猪田浩隆 Hirotaka Inoda

医師|経営者| 身体・医学知識を用いた新規事業と研究開発のサポート(成功報酬型)に注力…

猪田浩隆 Hirotaka Inoda

医師|経営者| 身体・医学知識を用いた新規事業と研究開発のサポート(成功報酬型)に注力しています|画像診断・がん治療が専門領域|東京大学薬学部卒・東京医科歯科大学医学部卒|バーベルの安全な持ち方からセリアック病まで、少し外れた疑問も紐解きます

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マガジンにまとめました。

医療の舞台裏シリーズ 綺麗事ではない、実際の医療現場での実態について、考察とともに述べています。https://note.com/nikobun8/m/m61e506eede49 実症例と教訓シリーズ 稀で例外的なケースが、僕たちに教えてくれるメッセージについて書いています。 主に疾患を取り扱っています。 ※筋骨格系については https://note.com/nikobun8/m/m3cee424a8c43 運動器(筋肉、骨格)トラブルシリーズ にまとめています。

    • 医者が病院を去る日

      今の僕の生活は、医業としては週に数時間非常勤(いわゆるバイト)の仕事があるだけで、ほとんど自由時間です。 大半の時間は、物思いに耽ったり、運動と読書と勉強と散歩しながら、人生のパートナーである鳥と過ごしています。 この生活になってから2年になります。 医者が病院を辞めた日①〜⑩でお話ししてきたのは、いくつかの動機でした。 今回のお話は、当時の環境がとても悪かったから、必死になって切り開こうとしたわけではない、ということです。 僕は病院で働いていて、とても幸せでした。 特

      • 医者が病院を辞めた日⑩

        今の僕の生活は、週に数時間非常勤(いわゆるバイト)の医者の仕事があるだけで、ほとんど自由時間です。 大半の時間は、物思いに耽ったり、運動と読書と勉強と散歩しながら、人生のパートナーである鳥と過ごしています。 この生活になってから2年になります。 病院を辞める前に、病院で勤めることで感じていた違和感について、紹介しています。 医師の仕事は救急などを除き、ほとんどは、ルーチンになっています。 もちろん、緊急の時に素早く動ける必要はあります。 ほとんどの人は、就業時間前から

        • 医者が病院を辞めた日⑨

          今の僕の生活は、週に数時間非常勤(いわゆるバイト)の医者の仕事があるだけで、ほとんど自由時間です。 大半の時間は、物思いに耽ったり、運動と読書と勉強と散歩しながら、人生のパートナーである鳥と過ごしています。 この生活になってから2年になります。 僕が病院を辞めるにあたって、考えていたことをシリーズで率直にお話ししています。 医者は、大学を卒業して、国家資格を取ると、患者を診察するようないわゆる一般的なお医者さんになるために、2年間の研修が課せられています。 司法修習生と

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        マガジン

        • 自身の身体における習慣やチップスシリーズ
          15本
        • 実症例と教訓シリーズ
          19本
        • 身体や医療における反一般的な疑問シリーズ
          3本
        • ヘルスケアビジネスシリーズ
          1本
        • 医療の舞台裏シリーズ
          5本
        • 運動器(筋肉、骨格)トラブルシリーズ
          5本

        記事

          医者が病院を辞めた日⑧

          今の僕の生活は、週に数時間非常勤(いわゆるバイト)の医者の仕事があるだけで、ほとんど自由時間です。 大半の時間は、物思いに耽ったり、運動と読書と勉強と散歩しながら、人生のパートナーである鳥と過ごしています。 この生活になってから2年になります。 病院を辞める時、疑問に思いました。 「病院ではたくさん仕事があるから、経験によって技術を維持できるけど、減らしてしまったら腕が鈍らないだろうか」 医師としての僕の仕事は、どんなものか分かった患者がくるものではなく、 雑多な患者

          医者が病院を辞めた日⑧

          医者が病院を辞めた日⑦

          今の僕の生活は、週に数時間非常勤(いわゆるバイト)の医者の仕事があるだけで、ほとんど自由時間です。 大半の時間は、物思いに耽ったり、運動と読書と勉強と散歩しながら、人生のパートナーである鳥と過ごしています。 この生活になってから2年になります。 病院にいた頃、周りを見てきづいたことがあります。 ほぼ全員の人は大人になると、進歩なんかほぼしません。 一年前とだいたい同じ人間のままです。 医療の世界でも同じようなことが当てはまります。 研修医や専攻医の時は新しい職場で、新

          医者が病院を辞めた日⑦

          医者が病院を辞めた日⑥

          今の僕の生活は、週に数時間非常勤(いわゆるバイト)の医者の仕事があるだけで、ほとんど自由時間です。 大半の時間は、物思いに耽ったり、運動と読書と勉強と散歩しながら、人生のパートナーである鳥と過ごしています。 この生活になってから2年になります。 病院を去る前に、こんな不満がありました。 帰宅し食事をとると、明日の仕事のために寝なくてはいけませんが、 寝る前までの時間はわずか2、3時間程度でした。 今日素晴らしい本と出会っても、読み続けられなかった。 読書の時間は、生

          医者が病院を辞めた日⑥

          医者が病院を辞めた日⑤

          今の僕の生活は、週に数時間非常勤(いわゆるバイト)の医者の仕事があるだけで、ほとんど自由時間です。 大半の時間は、物思いに耽ったり、運動と読書と勉強と散歩しながら、人生のパートナーである鳥と過ごしています。 この生活になってから2年になります。 病院にいる単調で人工的な生活から、吐き気がするほど残酷で複雑な世界へ漕ぎ出す前に、ポートフォリオの話をしておきます。 外は、ある日突然巨大ハリケーンが到来するかもしれません。 生身のままでふらふらしていると、嵐が来たら、また建物

          医者が病院を辞めた日⑤

          医者が病院を辞めた日④

          病院を辞める理由、 世界への好奇心と、リスクの回避 この二つへ影響する、もう一つの要素について気がつきました。 思い込み、です。 なんのことかさっぱりだと思います。 同じ場所で大半を過ごし、同じタスクに多くの時間を費やすと、 組織の中のメカニクスやロジックにずっと身を置くことになります。 それが自分自身の人生と見分けがつかなくなってしまっている人もいます。 人間の体という自然を扱う仕事には、より客観性が求められるにもかかわらず、 思い込み・バイアスを減らそうと努力して

          医者が病院を辞めた日④

          医者が病院を辞めた日③

          今の僕の生活は、週に数時間非常勤(いわゆるバイト)の医者の仕事があるだけで、ほとんど自由時間です。 大半の時間は、物思いに耽ったり、運動と読書と勉強と散歩しながら、人生のパートナーである鳥と過ごしています。 この生活になってから2年になります。 僕が典型的な医療現場から降りることを決めた後、 ある出来事が起こりました。 僕の大切な家族が亡くなりました。 死に目には立ち会えなかったですが、たまたま夏休みをとっており、その日に駆けつけることができました。 もし、夏休みでなか

          医者が病院を辞めた日③

          医者が病院を辞めた日②

          今の僕の生活は、週に数時間非常勤(いわゆるバイト)の医者の仕事があるだけで、ほとんど自由時間です。 大半の時間は、物思いに耽ったり、運動と読書と勉強と散歩しながら、人生のパートナーである鳥と過ごしています。 この生活になってから2年になります。 僕が病院を、辞めたもう一つの理由があります。 知らず知らずのうちに自分のリスクが上がっていると感じたためです。 なんのこと?と思われるでしょう。 そもそも実社会では、「収入は一定でない」のが普通です。 当たり前ですよね、企業

          医者が病院を辞めた日②

          医者が病院を辞めた日①

          今の僕の生活は、週に数時間非常勤(いわゆるバイト)の医者の仕事があるだけで、ほとんど自由時間です。 大半の時間は、物思いに耽ったり、運動と読書と勉強と散歩しながら、人生のパートナーである鳥と過ごしています。 この生活になってから2年になります。 生活を変えた動機はたくさんありますが、そのうちの一つをお話しします。 仕事で同じことをしている時間が長いと思っていました。 平日朝から夕方まで同じところで働いている間、 僕のみていない世界では、思いもよらない変化が起きているので

          医者が病院を辞めた日①

          女性の繰り返す腎盂腎炎

          尿は、腎から尿管、膀胱へ溜められ、尿道を通って排尿されます。 女性は膀胱炎や腎盂腎炎(腎に菌が感染すること)になりやすいですが、 それは尿道が短くて、逆行性に菌が膀胱や腎に到達しやすくなるからです。 この場合は、「単純性」腎盂腎炎と言って、抗菌薬を投与すれば大体治ります。 反対語の「複雑性」は、この一連の流れが堰き止められることで起こります。 単純性は堰き止めがないものを指します。 堰き止められると、菌が繁殖しやすくなり、腎盂腎炎になると、菌が増加するスピード>尿として

          女性の繰り返す腎盂腎炎

          カルテ保存・診察録音のすすめ

          みんなしない、病院受診した時の記録保持。 自分を客観的にみれたり、自分自身の誤解を解いたりできるメリットがあります。 印刷はコストもあまりかからないし、録音は別に違法行為でもないので、どんどんやってOKです。 どこの病院でもカルテ開示請求という制度があります。 1枚あたり数十円払えば、カルテを印刷してもらえます。 こういうと、医療訴訟を準備するために使うのかなと思われる方も多いと思いますが、 (もちろんそういう時にも使えます) ここでは少し違います。 カルテを保存してお

          カルテ保存・診察録音のすすめ

          統合失調症の脳の萎縮

          統合失調症と言って、妄想、幻覚などが生じてしまう精神病があります。 この病気の患者さんの脳を見ていて、萎縮がない人が多いことに気づきました。 データ上でも確認されていて、その原因はわからないのですが、脳の機能は異常なのに、形態が変わらないのは珍しいことです。 有病率は結構高くて、100人に1人くらいいます。 大体学年で1人くらいいる計算になりますね。 この病気で、10代から20代くらいにかけて、進学や就職する位につれ、学生の頃のコミュニティや人間関係から脱落していっている人

          統合失調症の脳の萎縮

          今のお年寄りと、50年後のお年寄りの身体は全然違うかもしれない

          急激な医療技術や衛生面の改善、収入の増加によって、人類の取り巻く環境がここ100年で劇的に変わっています。 昔はありふれた病気が今はほとんど見かけなくなるケースもあります。 昔の病気を経験している身体と我々の身体は、年齢が同じでも、違ったものであるかもしれないということです。 今は減少している病気の一つにリウマチ熱があります。 A群β型溶連菌(という細菌の一種)感染症に対する免疫の異常反応と考えられていて、子供が主になりますが、先進国では減少しています。 https:/

          今のお年寄りと、50年後のお年寄りの身体は全然違うかもしれない