Nikkoh

マスキュリズム(男性差別撤廃のための思索と運動)の左派。特に、生命・健康の問題,体力の…

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マスキュリズム(男性差別撤廃のための思索と運動)の左派。特に、生命・健康の問題,体力の問題,性的羞恥心軽視の問題等に関心がある。ガラスの地下室へ押し込められた男性が救われ、ジェンダー平等が実現することを願う。 セクシュアルマイノリティにも該当。性自認は男性で、異性愛者ではない。

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家父長制/男尊女卑は《手弱男》にとって忌まわしき構造である

家父長制あるいは男尊女卑について、示唆ある Tweet と触れる機会がここのところ多くありました。本記事では、それらを紹介するとともに、私自身の考えを述べてみようと思います。  フェミトー様の Tweet まず、フェミトー https://twitter.com/feminist_tokyo 様の Tweet を引用させていただきます。私がずっと抱えていた感覚を絶妙に言語化してくださっていると感じる部分もあり、フェミニズムだけでなくマスキュリズムの立場からも価値ある内容だと

    • 全米男性会議 と フレッド・ヘイワード(3)【フレッドの体験】

      シリーズ『全米男性会議とフレッド・ヘイワード』の第3回です。 下村満子さん による 『男たちの意識革命』(朝日文庫,1986年)の中に収められている、『おれたちは女のための “カネ生み機械” じゃない』(pp.155~168)の内容を紹介していきます。 ※ 過去記事(未読の場合、ぜひ併せてお読みください!) 1981年の第1回全米男性会議で基調講演を行った、フレッド・ヘイワードさん(当時35歳)は、アメリカの男性運動のリーダー的な存在でした。今回は、彼が男性運動に熱心に

      • 全米男性会議 と フレッド・ヘイワード(2)【第1回全米男性会議のこと】

        シリーズ『全米男性会議とフレッド・ヘイワード』の第2回です。 下村満子さん による 『男たちの意識革命』(朝日文庫,1986年)の中に収められている、『おれたちは女のための “カネ生み機械” じゃない』(pp.155~168)の内容を紹介していきます。 ※ 過去記事(未読の場合、ぜひ併せてお読みください!) 女性運動が非常に活発化していた1977年、ヒューストンで全米女性会議が開かれました。『男たちの意識革命』の著者である下村さんも、その取材へ出かけたのでした。そして、

        • 全米男性会議 と フレッド・ヘイワード(1)【イントロダクション】

          マスキュリズム(=男性に対する性差別の撤廃を目指す思想や運動)は、西欧と北米では普及しているようですが、残念ながら日本においては全くもって普及がみられません。男性の弱者性や被害者性にもきちんとスポットが当たることを望み、現状で生きづらさを抱えた男性が少しでも生きやすくなること(即ち《男性の解放》)を願ってやまない立場としては、大変悲しいことです。いつか、日本でも、マスキュリズムの広がりがあるといいなあと思います。そして、そのときには、先駆者である北米や西欧のマスキュリズムに学

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        • 全米男性会議 と フレッド・ヘイワード(3)【フレッドの体験】

        • 全米男性会議 と フレッド・ヘイワード(2)【第1回全米男性会議のこと】

        • 全米男性会議 と フレッド・ヘイワード(1)【イントロダクション】

          国際男性デー 2023

          11月19日 は、国際男性デー(International Men's Day) です。 国際男性デー(IMD)は、男性・男児の健康と幸福を祈念する日 です。 日本ではほとんど知られていませんが、多くの国でこの日の存在が知られています。 ※ IMD について詳しく知りたい方は、  wikipipedia(日本語版),wikipedia(英語版)も参考にしてください。 参考動画 『What are mens issues 男性の問題とは何だろう?』 (英語ですが、CCと書か

          国際男性デー 2023

          《異性から裸身を眼差される男性の羞恥心》を無視するな ~男性の性的プライバシーも守られる社会に~

          男性の性的羞恥心・性的プライバシーに関する記事は、これまでにも何本も書いてきました。この問題はとても根深いです。声は上がっていますがなかなか正対されることはなく、今もどこかで繊細な感受性を持つ男性が蹂躙されています。 筆者である私は、幼少の頃から性的プライバシーに敏感な男性でした。小5まで体育の更衣が男女同室で、女子の面前での更衣が本当に苦痛でした。  (逆に、平気でパンツ1枚になって見せつけてくる女子もいましたね……。男性も女性も実に多様ですね) この問題における一番

          《異性から裸身を眼差される男性の羞恥心》を無視するな ~男性の性的プライバシーも守られる社会に~

          女からの加害を受けた男を打ちのめす《4重の否認》 ~社会は女の加害にも正対せよ~

          まず大前提として、女性から男性への加害はあらゆるところで現実に発生している。また、すべての男性が強靭な強者であるというのは誤りであり、並の女性よりも虚弱非力な男性も実在している。そして、自分よりも弱い男性をターゲットに選んで加害する女性が、この社会には実在する。 しかし、この社会で生きる多くの人たちが、無意識のバイアスに支配された偏った目で男性と女性を見ている。女性を "か弱い" "庇護すべき" "善良な" 存在であるととらえ、それに対して、男性を "強靭な" "暴力的な"

          女からの加害を受けた男を打ちのめす《4重の否認》 ~社会は女の加害にも正対せよ~

          体力の男女比較 ~〈 手弱男 〉の存在を可視化する試み~

          はじめに ~〈 手弱男 〉の憂鬱~以前、〈手弱男〉というマイノリティ という記事を書きました。 伝統的な 〈男らしさ〉 を表現する言葉に〈益荒男〉というのがあります。また、伝統的な〈女らしさ〉 を表現する言葉に〈手弱女〉というのがあります。〈手弱男(たおやお)〉 というのは私の造語で、「汝、〈 益荒男 〉たれ!」 と言われることに苦しみを覚える男性のことを指します。 一般に、「男性は強い,女性は弱い」とされ、社会通念となっています。これを前提とした制度や慣習なども非常に多

          体力の男女比較 ~〈 手弱男 〉の存在を可視化する試み~

          大雑把な〈適材適所〉としての性役割が、外れ値的な男性を苦しめている

          まず、以下の Tweet をご覧ください。 前提として、学校において力仕事を生徒へ頼みたいというシチュエーションにおいて以下の議論を考えてください。 もへもへ氏は、  (A) 男子こっちにきてくれるー  (B) ちょっと重いけど手伝ってくれるー の2つを「どっちでもいい」と述べ、それに対して私は、前者と後者では大きく異なると述べました。(A)のように男子を一括して呼んで力仕事を命ずることは、〈並の女子よりも非力な男子〉 への苦役の強要につながる可能性があります。(といいます

          大雑把な〈適材適所〉としての性役割が、外れ値的な男性を苦しめている

          "特権" の定義づけの偏りにより、男性差別は見えざるものとなっている

          まず、"特権" について書かれた記事を1つお読みください。NHKのサイトに掲載されていた記事です。 アメリカのいわゆる社会公正教育(social justice education)の文脈では、 “特権”(privilege)というのを、 「マジョリティー側の属性を持っていることで、労なくして得ることができる優位性」 と定義づけているようです。  日本の左派、反差別・人権擁護・福祉を謳う学者や運動家らも、だいたいこの認識なのでしょうね。そして、「男性」を一括りにして「マジョ

          "特権" の定義づけの偏りにより、男性差別は見えざるものとなっている

          兵役義務(徴兵制)は国家による男性に対する人権蹂躙である

          兵役義務(徴兵制)は国家権力による男性のみを対象とした人権蹂躙であり苦役の強要である。最大にして最悪の "男性差別" である。残念ながら、たいていの軍隊組織は極めて不健全であり、理不尽ないじめ・シゴキや暴力が当たり前のように蔓延っているものである。国家権力が、ただ「男性に生まれた」という理由だけで、全ての男性を強制的にそのような組織へぶち込むのが兵役義務(徴兵制)である。これは極めて重大な人権蹂躙であり性差別であるが、そのことをまともに問題として議論されることすら無い。  折

          兵役義務(徴兵制)は国家による男性に対する人権蹂躙である

          男子にオープンスペースでの更衣を強要する学校は今なお ~繊細な男子に救いを!~

          男子児童・男子生徒に廊下等のオープンスペースでの更衣を強要する学校は、令和の時代となってもあちらこちらにあると思われます。  以下は、下野新聞の2023年4月17日付の記事です。  男性の性的羞恥心が軽視または無視されてしまう件は、繊細な男性にとって重大な差別問題です。ここでは学校における問題を取り上げていますが、成人男性においても同じ問題が起こっています。 〇 ステレオタイプ:「男性はあまり恥ずかしがらない」  〇 偏見: 男性は人前でパンツ姿や裸にさせても別に平気。 

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          NHKのツイートが炎上 ~プライベートゾーンを露出する介助や看護について~

          NHKハートネットのアカウントが、4月17日に行ったツイートが炎上しています。  入浴介助や排泄介助,清拭や陰部洗浄などは、プライベートゾーンを露出することになります。それゆえ、可能な限り同性の介護士や看護師が行うのが好ましいと考えます。私も、このような介助や看護はできる限り男性の介護士さんや男性の看護師さんにしていただけたらと願っています。ただ、人的資源に限りがあるため、どうしても難しいこともあるのでしょう。 その点について、私は以下のような引用ツイートを致しました。 

          NHKのツイートが炎上 ~プライベートゾーンを露出する介助や看護について~

          ABEMA Prime で《弱者男性問題》

          ABEMA Prime で《弱者男性問題》が取り上げられました。以下にリンクを貼っておきますので、よろしければご覧ください。 【弱者男性】被害者=女性の先入観は?性別特有の生きづらさをどう解消?抜け落ちてる視点とは?アベプラ (2023年4月6日)  この動画について、私は以下のようなコメントを投稿しておきました。 という語をどのように定義づけるかは、現状において人それぞれに異なっているようです。私は上記のコメントでも書きましたが、 "社会通念として広く根付いている「

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          兵役義務(徴兵制)は最大の "男性差別" である

          この世に存在する最大の "男性差別" が、男性のみを対象とした拒否することの許容されない兵役義務(徴兵制)である。  大韓民国の場合、全ての男性に約2年間の兵役義務が課せられており、基本的に逃れることはできない。軍隊組織は極めて不健全で、理不尽ないじめ・シゴキや暴力が当たり前のように蔓延っているという。国家権力によって強制的にそのような組織へぶち込まれる。拒否することは許されず、もし兵役拒否を貫こうとすれば刑務所送りになる。  ただ「男性に生まれた」という理由だけで、理不

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          運動が苦手な男子・体育が嫌いな男子の感じる抑圧

          10月の第2月曜日は "スポーツの日" です。長らく "体育の日" と呼ばれていた祝日でしたが、数年前に呼称が変わりました。1964年10月10日に東京オリンピックの開会式が行われたのを記念した祝日です。  その体育やスポーツですが、嫌い・苦手という人も多く居るものです。僕もその一人で、小学生のときから体育は嫌い・苦手です。いわゆる "文化系" ひとすじで生きてきました。  「体育嫌い」の男性の声を表出させた研究「体育嫌い」について、京都教育大の井谷恵子名誉教授が、ジェンダ

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