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変化を見逃さないために

私は急性期の記憶がはっきりしていない頃にしか使用したことがないので「装具をつける」ということがどういうことなのか良くわかっていません。

力が入りにくい足を固定して歩行の手助けをするのかな?それくらいのイメージです。

時折「装具を外せました!」なんてSNSの投稿を見かけますが、きっと外すには相当の努力が必要で、装具なしで歩けた時の喜びはひとしおなのだろうと思っています。

その一方で「装具なしで過ごしてみましょう」と療法士さんに言われ外したけれどうまく歩けない、という投稿を見かけることもあります。

入院中に外して練習出来るならばよいけれど、自宅に戻ってからだと毎日リハビリがあるわけでもないから、そのタイミングというのは難しいものなのだろうなと思っています。

ただ気になるのは「装具を外してみたけれどどうなったか」のフィードバックがちゃんとなされているのだろうか?ということです。

「外すようにと言われたのでやってみたらつい動かなくなってしまった」

そんなつぶやきをみたりすると、人ごとながらちゃんと療法士さんとコンタクトが取れるといいなと思ってしまいます。

療法士さんによっては
「不具合があったら本人や家族から訴えがあるだろう」
なんて考えの人もいるかなと思います。

けれども
「外しましょうと言われたから外さないと」
と思ってしまう当事者や家族もいると思います。

私は今の療法士さんになってから何か新しいことを指示される度
「やってみてどうでしたか?」
と聞かれるようになりました。

回復期では聞かれたことがありませんでした。それは入院中だったからかもしれませんが、例えば1週間くらい担当者のリハビリがなくても
「この1週間どうだった?」
と聞かれることはありませんでした。

もちろん代理の人からの申し送りはあったことと思います。でも、患者本人にどうだったかを聞いても良かったのではないかと思っています。

今は聞かれ続けて(笑)一年半経つので、変化に気が付いた時点で伝えるようになりました。それでも毎回
「どうでしたか?」
と聞いてもらえることはありがたいと思っています。

装具を外して起きた変化が、普通のことなのか特別なことなのかの判断は患者や家族にはつきません。

「外したら動きづらいけれどこれが普通なのだろう」
そう思い込んで伝えないままになってしまうこともありそうです。

でも、動かなくなってしまうくらいならば装具をもう少し続けた方がいいという場合もあると思うのです。

だから患者の側が言い出すのを待つのではなく、変化を見逃さないためにも医療従事者の方から患者に聞いてくれると有難いなと思います。