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[ 私のあだ名は ]:シロクマ文芸部(閏年)

↑↑こちらの企画に参加しました。
「閏年」というお題を見て、頭に「ん?」が浮かんだ教養のない私です😅
この記事は、ショートショートです。


画像:むら/illustAC


[ 私のあだ名は ]


 閏年に生まれた私。
 いや、閏年生まれなら、同じクラスに大勢いるけど。
 私は特別。
 そう、私の誕生日は2月29日。
 昔は28日か3月1日にずらして出生届をしていた、なんて聞いたことがあるけど、今は問答無用で2月29日生まれになるらしい。
 4年に1度しかないから、とにかくややこしいことが多いんだけど、私の場合、もう1個ややこしいことがある。
 あだ名だ。
 親しい友だちは私を「リン」と呼ぶ。
 キャンプブームを起こしたマンガの主人公の影響もあるみたいだけど、元々は2月29日生まれというのが大きい。
 小学3年の時の担任が、クラスに閏年生まれが多いことを知り「夏のオリンピックは閏年に開催されるから、早生まれのキミらはオリンピック世代だな」と言ったことが発端だ。
 誰だったか忘れたけど、たぶん男子の誰か。
 「オリンピックといえば五輪だから」とか言い出して。
 4年に1度しか誕生日がやってこない私のあだ名は、最初「ゴリンちゃん」になった。
 でも、すぐに「リンちゃん」になり、親友が「リン」と呼ぶようになってから、それが定着した。
 なので、そんな経緯を知らない人に本名を名乗ると、みんな決まって頭に「ん?」を浮かべる。
 本名のどこにも「リン」を連想するものが無いからね。
 みんなのキョトンとした顔を見るのが、私は好き。
 最高なのが自己紹介の時。
 本名を名乗って「友だちからはリンと呼ばれてます」っていうと、先生や初めて会うクラスメイトの頭に「ん?」が浮かぶ、それが楽しい。
 この中の何人が、私を「リン」と呼ぶようになるのだろう、なんて考えるとワクワクする。
 だから私は、2月29日に産んでくれ、閏年となんのゆかりもないステキな名前をつけてくれた親に感謝している。
 「リン」と呼んでくれた親友にも感謝。
 毎年、28日に誕生日を祝ってくれるけど、閏年はいつもよりも盛大なんだよ。
 なんたって2月に29日があるんだもんね。
 私の誕生日は2月29日。
 4年に1度の誕生日。
 だからみんなからは「リン」って呼ばれています。
 因みに、東京スカイツリーとは同じ歳です。
 だから本当は「スカイツリー世代」です。
 そして来月、小学校を卒業し春から中学生です。
 スカイツリーのようにリンとした人になれたらいいな、って思います。


おしまい

#シロクマ文芸部


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