲は……まさかの『PRIDE』だった。裏で一男が100億の借金返済したから権利上問題は解決済みだったものの、恐らく彼はそんな事情なぞ知らないだろう………それでも速水ヒロは頂点へと立つ為の舞台に『PRIDE』を選んだ。それこそが自分自身を最高に輝かせてくれる、親友の神浜コウジが頂点に立とうとも決してPRIDEを忘れないでほしいと願い授けた曲だから。
みんなの心を最も輝かせることができるのは……俺だぁ!
絶対に君を幸せにしてみせる!『太陽の沈まぬ王国・ヒロイックキングダム』!
太陽系の新たな平和と秩序は俺が作る!『銀河ブレイクショット伝説 絶対王政!パックス・ヒローナ』!
みんなの支持を受け、我は地球へ降り立つ!
朕はプリズムショーなり!
『王位戴冠 THE KING OF PRISM』!
まさに「速水ヒロ」がキングへと君臨するプリズムショー…これこそが『KING OF PRISM』であった。正直PRIDEが流れ始めた際は「おいおいおいせっかくいとちゃんユウ君が書いた曲を使わないとかRL18話の再来かよ〜」と思ったりもしたけど、こんなん見せられたら「いややっぱ『PRIDE』じゃなきゃダメだわ…」と誰だって納得するわ。自分を愛するファンの声を受け、そのうえで頂点に立つ高潔なる誇りを携え王に君臨する。ヒロといえばレインボーライブ45話「薔薇の革命」だがあれは彼にとっての25話「さよなら、べる」であり、このキンプラでのヒロのプリズムショーは48話「私らしく、人間らしく」後半パートだった。あの時なんか自分には手の届かない高みへと登ってしまったとかで一方的かつ勝手に失恋してたけど、たぶんもう大丈夫だと思う。とにかくおめでとう、ヒロ……
……そういえば「ある出来事」があったからこそヒロは『PRIDE』を選んだと言った。差し押さえによって本来シュワルツローズの手に渡っていたこの曲、そしてそのシュワルツローズ主宰の法月仁が敬愛する如月ルヰが歌う筈だったのだが彼は違う曲を選び満点を叩き出した。なぜPRIDEを歌わなかったとヒロは聞いたら……「僕ができる、最高のプリズムショーがしたかったから。」と。だから自分もできる最高のプリズムショーをするならばこれしかないと『PRIDE』にした。ヒロと同じように、それほどまでに譲れない想いがルヰにもあるようだが…?
・再び動き出すプリズムの使者の願い〜如月ルヰ、そして…〜
キンプラの話を書く際にトリがヒロじゃないのはちょいとばかし申し訳ない気持ちもある。しかしどうしてもこっちの衝撃も凄まじく、かつ後の展開に影響を与えるだろうから最後にこちらを触れることにした。レインボーライブあるところプリズムの使者あり…なぜかシュワルツローズのトップに立つ如月ルヰくんについてだ。
一条シンに世界のプリズムの煌きをより輝かせる素質を見出し彼をプリズムショーに導いた…今作を見る前に自分は素直にそう捉えてた。互いに敵対する組織ながらも久々に再会した彼らは『Crazy gonna Crazy』を踊る。それはまるで恋人同士のような素敵な時間で……
!?
な なにーっ!!これは……!?今まで見てたあまあま展開は!?いきなり禍々しい儀式の場になったんだけど!?しかもそこからさらなる衝撃発言がルヰから飛び出る!
忘れたのかい?君はこの世を滅ぼしかけた“悪魔”なんだよ。
せめて…一目会いたかった。もう一度、あなたのプリズムショーを見たかった…
好きだよ…。
『囁きのルナミスティックヘブン』…
俺は………俺はなにを見せられたんだ……?(恐怖)
このダンスパートではルヰだけでなく上述した3キャラのドラマが同時進行するのだが、どれもこれも衝撃的で目が離せないばかりの中で一番やべぇと思ったのは間違いなくこれだった。この行為は、この台詞の意味は、そしてルヰくん君はいったい……?
この一件でプリズムフェザーをもがれ一時的にプリズムジャンプができなくなったシンだが、そもそも彼がプリズムショーを初めて見る際にルヰから「“彼”にも見せてほしい」ペンダントを託されていた。それはロケットにもなっており、中には謎の男性写真がひとつ…自分は当初「遠い昔にルヰ(りんねちゃん)がある男性を導こうとしたものの失敗して、その男性が生まれ変わったのが一条シンなので今度こそはと彼を導くために時空を超えて来たのかな」と推測していた。しかしそれは間違っていた……
君も好きなんだろ?ボクのことが……
ルヰの言う“彼”もまた「プリズムの使者」だった。かつて使命なぞ無視して自分自身が人々を魅了したいとプリズムの使者の禁忌を犯しそうになり処分された存在だろう……その処刑を担当したのが後にジュネになるりんねちゃんであり、皮肉にも彼女もまた利己的な愛によって世界を滅ぼしそうになった……まるで蠱惑的と言える“彼”に禁断の愛を唆されたかのごとく。それは恐らく後に如月ルヰになる別個体のりんねちゃんすらも虜にしていただろう。そして……ルヰくん、君は本当に「一条シン」を見ているのかい?
「これで……“君”と同じになれたね。」
翼をもがれプリズムジャンプが飛べなくなった筈のシンは仲間やファンの応援もあって見事に乗り越え心を飛躍させた。それを見たルヰは同じように自ら翼をもぎとった…使者の使命を放棄したのだ。あの頃のジュネのように。まるで“彼”のように。
今作はまだまだ物語の途中、どんな結末を迎えるかは分からない。しかし相変わらずプリズムの使者が抱いてしまった「愛」が世界を揺るがす騒動を起こすのは確実と言えよう。ここからどうなってしまうのか……けれどもひとつだけ言えることがある。それは…、
シャイン:斎賀みつき
……勝てる気がしないんですがこの配役?(てか話に聞いてたやべー奴がコイツなのかい)
・おわりに〜虹の先に待つは星の輝き〜
あれからの続きがこんな最高な形で出されて本当によかったね…心からそう思えた傑作だった。なるちゃん達6人が出れたのも勿論あるし、カヅキとヒロが彼らだからこそな最高のプリズムショーをしてくれたのも素晴らしい。そしてさらなる物語への期待も……
そう、次の話。ヒロがキングに君臨したこともあるしオバレとしての物語は一旦は区切りがついたことだろう(まだヒロの父の謎が残されてるけど)となれば次はついにエーデルローズの若き星々……一条シンだけでなく他の6人のプリズムショーがついに見れる続編『Shiny Seven Stars』通称スッスッスにも期待がかかるものだ。
というわけで今回はここまで!また次回!
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