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京都を暮らすように旅した7日間〜7日目~(朝も昼も夕も晩も鴨川で。)

THREEのスキンケアトライアルセットのおかげで、肌の調子が絶好調な朝。そして快晴で気分も絶好調。今日の夜ごはんは川床を予約している。せっかくの川床が台無しにならずに済みそうだ。

T女史がくだんのアイランドキッチンでコーヒーを入れてくれて、真夏の日差しに照らされた庭を眺める。あまりに最高な朝なので、ずいぶんのんびりしてしまった。

鴨川で朝食を

寺町通りの「リベルテ」でパンを買い、その足で鴨川まで向かう。途中、京都に本社をおく「小川珈琲三条店」でアイスコーヒーもテイクアウト。

鴨川に腰を下ろして、パンを頬張る。

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T女史も、徳子も、私も、「ワークライフバランス」よりも「やりたい仕事・使命感のある仕事」を選んだグループに属すると思う。「忙しそうだけど、やりたい仕事(やりがいのある仕事)があるって羨ましいよ」と言わることがある(私はあった)。

その道はその道なりのしんどさがあるんだよなあ…と思うことも、ないでもない。色々と悩むこともあるけれど、鴨川でおいしいコーヒーやパンを食べながら、泳いでいるのか流されているのか判別がつかない鴨、悠々と目の前を横切るサギを眺めていたら、いい意味で「まあ…なんとかなるか」という気分になってきた。

鴨川は本当に自由な場所だ。おじいちゃんが肌の露出的にギリアウトかな?という格好でランニングにいそしみ、ご近所のマダムたちは本格的なセットで優雅にピクニックを楽しみ、どこからともなく謎の楽器の音色が響いてくる。

自由な場所にいると、気持ちもしがらみから解放されるのかもしれない。

間髪入れず、お昼のおうどん

このシリーズで何度か触れているが、T女史は今後5年ほど仕事で海外&日本へ帰国できない。T女史を見送るために、サークルの同期「お湯ちゃん」が京都の隣の隣の県からやってきた。そういえばこの旅では京都のうどんを食べていなかった、と祇園のうどんや「おかる」へ。

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京都のおうどんは本当においしいよねえ…。今日は本当に暑いから、冷たさがうれしい。

腹ごなしのお散歩

パンからのおうどんで、さすがにお腹がパンパンである。徳子リクエストの、出町柳方面にある中国茶の店に徒歩で向かう。

しばらく鴨川沿いを歩き、途中から御所の東の道へ。唐突に「源氏物語執筆地」という看板が現れたりして、改めて京都の悠久の歴史に感嘆する。その隣にはこれまた文化的な建物。まさかの府立高校。

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40分ほど歩いて目的の中国茶の店に到着したものの、どうやら中国茶器の店だったようだ。重厚な日本家屋に、ソーシャルディスタンスと同じくらいゆとりを持って並べられた茶器たち…おいくらするのかしら?一応入店した以上は気をつかって「わあ、素敵な茶器!」などと言ってみるのだが、自分達の場違い感にだんだん可笑しくなってくる。

店を出てから「こういう店が成り立つのが京都よね」と誰かが言った。確かにその通りだ。

ワコールのお姉さんおすすめ「ひつじドーナツ」へ

さすがに暑いので、タクシーで宿の方面へ。昨日ワコールの担当者さんからGoogleMapを授けられたとき、「宿の近くだからぜひとも食べてほしい」とおすすめされた「ひつじドーナツ」を予約していたのだ。

そのまえに、カラカラの喉を潤すために近くの「鳥ノ木珈琲」で紫蘇ソーダをテイクアウト。おいしくて一瞬で飲み干してしまった。プリンも美味しいお店らしいので、今度ぜひ食べたいなあ。

ドーナツをピックアップして宿へ。イイホシユミコの器に盛り付け、クチポールで4等分にして食べる。さくふわでおいしい…!今日は小麦粉尽くしだ。

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そんな穏やかな夏の午後、三浦春馬くんの訃報が流れてきて衝撃が走る。私たちは三浦春馬くんと同世代だ。ブラッディ・マンデイ、14歳の母、恋空…私もあの子もクラスのみんなが見ていたドラマには、いつも彼が出演していた。

本当に適切な言葉が見つからず、我ながら軽率な発言をしてしまったことを覚えている。何でも持っているように見える人でも、人には人の地獄があるのだ。それを忘れてはいけない。

念願の川床

さて、ついに念願の川床である。T女史は1年の中でも「夏の夕方」をこよなく愛している。

彼女の門出を祝うかのような素晴らしい天気。17時、まだまだ明るい。今日は綺麗な夕暮れが見れそうだ。「日本を発つ前に夕暮れの納涼川床を堪能したい!」という彼女の願いが叶って本当に良かった。

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今週も出張でこちらに来ていた村上※も急遽参戦(※1日目に登場した建築士。彼もサークルの同期。ちなみにあだ名の由来は村上春樹。)。

T女史とのしばしの別れを惜しむために、徳子・お湯ちゃん・村上・私の合計5人で川床を楽しむことに。T女史、愛されているな!だって彼女は本当に思慮深く、優しく、それでいて気さくで、粋な女だからな。

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近況報告についで、隣店の川床の浴衣カップルがお互いスマホに夢中で会話が全く弾んでいないのを誰かが目ざとく見つける。「人間、浴衣デートをするタイプとしないタイプに分かれるよね」という議論から、我々のテーブルを担当してくれた大学生らしきバイトの男の子2人がクール系と元気系でどちらも大変よろしいという話に移行したころ、浴衣デートカップルはすでにいなくなっていた。

空の色が青から水色へ、そして雲は紫色に染まりはじめていた。

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心地よい風が通り抜ける川床で、おいしいごはんを囲む。学生のころはとても手の届かなかった店だけれど、友人たちのとの親しみは変わらない。

T女史は何度もしみじみと「ほんとうに大満足」とつぶやいていた。

夜の鴨川でおしゃべり

川床を出て、夜の鴨川へ。もちろん、コンビニで調達した飲み物とともに。適当なところで腰を下ろして、しばし歓談を楽しむ。

名残惜しくも終電手前で帰るお湯ちゃんと村上を見送って、今日も京都に泊まるT女史・徳子・私の3人でふたたび鴨川に戻る。

「鴨川でおしゃべりしていこう」と誰かが言ったわけでもないけど、丸太町の手前くらいのベンチに並んで座る。このあたりは繁華街の喧騒も遠く、カエルの鳴き声と川の流れしか聞こえない。

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愉快な話も不愉快な話も、全部受け入れてくれる鴨川。どんなに鬱々とした話題でも鴨川で話すことで消化される気がして(というか、浄化に近いのかもしれない)、東京のカフェではできない話もできてしまう。

1時間くらい話していただろうか。蚊に食われはじめてかゆい。そろそろ帰ろうかと腰を上げ、歩いて宿へ向かう。

電気を消して、数日前に吉田が教えてくれた「東京フラッシュ」を流してお湯につかる。檜の香りも最高だ。今日もたっぷり歩いたけれど、不思議と疲労感はない。

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12時半ごろには全員お風呂に入ったはずなのに、仕事の話に花を咲かせていたらあっという間に2時近くになっていた。

いよいよ京都滞在も明日で最終日。今日は朝から晩まで鴨川尽くしの一日だった。

8日目はこちらから



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