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ありのままを認める教育

ゆるぎない自己肯定感のために必要なのは、「ありのまま」を認めることだった。
自己肯定感育成計画、最後のピース。


初めに


どうも、幸せ追求教師、ニキチャコです!

自己肯定感育成特化型教師を謳っている私ですが、一番大切なところにやっとたどり着きました。

それは、自己受容感と自尊感情です。

自己受容感とは、「どんな自分でも受け入れることができる」と感じること。

自尊感情は、「私の存在自体が素晴らしい。価値がある。」と感じること。

関連記事「自分への思いやりがすべてを変える」でも述べているように、様々なことが、自己受容感と自尊感情を高めることを邪魔しています。
(※関連記事↓)

今の日本の社会は、いや、今までの日本社会は、自分よりも他人を優先し、自分よりも他人を大切にすることが当たり前と言われる社会だったのではないでしょうか。

ですから、ここまでの文章を読んで、「ん?当たり前じゃない?自分優先とか自己中でしょ?そんな人嫌われるよ?」って思われた方もいると思います。

学校現場でも同じです。この考え方は、なかなか浸透していかないかもしれません。
「子どものありのままを認めるなんて、崩壊しちゃうよ!?」なんて思う人もいるでしょう。「そういう考えはフリースクールでやって。」なんて思う方もいるかもしれません。
実際、今の学校教育は評価・判断される場になっており、残念ながら自分を大切にすることは二の次です。

私は教育目標に、「自分を大切に」を一番に掲げる学校を見たことがありません。(あったらぜひ教えてください。)

そこがまず、おかしいのです。
本来、人はありのままで素晴らしい。

私は、公教育でこそ、この「ありのままを認める」考え方をしっかりともって子どもと接することが、これからの時代は大切になると考えています。

自分を愛することができる子たちが、愛を広げていくことができます。
心を愛で満たし、心の器からあふれた愛が周りへ向かう。本来はそうあるべきだと考えています。

では実際に、私達大人はどうすればいいのか。
まずは、「ありのままの自分」を受け入れる邪魔をしているものを整理しましょう。


邪魔をする「良い条件」


「ありのままの自分」を認めることができないのは、条件付き肯定をしてきた、されてきたからです。

かっこいい自分は良い。
美しい私は良い。
頑張っている自分は良い。
勉強ができる自分は良い。
テストで100点とれる自分は良い。
失敗しない自分は良い。
忘れない自分は良い。
親が認める自分は良い。
好かれる自分は良い。
お金持ちな自分は良い。
堂々と話せる自分は良い。・・・・

たくさんの「良い条件」がこの世にはあります。

「これが良いんだよ」って言われてきた数が、そのまま条件となり私達を縛っています。

自分が信じている「良い条件」が、それ以外の自分を悪くすることで、ありのままを認めることができなくなります。

つまり、ありのままを認めさせないのは「良い」という条件だったんです。



実際には、誰が見ても良いことなんてありません。

これもまた、正しさであり、固定観念の仲間です。

見方や立場、場所や時代などが変われば、またちがった条件が生まれます。

良いも悪いも本当は存在しません。

ただ事実や結果が、ありのままに存在するだけです。

それが良いか悪いか、判断し、決めつける必要もないんです。

なのに、決めつけてしまうのはなぜか。

そうやって育てられてきたからです。

家族、先生、友達、周りの大人、メディア、ありとあらゆるものから、たくさんの言葉で、条件付けされてきたからです。


私達教師にできること


以前、ご紹介したセルフ・コンパッション(自分への思いやり)という手法は、主に「何かよくないことがあった時」の自己受容の方法でした。
(※関連記事↓)

「ありのままの自分」を認めるためには、それだけでは足りません。
日頃から、少しずつ少しずつ高めていくことが大切です。

そこで一番重要なのは、私たち教師の言葉と態度です。

その言葉は、私達の思考が生み出します。

そう、私達自身が「ありのままの自分」を認めることができるかが、おそらく一番の難関であり、重要なことです。

「いや、自分がありのままを認められてなくても、口先だけで可能なんじゃない?」と思われる方もいると思います。

半分その通りで、半分間違っています。

ありのままを認めることが重要と分かっていれば、言葉を気を付けることができるでしょう。ですが、それは「気を付けている時のみ」です。

言葉とはふとした瞬間に、知らないところで飛び出てしまうものなのです。
子どもはそういったところに敏感です。よく見ています。

「この先生なら大丈夫。本音で話せる。」と思われるか、「この先生は、言ってることがコロコロ変わる・・・。私のありのままを認めてはくれないだろう。『頑張れ!』とか言われそう。あぁ、しんどいな・・・」と思われるか、どちらがいいかは明白でしょう。

また、自分に認めてないことを、他人がしたとき、その行動にイライラしてしまいます。自分に許可を出していないことを、相手がしていたら、不公平に思ったり、イライラやもやもやになります。そのイライラは言葉や態度に自然に現れます。

自分の心に向き合うことが、私達の最重要課題です。


「ありのままの自分」に向き合い、認める


では、「ありのままの自分を認める」とは、どういうことなのでしょうか。

ポイントは、「何もしなくても、存在するだけで価値がある。」と心から信じられることです。

また、自分を過小評価も過大評価もせず、等身大で受け入れ納得することでもあります。

「私は、私以下でもなく、私以上でもなく、そのままの私。」という感じです。

前述したとおり、私達は条件付きで自分を肯定している人がほとんどです。

「どんな自分も素晴らしい!(^o^)/」と胸を張って言える人はなかなかいません。

私達は赤ちゃんとして生まれたとき、何もできないのに人々を喜ばせ、感動させ、幸せにしてきました。何もできないのに、何も持ってないのに、です。初めは、存在するだけで素晴らしかったのです。

ですが、勉強ができるから、運動ができるから、他の人より早く走れるから、力が強いから、ちゃんとしているから、成果を出せるから、大きい声で話せるから、誰とでも仲良くなれるから・・・

いろいろな「良い」という固定観念のすりこみによって、「悪い」自分を作ってしまいました。社会が望む「当たり前」「常識」もその一つです。


つまり、そんなものを取っ払ってしまえばいいのです。

「これが良い!」という正しさから解放される。固定観念から解放される。そのために当たり前を疑うこと。

「ありのままを認めさせないのはなぜだ。」
「本当にそうなのか?何もできなくても素晴らしいだろう?」

このように、自問してみましょう。


好き嫌いを認める

「ありのまま」とは、今この瞬間、自分がだめだところだと思っていることも認めるということです。

その中でも、嫌いなところ、もの、人、これらを認めることも必要です。

勉強が嫌いだなんて、ダメだなぁ・・・じゃない。
ついつい食べ過ぎちゃう。ダメだよなぁ・・・じゃない。
人間関係が嫌い。こういう自分嫌い・・・じゃない!

それも全部含めて私です。

私は~がきらい!とはっきり言っていいのです。
「田中さんは、あの人のことを好きって言ってるけど、私は嫌い。」でいいのです。

そうすると、「あなたは好きかもしれないけど、私は嫌い。」「私は好きだけど、あなたは嫌いなんだ。そうなんだ。いいと思う。」と、相手が嫌いなことも受け入れることができるようになります。

自分が好きなものを否定されても、「あなたはあなたの好き嫌いがあるからいいんじゃない?」と相手を受け入れられるようになります。

クラスの学級活動で話し合いをしている時、「嫌なことは嫌って言うんだよ。言わなきゃ伝わらないからね。」と私がいうと、子どもたちは、「嫌われそうで怖い。だから言えない。好きなことも否定されそうで怖い。」と正直に話してくれました。

相手が、嫌いなことを嫌いと言い、嫌なことを嫌っていっても、「そうなんだ。ごめん。気を付ける。言ってくれてありがとう。分かってよかった。」と言ってくれる人なら、言えるはずなんです。

そのためにも、みんなで、嫌いなことや嫌なことを共有し、認めあうことが大切です。

「自分は~が好き!」「~が嫌い!」と自分のことを大切に扱えるようになれば、みんなが安心して、過ごせるようになるのです。

私のクラスでは、自分の嫌いなことや、されたら嫌なことを全体で共有したり、自分の好きなものをぎゅっと集めたカードを作り、見せ合ったり、「いいね!これってなあに?」と質問して相手を知る活動をしたりしています。
この活動を通して「自分が好きでも相手が好きとは限らない。その逆もそう。気を付けたい。知れてよかった。」と感想を述べていました。

自分の好き嫌いも、相手の好き嫌いも認めることが「ありのままの自分」を認めることにつながります。


「何もしなくても素晴らしい」と伝え続ける


私達教師が常に提示している良い条件が、それ以外を悪として排除することで、「ありのままを認めさせない空気」を作っている可能性があります。

私達が良いと思う行動を、価値づけていくということは、それ以外を排除していくことでもあります。
「私達教師や、親が望む「良い行動」ができなくても素晴らしいんだよ。」ということを心に留めておくことができれば、そのような言葉かけができるはずです。

そして、常日頃から、良い条件以外の自分も素晴らしいということを何度も何度も言葉で、態度で示していくことが大切です。

「赤ちゃんの時は、何もできなくても、何ももってなくても、みんなを幸せにした。もとからあなたは、誰が何と言おうと素晴らしいんだよ。何ももってない、何もできないあなたもすでに素晴らしいんだ。」と伝え続けます。

「めんどくせー」って言葉には、「ちゃんとせぇ!」ではなく「そういうとき、あるよね~」と。

「しんどい」って言葉には、「頑張れ!」ではなく、「そういうときもあるし、そういう時は休もう。自分をいたわっていい。」と。

本来なら悪いと言われそうな行動を受け止め、「そんなあなたも素晴らしい。」とメッセージを送り続けます。

そのためには、やはり、自分自身に対して同じ気持ちをすでに持っていないとできません。偽りの言葉を言っても、気持ちが乗らないからすぐ見抜かれます。見抜かれなくても、自分がイライラしたり、しんどくなります。

まずはやはり、自分の心の器を満たしていくことからですね。


人格の評価・判断をしない

先ほど、「良いも悪いも本来は存在しない」と述べました。

だから、どんな行動も、見方を取っ払ってしまえば、事実や体験しか残りません。

経験という見方をすれば、どれもかけがえのないものになります。

だから、その行動から、勝手にこちらが相手の人格に「良い」「悪い」の判断を下すことは失礼だし、決めつけで押し付けです。

判断も評価もしない。何事もそのまま事実として受け入れる。

「あんたは、ぐーたらだからダメなのよ!」ではなく、「ぐーたらだね。」です。

どうしても判断したいのならすべて「最高!」の判断をすればいいです。

全ての出来事に良い面が隠れているので。

もし、正したい行動があるならば、「あなたはあなたのままで素晴らしい。私はあなたを大切に思っている。しかし、~という行動はここでは適さない。なぜなら~だからね。」と、まずはありのままを認めた状態で、行動について指導することが大事です。



正しさに縛られないようにする


ありのままを認めさせないのは、「良い条件」であり、固定観念だと述べてきました。

私達自身が、生きてきた中で手に入れてきた宝物である正しさに縛られていると自覚し、それが確実に通用するのは、私の世界だけだと理解することが大切になってきます。

つまり、正しさに縛られず、長所短所は常に裏表で存在していると理解して、フラットな目線で物事を見定めることができるようになれたら、ありのままの自分も認められるようになるということです。

結局、在り方を選ぶ選択教育に戻ってくるんですね。(※関連記事↓)


在り方を認める


どんな体験も良いことと悪いことが共存しているということは、すべて良いことだと考えていいということになります。(もちろん全部悪いこと捉える人もいるでしょう。※関連記事↓)

子ども達がどんな選択をしても、すべてに長所があり、経験と捉えれば失敗も成功もない。すべて同じ価値となります。

だからこそ、その在り方を、私たちがありのままに認め、応援していけばいいのです。

この方法は、私たち子ども達もストレスフリーな教育方法です。

子ども達が自信をもって、自分の在り方を選択し、行動していけば、自己肯定感も高まっていきます。

結局、私達自身も「ありのままを認める自分」がいいか、「条件に縛られ、しんどい思いをする自分」がいいか、在り方を選ぶようになります。

「ありのままを認める自分」を選べば、自分自身も楽になり、愛で満たされるし、教え子達ものびのびと自己否定をせずに、自分を愛し、周りを愛せるようになっていきます。

もちろん短所はありますが、私は「ありのままを認める自分」を選びました。子ども達は、本音で話してくれます。私は否定をしないからです。


まとめ


私たちにまずできることは、自分自身をありのままに、良いも悪いも評価せず受け入れること。

そして、子どもたちの好き嫌いも、その在り方も認め、「どんなあなたも素晴らしい」と自信をもって言い続けること。励まし続けること。

「良い条件」に沿って、判断しないこと。

そのために「良い条件」のもとである正しさ・固定観念に縛られないこと。

これらが、今私が考えるありのままを認める教育です。


終わりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
どうだったでしょうか。

「具体的な方法が、自分を愛する、正しさに縛られないって・・・おい。笑」って思いましたか?笑

そうなんです。結局、自分自身の固定観念との戦いです。

教師の思考次第です。

自分をありのままに愛せるかどうか、自分の器を愛で満たすことができるかどうかが、結局一番大切なんです。

ただし残念なことですが、現状の教育活動では、子ども達のありのままをすべて認めることは難しいです。

そのなかでも、少しでも変えていけるところはどこかというと、私達の考え方になるわけです。

このありのままを認める教育が広まっていけば、きっともっと楽になる教師、保護者、子どもが増えます。

自己肯定感の土台が整い、どんどん前へ進んでいく最強チルドレンたちが育っていきます。心の安全基地が出来上がるからです。

その先にあるのは、きっと幸せな社会です。

私はそう確信しています。

納得していただけた方は、ぜひ、自分のありのままを受け入れ、そういったムーブを広げていっていただけたら幸いです。

そしてありのままを認める教育の実践をしていただけたらぜひ教えてください!(^^)


これで、自己肯定感育成計画の最後のピースが埋まりました。
他の取り組みもぜひ読んできたいただけたら嬉しいです!


これからもニキチャコは、教師、保護者、子ども達、社会の幸せを願って活動していきます!

ここまで読んでくださり、大感謝です!
あなたの幸せを、いつも心から願っています!

ニキチャコでした!まったね~♪(^o^)/


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