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実症例と教訓シリーズ

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稀で例外的なケースが、僕たちに教えてくれるメッセージについて書いています。 主に疾患を取り扱っています。 筋骨格系については https://note.com/nikobun8/… もっと読む
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記事一覧

晴れの日になりやすい病気がある説

雨の日の頭痛はよく聞きますが、僕たちの身体は、気候によってもコンディションがかなり変わっ…

女性の繰り返す腎盂腎炎

尿は、腎から尿管、膀胱へ溜められ、尿道を通って排尿されます。 女性は膀胱炎や腎盂腎炎(腎…

統合失調症の脳の萎縮

統合失調症と言って、妄想、幻覚などが生じてしまう精神病があります。 この病気の患者さんの…

数週間のスパンで、左眼の視力の低下を自覚した話

右眼の方が視力が悪かったのに、左眼の方が明らかに悪くなってきました。 成人してからの視力…

医療技術のジレンマ:全身MRIに大騒ぎする人たち

全身を輪切りにする検査はいくつかありますが、 主にCTという放射線を当てて、細かい画像を得…

Don’t touch lesion.

「手術とかしてはならない場所」という意味で、医学では悪性腫瘍に見えるけど、本当は良性腫瘍…

腫瘍マーカー上昇について

腫瘍マーカーを人間ドックなどで測ると、たまに異常値になることがあります。 異常値になると、軽度であればもう一度測ってそれでも高ければ、癌の疑いで全身検索することになります。十分高ければ、すぐに全身検索することになります。 マーカーの種類にもよりますが、 全身検索とは、血液検査、画像検査、内視鏡検査なんかをやってがんを探しにいきます。 でも癌が見つからないことも多いです。 その場合は経過観察になることが多いようです。 ちなみに、人間ドックでは「癌がわかります」とか謳ってい

目にカレー粉が入った場合 化学眼外傷?

実際の出来事です。 からさのの主成分であるカプサイシンは脂溶性だから、水で洗っても、液体…

今のお年寄りと、50年後のお年寄りの身体は全然違うかもしれない

急激な医療技術や衛生面の改善、収入の増加によって、人類の取り巻く環境がここ100年で劇的…

潰れる肺

肺の余剰能力は結構高いと言われています。 健常者であれば高強度運動で、超努力呼吸を行なっ…

馬刺しの食中毒

人に感染することはないが、 一応消化器症状は出るみたいですね。 ザルコシスティス・フェアリ…

肩甲骨の下角付近によくできる腫瘍について

弾性線維種という腫瘍。 肩甲骨下角付近の前鋸筋と胸郭の間にできる印象である。 肉体労働の…

腸管破裂と思いきや

お腹の中で、空気があると、腸管穿孔を疑いますが、 必ずしもではなく、良性の機種である場合…

不随意運動にYouTubeという強い味方が

心肺停止などで、低酸素脳症として障害が残った患者さんに、素早く不自然な動作をとることがあります。 低酸素脳症後の方では、意思疎通が困難になっている人も多く、なんらかの大脳の障害によるものなのか、ちょっとわかりづらい場合があります。 あと、社会生活困難になっていると、医療者側に、その現象の原因を特定しようというモチベーションも失われているかもしれません。 ここであえて、症候として捉え、異常行動が何かを判定するようにするのは、結構大事なことです。 起きている現象をきちんと