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【第564回】《後編》勝負の一年!2024年山田太郎の新たなる誓い政治生命をかけた政策とは?(2024/1/17)  #山田太郎のさんちゃんねる【文字起こし】

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発言者:
(山田さん) 山田太郎 参議院議員
(小山さん) 小山紘一 山田さんの秘書その1
(小寺さん) 小寺直子 山田さんの秘書その2


今回の内容

(山田さん)
今回は前回からの続きで後編になります。
前回は「表現の自由」「こども政策」をやりましたので、今回は「日本の産業再生政策」「デジタル政策」「将来不安解消」あたりをしっかりお伝えしていきます。

日本産業再生政策

(山田さん)
もしかしたら日本の経済がこのままだと沈んでいくのではないかというような不安感がすごく大きくなっていると思っています。

日本のモノづくりとか日本製造業の再生、この辺りをしっかりと見直していかなければいけない、私は元々製造業向けのコンサルティング等もやってきましたので、何をしなければいけないのか、どんな課題があるのか、今日はお伝えしていきたいと思います。

日経企業の先端製品・部品の売上と世界シェア

(山田さん)
まず日本って何で飯食っているのか、どこが強いのかということで、このバブルチャートで確認します。縦軸が世界市場規模ということで、日本が世界でどのくらい稼いでいるかですが、圧倒的に自動車はやっぱり大きいですね。

横軸はシェア率、日本が世界でどのくらいのシェアを持っているかということ、右に行けば行くほど日本のシェアが高い、ということは収益力が高いということになり、シェアが低いということは、いろんな国が参入していますので、激戦ということになる。

日本の産業の強みはやっぱり自動車ということなんですが、日本だけのお家芸ではない、ドイツも強い自動車産業を持っていますし、中国も最近は自動車産業が強いということで、新しい産業、日本発のシェアが高い産業を出していかないといけないと思っています。

AIとか情報産業みたいなものをしっかり伸ばしていかなければいけないということなのかもしれませんが、世界市場の中で、特にアメリカなんかのシェアが高いところを、日本はどういう位置づけでいくのかということを考えないといけない。

「貿易立国」から「投資立国」に移行

(山田さん)
これが日本の置かれている状況です。貿易立国から投資立国ということで、日本は以前は輸出が強かったんですが、貿易収支は2011年ぐらいから赤字基調が続いてしまっている。

日本は一応黒字ではあるんですが、第一次所得収支(黄色のところ)、これは主に海外に移転した製造業でして、日本の企業が海外で稼いだお金を日本の方で計上するとことで成り立っていてる。

それはそれでいいじゃないかと言われるかもしれませんが、何で日本の国内の雇用が増えないのか、あるいは賃金が上がらないのか、結局日本国内で日本にいる労働者がモノとサービスを作って輸出するのではなく、海外の人たちが海外で稼いでいるということで、なかなか日本国内にお金が落ちない、そういう構造になってしまっているということ。

たとえ日本の会社だったとしても、現地で稼いだお金は日本に還元されるんじゃなくて、たぶん再投資は現地で行われています。日経平均がバブル後最高値だとか、一部上場企業が最高収益だとか言われていますが、なんとなく国内では景気がいいという感じがしないでしょ?

連結でグローバルで計上していれば海外で稼ぎ出した利益というのは非常に大きいので、トータルでは確かに、帳簿上では日本企業最高収益ということになるんですが、我々の実感として給料が上がったりとか、雇用が増えるとか、そういったところは国内にお金が還元されないような形になっているということで、この構造を何とか見直さないと難しいんじゃないかな。

(山田さん)
もう一度このグラフを見て頂いて、もう一つ重要なのはサービス収支(ピンク色のところ)でして、ずっと赤字なんです。

サービス収支内訳(通信・コンピュータ・情報サービス)

(山田さん)
サービス収支の内訳ですが、黄色いのが通信サービスで、白いのがコンピューターサービス、赤いのが情報サービスなんですけれども、いずれにしてもこのサービス収支がずっと日本は赤字なんですね。

どうしてかというと、情報化だとかDXだとか言われていますが、国の収支が黒字になるように組んでいかないと、情報化とかDX化を進めれば進めるほど、国内の生産性は高まるかもしれませんが、国際収支としては海外にどんどんお金が出ていってしまうということになってしまっている。

私も外資系で働いていたことがありますが、日本人が外資系企業で働いて、そのサービスを日本に対してやると、お金の入りと出のところは確かに日本なんだけれども、真ん中のところで外資だと中抜きされちゃう。

アップルとかのプラットフォームを使って音楽を配信して、日本の作品を日本人が楽しんだとしても、真ん中で3割とか抜かれてしまう。

というわけでこのサービス収支を何としても黒字にするという政策を取っていかないと、このままDXだったりを強化していったとしても、結局日本にお金がなかなか落ちないということになりかねません。

国際収支でサービス収支が黒字なのは、もはや旅行だけとも言われていまして、これはいわゆるインバウンド効果というもので、旅行業に関してはサービス収支で黒字をもたらしているんですが、それ以外ではほとんどが赤字になっている。

世界で稼ぐ力のある産業が実は国内になくて、その技術を海外から輸入して使っているということに起因して、国際収支が赤字になってしまっている問題をちょっと何とかしなければいけないということ。

日本のイノベーション競争力の遅れ

(山田さん)
そしてイノベーション競争の遅れということで、NHKが年末年始から特集をしていた部分でもありますが、ちょっと小さいんですけれども、右の下の赤い線で囲まれたグラフを見て下さい。

S&P500はアメリカの大手一部上場の500社の収益構造で、下が日経225でおなじみの日経平均の企業の収益構造、色が塗られている部分がインタンジブルといって、情報等の実体のないものをサービスとして提供している会社がアメリカは9割。

日本はインタンジブルは3割程度でタンジブルという実物があるものが7割ということ。どちらが良い悪いということではありませんが、アメリカが産業界で稼いでいるのは、まさにこの構造にありまして、インタンジブル、つまり実体のないものは原価が安くてポータビリティ(持ち運びやすさ)も高いということもあって、稼ぎ出す力がすごく強いんです。

日本はどちらかというと実物の方が多いので、そのものが売れなかったりとかすればそのまま在庫になったり、あるいは下手をすると破棄損ということにもなったりするわけで、この辺りの構造を今後どう見直していくのかは問われるところだと思います。

NHKの番組なんかではいろんなアナリストが、単純にだからこそ日本はもっとインタンジブルな産業で、タンジブルな製造業なんかやめた方がいいんじゃないかみたいなことを言う人もいましたが、私はそうは思わなくて、日本のお家芸はモノづくりだというところがありますし、誰かが実体のあるものを生み出す必要がある。

人間というのは霞を食べたり情報を食べたりして生きているわけじゃないので、自動車であるとか、いろんな実物の製品が必要ですので、それをどうやってDXの力も使いながら効率的に収益力を高めていくのかということを考えていく必要があると思っています。

(山田さん)
もう一度さっきの表の、次は真ん中の下にあるマークアップ率のグラフ、ちょっと見にくいんですが、これは先進国企業のマークアップ率(原価、仕入れ値に対する利益の割合)ですが、非常にアメリカが、そして欧州もこのマークアップ率を高めている。

アメリカもヨーロッパもインフレが進んではいますが、このマークアップ率も高めていくことによって、労働者に対しても利益が給料として還元されていますが、日本はとにかく安ければいいみたいなことになっていて、このマークアップ率がなかなか上がらない。

日本のマークアップ率が低い最大の理由は下請け構造だと言われています。
日本の中小企業の約半分近くが下請け構造で、収益の半分以上をある会社に依存してしまっている。

かつての高度経済成長で全体のパイが大きくなっている時は、親会社とか関連会社と一緒に大きくなっていくことが出来ましたが、何が売れるかわからない、親会社も国際競争をやっていて収益を上げなきゃいけないとなると、下請けに対してもコスト削減を要求してくると、なかなかマークアップ率が上がっていかないということなんです。

ヨーロッパも中小企業が多いんですけど、地続きというのも大きくて、ほとんどが輸出産業なんです。だからそんなに安い要求をするのであれば他に売るよと、何なら外国に提供しますよと、こういうことできちんと利益の確保ができるというところもある。

日本の下請け構造は安定的な場合は機能していると思いますが、マークアップ率を上げていこうということになると、構造転換をしなければいけないということ。

1.知財・コンテンツ産業の振興(コンテンツの国際収支の黒字化)

(山田さん)
こういう経済的な背景を考えた上で、一番最初の5つの項目を私はやっていく必要があると思います。まずサービス売上の黒字化を目指すためには、まさに知財やコンテンツ産業の振興は重要だろうと。

実は日本もインタンジブルで全然稼いでいないというわけではなく、マンガ、アニメ、ゲームとかは非常に強い、それに関するグッズなんかも非常に高く売れてはいますが、残念ながら、それらの収益が上がっているのかというと、ちょっと難しくなっている。

ちょっと今回は資料を用意しなかったんですけれども、例えば上位20のコンテンツ、一番はポケモンで、日本発が半分ぐらいなのにも関わらずあまり稼げていない。

この辺の知財とかコンテンツ産業の振興というのを、まずは頑張っていかなければ、先ほど言ったサービス収支の黒字というのは見込めないと思っています。

この辺りが日本の置かれている状況として、どうしていかなければいけないのか、小山さんはどう思いますか?

(小山さん)
日本経済新聞の「昭和99年ニッポン反転」シリーズの1月15日の記事「デジタル小作人、米に貢ぐ5兆円 稼ぐ日本「壊」より始めよ」というのがありまして、この記事のポイントで、日本はDXを進めるほど国富が海外に流出している、変化の速さというデジタルの本質を見失った、成長を目指すには古い仕組みを壊す必要がある、の3つがあります。

サービス収支でデジタル化を進めれば進めるほど、海外に富が流出していくという問題は真剣に考えないといけないと思ってまして、特に知財コンテンツというところが、知財全体では黒字ですが、赤字幅は拡大しているという問題を国を挙げて取り組まないと、今は5兆円で済んでいるという状況かもしれず、日本が頑張れば頑張るほど海外、特にアメリカが儲かるみたいな話になってしまう。

日本産業再生政策においてはデジタル化、グローバル化という2つのテーマを前提において、知財コンテンツ産業の振興というものを考えていく必要があるということで、今ちょっと頭を悩ませているところです。

(山田さん)
知財とかコンテンツ産業に対しては、今文化立国調査会みたいなところでコンテンツ振興みたいな議論をされているんですけれども、その知財をどういうふうに規制したり、特に守っていくのか、もしかしたら知財、IPとか著作権等がしっかりお金を回収できていないという問題を、なかなか議論する人とか場所とかがなくて、事実上私が担当している知財調査会で細々とやっているところもある。

国内で作られたコンテンツをきちんとプラットフォームとして海外に対しても提供して、その情報の売り上げを国内にちゃんと戻していくということが非常に重要なんじゃないかなと。

もちろん生産性を高めたり競争していくわけだから、海外の優秀な技術は当然使っていくべきだとは思いますが、全てそれに依存してしまうと、デジタル化を進めれば進めるほど海外にお金が流れていっちゃうということにもなりかねない。

2.スタートアップと新産業振興による経済成長

もう一つ新しい産業も作っていかないと、自動車とか医療用医薬品等だけに日本の運命を託していくのかと、海外に対して競争力を持つような産業の育成ということになると、やっぱりスタートアップというのは非常に重要だということになる。

最近岸田政権でもスタートアップ政策が重要だということで、多額のお金を使ってスタートアップ企業に対する振興支援をやるんですが、私からすると、単なるスタートアップの数が増えたってしょうがないので、将来日本の新しい産業を転換したり、引っ張っていくような技術を作っていくような会社や企業を作らなきゃいけない。

単純に町の商店街の商店を増やすようなイメージじゃなくて、国際競争力を持って付加価値を非常に高めていくようなものが必要ということで、スタートアップよりもアントレプレナー(起業家や新事業をゼロベースから起こす人)を作っていく方が重要なんじゃないかなと思っていますが、この辺小山さんはどう思いますか?

(小山さん)
スタートアップに何を求めるかというのは、いろんな方々、省庁や外部の有識者とも議論してきましたが、なかなか難しいというのが正直なところでして、新しい雇用を生むのは確かにスタートアップですと、今の大企業も中小企業もなかなか新しい雇用を生み出してはいかないだろうというのはあります。

雇用の問題ということだけで考えると、スタートアップにこだわる必要はないとも思ってはいるんですが、新しい付加価値をつける新産業を生み出すというのは、やっぱりスタートアップに期待されているところとして大きいですし、とある大学の有名な教授の方とも話をしているんですけれども、国が技術に投資したときに大きくなるのがスタートアップだみたいな話。

特にアメリカのシリコンバレーではそうだったということで、宇宙産業とかも含めて通信でしたり、そういう新しい技術を国が欲したときに国がそこに投資をして、その投資によってスタートアップが大きくなってきたんだみたいな話はあって、科学技術、イノベーションに対して投資をして、そこから育って国に恩恵をもたらしてくれるような企業がスタートアップだということになると、私もそれは非常に重要だと思っております。

ただ日本政府が今ちゃんと技術に投資できているかというと、なかなかそこも非常に難しいところでして、どうやって国が技術を目利きするのかでしたり、山田さんらがデジタル庁で作ったテクノロジーロードマップみたいなものをうまく活用すれば、国として欲する技術というのはある程度わかってくると思うんですが、あまり国もこういう技術が必要ですと大々的に言わないというところがありまして、予算の面なんかも含めて国が欲している技術というのをもうちょっとわかりやすく民間に示して、官民一体となって自分たちの生活を豊かにしていくんだというコンセンサスのようなものがないとダメかなと思っております。

3.フリーランスの保護・支援

(山田さん)
フリーランスの働き方の見直しというのも大事だと思います。
大企業に雇われているだけじゃなくて、自分でスピアウトして新しい働き方、特にITとかデジタル小作人みたいなところから、企業に中抜きされるくらいならどんどん自分で独立しましょうということが増えています。

フリーランスの人たちがどういうふうにうまく働けるのかが重要だと思うんですけど、派遣法や請負法の整備の議論とかをしていかなきゃいけない。

よく言われるのは、人手不足でフリーランスを使っていこうと思っても、大手企業等も含めて、フリーランスの人たちは使いにくいと。
それはどうしてかというと、派遣法とか労働法のいろんな絡みがあって、そういうものをどう整備していくのかを考えないと、なかなかこのフリーランスというのは成長しにくいというか、働きにくい構造が残っちゃっているのかなと。

本当に能力がある人はどんどん独立して、それがスタートアップだとか、新作業を作っていくということにもなりますので、このフリーランスの保護・支援というのも、法整備の見直し、フリーランスが働きやすいように、どうしていくべきかを考えなければいけないと思うんですけど、小山さんはどう思いますか?

(小山さん)
まず山田太郎事務所では下請法の資本金要件の撤廃を求めてきたんですが、そこはまだ実現しておりません。
その代わりにフリーランス新法の制定には行き着きましたが、施行はまだですので、そこをしっかり施行して法の運用を図ることによって、しっかりとフリーランスの方々、特定受託事業者というような方々がちゃんと保護されるようにするのが重要だと思っております。

法律を作った以上はしっかりとその精神を行き渡らせることが何よりも大切だと思うんですが、ただ本来は正社員になりたい方を、正社員にすると雇用保険やらいろいろな手続やら企業負担やらで嫌だから、フリーランスにしますっていうのを助長するようなものであってはならない。

例えば弁護士業の場合は個人事業主なので、一応士業というのは基本的に一人の人間と会社が対等という前提なんですが、何か資格を持っていない人で、中には一人で会社と渡り合える方もいますけど、なかなか契約に関わることとかは学校でも教えてくれませんし、最近辞めるときに競合他社に行きませんという制約書を書かないと辞めさせてもらえなかったという話があって、どうしたらいいですかと。

ちゃんと法律を知っていればをそんなものは書く必要なくて、従業員は辞めますという通知を出せば、一定期間経過後に自動的に辞められます。
という法律があるにも関わらず、サインしてしまったと、じゃあサインした以上、それは法的に効果があるという話になってしまう。

そういう契約のところが曖昧なままですと、やはりなかなか企業と個人が対等に何かの合意をするというのは難しいことでもあるので、そういったところもうまくいく仕組みが作れないかなと思っています。

4.日本のノモづくりの構造転換(経済安全保障とサプライチェーン・グローバルサウスとプレゼンス)

(山田さん)
次は日本のモノづくりの構造転換ということで、昨今言われている経済安全保障、いわゆる中国とのデカップリング、中国とはなかなかビジネスがしにくい、あるいは安全保障の問題から撤退していくと。

そういう会社が国内に回帰していくのか、改めて東南アジアをはじめとして他の国に出ていくのか、そういったサプライチェーンの見直しということをやらなきゃいけない。

岸田政権の中でもグローバルサウスということが重要な政策として議論されるようになってきましたが、単に中国から撤退すればそれで良いというわけじゃなくて、中国もなかなか国内では商売ができないということで、外にできて海外で稼ぐということになると、海外の市場で日本企業とぶち当たってしまうという構造、安くて割と、言ってしまえば品質が粗悪なものと、価格競争で日本は負けてしまうという問題をどうしていくのか。

それからもう一つ、日本が海外に出ていくときにどうしても設計とか開発が現地にないので、どちらかというと下請け構造みたいになっちゃってるケースがすごく多くて、設計部署がないので本社からの指示待ちみたいな。

結局日本のメーカーはじゃあ現地でどういう展開をしてるかというと、現地で戦うよりも、日本の本社が司令塔になって、日本向けのものを作って日本に戻すということしかできなかったりする。

グローバルサウスというと今注目されるのはインド。インドは今年ぐらいに中国の人口を抜いていくし、GDPも非常に高く成長しています。
人口ボーナスで若い人たちも非常に多いということで、今後インド市場は期待されていまして、私自身、これも議員になる前にインドのタタで顧問をやっていて、結構インドの政策とかインド企業とどう連携していくのかということをやってきました。

ただ残念ながら、日本の政府はなかなかインドに対する理解が乏しいというか、私はインドにも何度も行っていますので、グローバルサウスといった場合に脱中国を、インドをはじめとして、東南アジアでどういうふうにしていくのか。

私もインド通とまでは言えないんですけど、インドって極めて難しい地域でもありますので、そことどうやっていくのかは、議員としても、他にいないのであればやらなきゃいけないと腹をくくって進めていこうと思っています。

せっかくなんで小寺さんにも振りたいと思うんですけど、この辺の産業再生等を含めてどう思いますか?

(小寺さん)
さっきのインバウンドが唯一黒字で、観光産業が伸びているという話がありましたし、政治の中でもインバウンドはすごくホットな話題で主張する議員も多いと思うんですけど、海外の友達に言われて結構衝撃的だったのが、この1年で、アメリカとかイギリスとかの友達が本当に日本にたくさん遊びに来てくれました、円安で安いから。

みんな来て、ご飯が安くて美味しい、温泉も気持ちいいって大感動して帰るんですけど、日本はイタリアとかスペインみたいにフードツーリズムとか観光立国になる方向に舵をきることにコンセンサス取ったんだねみたいなことを結構言われたんです。

つまり技術とか産業というアジアの中でのプレゼンスをもう捨てたねっていうのが、観光の感想として言われて、今までの日本のイメージと全くかけ離れたブランドが作られてるんだなっていうのを感じたんですけど、それが日本が目指すべき方向なのかなというのを改めて、今日山田さんの話を聞いて感じました。

(山田さん)
一概に日本といっても広いし、多様ですので、たぶんその外国の人たちは日本の一面しか見てないと思う。
じゃあ川崎とか大田区周辺とか、オーナー企業が多い京都周辺とか、そういうところに行けば全然違う側面が見えると思いますが、一つそこで示唆されていると思ったのは地方だよね、実は日本の製造業とかモノづくりとか先端企業って割と地方に展開しています。

地方に潤沢な雇用なんかもあって、それぞれの地域、地方に中核工場みたいなのがあって、例えば浜松なんかだと本田の工場だったり、大田区なんかも三菱自動車とかキャノンが中心となって作っていたんだけど、それらが移転しちゃったというところがあって、地域の工場のクラスターがどんどん壊れているというのは間違いがないんですよね。

その地域で製造業とか、物流とかで食っていけないってことになると、じゃあ観光だということで、それを前面に打ち出しているのは間違いないから、その地域は科学技術とか製造業を捨てたというよりも、今とにかく稼ぎやすいインバウンドを前面に打ち出していると、そういうふうに見える。

熊本なんかもTSMCを誘致したりして、地域によっては必ずしもそうじゃないんですが、私も仕事柄47都道府県回ってましたけど、行くとやっぱり日本は緑の山とか海とか景色もいいし、おいしいものも多いから、そういうふうに思われてもしょうがないと思いますが、そちらに舵を切ったわけではないと思う。

5.日本製造業の再生(半導体・ロジステックス・EV・自動運転・エネルギー・通信)

(山田さん)
そういう意味で日本の製造業の再生も目指さなければいけない。私は日本が製造業を捨ててこの国が持つとはとても思えないし、アメリカにもなれないし、中国でもないわけで、製造業は設計とか開発とかのエンジニアリングを強化しなきゃいけないと思ってまして、まさに半導体とかロジステックスですね。

EVとかいろいろあるけど、大事なのは流通とか、交通手段をどうするかという議論なので、自動運転も含めて、エネルギーと通信、この辺りをしっかりとやっていくということ。

世界的に見れば日本は環境技術が極めて高い水準にあるということで、本来はGXと言われる環境技術が飯のタネにもなるはず、省エネ技術をはじめとしてチャンスはあると思います。

デジタル政策

(山田さん)
上記のような市場背景を踏まえた上で、デジタル政策に関しても5つの柱を立てています。

(山田さん)
デジタル政策に関しては私もデジタル庁を作った張本人という自負もありますし、自民党の中で大体9人ぐらいで政策とか施策を一生懸命決めて実現してきましたが、まずはデジタルアーカイビング。

1.デジタルアーカイビングの普及(文化保護・データの活用)

(山田さん)
実は今日もちょっと議論したんですけれども、仏を作って魂入れずみたいな、つまりインフラとかプログラムとかアプリケーションをいくら作ったって、そこにデータが入ってこなかったら何にもならない。

例えば国立国会図書館の書籍、2000年までのものを200億円ぐらいの予算を投じてデジタル化するなんてこともやってきましたが、それ以外にもいろんな文化情報と、図書館だけじゃなくて博物館とか美術館の情報もありますし、様々な自治体や政府が持っている情報もアーカイブして使えるようにしなきゃいけないということで、私も知財のデジタルコンテンツ戦略小委員会の責任者としてやってますので、私の重要政策として政治生命をかけてやっていきます。

デジタル政策の中でデジタル庁は一通り軌道に載せつつありますので、まずやるべきことはこのデジタルアーカイビングの議論だと思っていますが、この辺小山さんはどうですか?

(小山さん)
私が結構衝撃を受けたのは、教科書を大事にするなと、大事なのは教科書に書いてあることであって、情報が大事、物はそんな大事じゃない、教科書をきれいに使いすぎだと言われました。

パソコンを使うようになってからは、パソコンは大事じゃない、パソコンの中に入っているデータが大事、データのバックアップは絶対にやっておけ、パソコンは壊れてもいい、データさえ守られていれば、そのデータは次のパソコンで使えると。

何を大事にするかで、形のあるもの、先ほどのタンジブルとインタンジブルみたいな話で言うと、日本人はタンジブルなものを大事にする傾向が強いと思っていまして、そうじゃない、本当に大事なのは中にある情報、単なる情報だけじゃなくて、そこに結びついたいろんなメタデータも含めて重要だということを、日本人はそこを感じるのが難しいんじゃないかというのが結構引っかかっておりまして、デジタルアーカイブが大事だということを日本人に分かってもらうにはどうしたらいいのか、悩ましいところです。

(山田さん)
例えば医療の議論をすると遠隔医療みたいな話になって、それも大事なんだけど、遠隔医療って別に昔からICTやってたんで、それだけじゃなくてアーカイブされていればその人の健康情報が記録されて、前のデータとどう違うのか、こういうマーカーが出ていたらこういう病気なんじゃないかとか。

今の医療の3分診療みたいなのではなくて、ずっとウェアラブルとかつけている時代なんだから、心電図なんかも直近のものが取れていたり、データを中心にして世の中を変えていくには、どうすればいいのか。

教育も同じですよね。これもすぐ遠隔授業みたいな話になって、それも大事なんですけど、いろんなオンデマンドの学習データがちゃんとアーカイブされて、それを使うことによって、なんか先生が分かりにくい板書しているのをみんなノートに写すみたいな、何のためにやっているのかよく分からないというところから、理科とか社会は動画を見た方がわかりやすいんじゃないかな。

そういう形で教育のあり方も根本的に変えていくのは、やっぱりデータの蓄積とその使い方によると思います。

GIGAスクールとかそういうインフラも大事なんだけど、もう極端なこと言っちゃえば、YouTubeみたいなプラットフォームがあってそこにデータがしっかりアーカイブされていれば、それを見ているだけで大きく変わると思う。現実的にYouTubeで検索したら、誰か詳しい人が全部あげてるんじゃないの、そういう形に変わってきているんだと思う。

そうすると、まさにオンデマンド学習なんかの延長が、アーカイブ政策でして、これを意図的にしっかり整備をしていくということが重要だということでもあります。

2.デジタル人材の育成・確保(産業転換と230万人?)

(山田さん)
それに付随してデジタル人材の育成・確保をしなければいけません。
今、圧倒的にAIだとか言っているんだけれども、それを取り扱える人が極端に少ない。

産業転換していくために230万人くらい必要だと、でもなぜ230万人なのかという根拠も非常に希薄で、例えばデータアナリストが必要なのか、AIでいうとプロンプトエンジニアが必要なのか、デジタル人材を増やすために何千億円の予算を付けたとしても、このまま何もそこにグランドデザインがないと、下手をすると単なるパソコン教室が儲かるみたいな。

パソコン教室に通って、ExcelとかPowerPointをちょっと使える人をデジタル人材と呼ぶんですかと、そうじゃなくて、データを使って変革したりとか高度な生産性を実現するとか、そういったことが本当は必要なので、単なるリスキリングをやったところで、それでデジタル人材になるとはとても思えない。

3.准公共分野のDX推進(医療・教育・防災)(※防災DXによる災害対応能力の向上)

(山田さん)
デジタル庁の最初の提言はどちらかというとデジタルガバメントしか入ってなかったんだけれども、それだと世の中変わりません。

医療は確かにPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)ということでカルテのデジタル化を進めようとしているんですけど、その辺の標準の決まりとか、規律を作っていかないと、各病院バラバラなものを作っちゃうと医療データの行き来ができない、他のところで治療、あるいは複数診療を受けている場合は対応できないとなりますので、国が一定の介入をすることによって標準を作ったり、プラットフォームを作る必要がある。

ということで、医療教育、防災分野に関しては先行してやろうと、特に防災のDXに関しては政府間の防災に関する情報の連携というものを1年近くかけて整備してきました。

今回の能登半島地震でどれだけの効果があったのかという検証もされるべきですし、やり残しちゃった話としては、民間の方の避難にどう役に立ったのか、そこの整備というのはまだ全然できていないんですね。

避難所の物資であったり、障がいや医療が必要な人たちに対する避難所であったり、あるいは生死の境目と言われる災害発生から72時間の初動が重要だということで、自分で自分の身を守るというところをやらないと、お互い被災しちゃって難しいという中で、生き残るための情報がなかなかまだ提供できていない。

どこにどういうふうに逃げればいいのか、津波が来たらどこに逃げれば安全なのか、そういったことが全然できていませんので、私自身反省すべき点、もうちょっと早く整理していればもっと救われる命もあったかもしれないし、今被災して大変苦労されている方に対する支援ももうちょっとできたかもしれない。

災害が起こった場合のプロセスというのもしっかり定義しなきゃいけなくて、例えば非常に混乱していると思うのは、ボランティアがちょろちょろ来るんじゃねえみたいな議論があるんだけど、災害後の対応というのはボランティアは絶対必要です。

今回の地震に関しても、家が潰れちゃったりしたら片付けを誰かがやなきゃいけない。大きなショベルカーとかトラックが入って、公的な分野ももちろんサポートするんですけど、細々とした片付けを高齢者を含めてできるのかというのがありまして、災害が起こった時のボランティアの力というのはすごく大切なんです。

ただ入るタイミングは重要で、最初からプロじゃない人が入って現場でうろうろしても邪魔になるだけなんですが、だからといってなんか行っちゃいけないみたいな、ずっとボランティアが入れないということではまずいので、その辺のプロセスも、ちゃんと対応を決めておかなきゃいけない。

5.国際標準化戦略の策定・実施

(山田さん)
国際標準化戦略はブリュッセル効果と言われますけど、ほとんどの国際標準はEU(欧州連合)、またはアメリカで決まっちゃう。
特にEUは非常に強い力を持っていて、各国が集まって形成されているので、標準を作る力がすごく強い、そうすると日本はせっかく何か開発したとしても、規格外ということになって市場から排除されてしまう。

アメリカもマイクロソフトとか、アマゾンとか巨大なプラットフォームが自分たちでルールを作ってそれを押し込んでいくということに対して、日本はどうするのか、この辺小山さんどうですか?

(小山さん)
さっきの産業再生にも近いところがあるとは思っていまして、デジタルに力を入れるというのは重要ですが、どこにどう力を入れたらいいかというのは、正直わからないというのが、国の政策担当者と話をしていても感じるところです。

私も大学にお呼ばれして、どういうキャリアで弁護士や政策担当秘書をやっているんですか?みたいな質問を受けるですけど、正直、偶然としか言いようがない。

何が正解かわからない中でいろいろやりつつも、タイミングとかチャンスを捉えて乗れるものに乗っかってたまたまうまくいくパターン、というのが正直なところだと思っていますので、国の政策もそういうところがあると思っています。

遊びが必要、機械のブレーキとかの遊び、ちょっと余裕のあるような部分、そういう政策がある程度できないと、なかなか国が決めた通りのきつきつの予算でやってくれと言われてもそれは無理ですというのが正直なところだと思います。

デジタル政策、工業、医療、教育、防災なんかについても、基本的にまず予算ありきではなくて、ルールベースで決めるところを決めて、規制改革とかをやりやすくする、個人情報の整理をするとか。

お金がかかるところは避けるというような傾向があるんですけど、お金もある程度出しながら、うまくいくところを見つけていくという政策にしていかないと、うまくいくものはこれだって決めて、そこだけにお金を出すというのでは、たぶんデジタルもうまくいかないんだろうなと思っています。

(山田さん)
それじゃあこのデジタルでどう世の中を変えていくのか、私が過去やってきたことを簡単に説明して、私なりのやり方を、ちょっとご披露したいと思います。

PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)というのが私のもともとの本業でありまして、特に1990年代後半から2000年代初め、頑張ってやってきたつもりです。

(山田さん)
じゃあちょっとモノづくりで、車でも何でもいいんですけど、まず最初何があるのか、この図の左上になりますが、お客さんのニーズ、こういうものが欲しいと、そうすると、こんな仕様・機能が必要だということになり、その機能を構成するにはこういう部品とかユニットでとなり、実際どこでどういうふうに作るかの工程は、実は全部シミュレーションなんです。

実際にその情報を使って具体的な生産ラインや、設備とか材料とか人を集めて生産を始めます。右下のピンク色のところがタンジブル、上がインタンジブルなところなんですけど、実際に製品が出来上がってその製品を使ってこんなことが出来て良かったねということで満足すると、ここをぐるぐるしていくというのがタンジブルとインタンジブルの連携。

私は日本のデジタル化とモノづくりは、ここの連携をちゃんとやっていくこと。日本のこれまでのIT化は実物のコントロールだって、在庫の管理しかしてないんですね。

そうじゃなくて、本当に価値がついてるところは、実物をいじる前のまず計画段階、まさに情報、ニーズだったり、仕様スペックだったり、製品の構成だったり、どう作るか、どこから仕入れるかの情報、製造業は情報業そのものだと思っています。

(山田さん)
そういった意味で消費者余剰といいまして、情報によって実際よりもプラスの満足が得られている産業区がいくつかわかっています。
縦軸が消費者余剰の対支出金額比率ということで、実際にお金を払ったものに対して満足した度合いが高いとその割合が上がるんです。

横軸が絶対値としての消費者余剰、例えばGoogleマップとか使って、なんとなくいろんなところを見たりすると、なんか旅行した気がするじゃない?
ほとんどただ同然の金額で旅行ができた感じがするというところの満足度、
デジタルの恩恵が非常に生まれている領域が通信とか、家具や家事用品、娯楽・文化だと言われています。

教育なんかも実はその効果が高くて、さっきも言ったように、関ヶ原の戦いなんか文章で読むよりも、デジタルでバーチャルに体験する方がわかりやすかったり、どういったところでデジタルを使って消費者余剰が生まれているかということを考えながら、全体の国富を高めていくべきなのかを計画してもいいんじゃないかな。

(山田さん)
次に売り方とか作り方がどう変わっていくかということで、一番左下の技術BOM(Bill Of Materials)のところ、製造装置があった場合に、それは加工したり制御したり、フィルターがあったりということで、機能によってどういうグループになっているかという括りです。

販売BOMはどんなオプションがついているのか、例えば車で言うとリアワイパーがあるとかないとか、椅子が電動なのか手動なのかとかのオプション。

製造BOMは、技術の構成と似ていますが、ただ内外作の区分があって、ここは自社で作るとか、ここは買ってくるとか、この順番で組み立てているとかがありまして、実は仕様・スペックでもって、顧客の満足だったり、製品の機能は技術BOMで表現されて、それをどこで作るのか、誰が作るのか、いつまで作るのかというのが製造BOMとなりますが、こういうところを連携していくということが、デジタルと実物をつないでいく鍵になるだろうと。

(山田さん)
IoT(Internet of Things)は何かと言うと、バーチャルとリアルの連携をどう図っていくのかという全体のアーキテクチャーと考えるとわかりやすいと思います。

デバイスと言われるようなもので、いろんなデータがセンサーで吸い上げられていって、通信を使ってクラウドサービス、例えばAWSとかで処理がされて、その内容が具体的にスマホやPCに戻ってきたり、ロボットなんかが制御されて動いていくと。

IoTの中で日本はどこを強化していけばいいのかを戦略上考える必要があるんじゃないかなと。クラウドの中におけるSaaS(Software as a Service)とかPaaS(Platform as a Service)とかいろんなサービスは、はっきり言ってアメリカを中心とした海外にたぶん勝てないと思っています。

SaaSアプリケーションは確かにこれからも使われるし、日本向けの日本のSaaSアプリケーションも作られているけど、世界を席巻できるかというと、それはすごく難しいだろうと思います。

じゃあ日本はどこで勝負するかというと、実はセンサーと通信を使ってインターネットをつないでいくところは、私は日本のお家芸だと思っていまして、非常に優秀なセンサー、通信も日本は料金は高いんですが、通信の技術は極めて高い、どうしてかというとやっぱり実物をいじってきたからなんです。

だからそこでは日本の部品・製品も非常に使われているので、もっとそこを強化していく、通信回線がこれからAIによって大変なことになっていく、クラウドサービスの処理能力をもうこれ以上高めることが難しい、電気代も食うし、何ならものすごく熱も出るということになってきている。

なのでエッジコンピューティングといってデバイスの方でほとんど計算してそのまま情報を返すとか、圧縮するような形で処理したりとか、この辺りは今後全体のIoTの中では日本の戦略だと思っています。

それからクラウドから返されたデータが実物につながるというのも日本のチャンスだと思っていて、機械とか設備、ロボットなんかとつないで制御のところで情報を返して動かしていく、ロボットとAIというのは今後日本との関係という意味では非常に重要です。

例えばロケットなんかの制御も、日本はエンジンの技術も持っていますので、お家芸になるはずだと思っていまして、戦略上どこを欧米と比べて日本は、クラウドとかAIとかIoTの中で伸ばしていくのか、強化するのか、しっかり切り分けていくことがデジタル戦略の中でも重要だし、実物とデジタルをやるのが戦略上、産業政策も含めて重要なんじゃないでしょうか。

将来不安解消

(山田さん)
将来不安の解消ということでこれもいくつかの政策を立てています。
いろいろありますが、残りの任期で出来ることにも限界があるので、この3つを中心に頑張ってやっていこうということで、どれもこれまでやってきたところでもありますけども、総仕上げをしていく必要があると考えています。

1.花粉症の撲滅

(山田さん)
これが政府もこの花粉症対策のグランドデザインの枠組み、事実上、これがベースになっているところがありますけど、まだ政府の政策としてもっと進めなきゃいけないところがいくつかあると思っていまして、この辺は小寺さんも思うところがあると思います。

(小寺さん)
まず政府の中で花粉症がアジェンダとして話し合われるようになったということは一つ、実績として大きくあると思うんですけど、その中で山田さんが言ったように、まだ取り組みが少ないところが、花粉症のワクチンの話。

ここはずっと粘り強く言っていて、やっぱり勉強会でもしていくべきなんじゃないかというような文科省の話もありましたので、そこに力を入れていくことと、花粉症緩和米も一応ロードマップを政府が作ってきたので、それをきちんとフォローアップしていくというところと、曝露のところは国の取り組みが全くないような状態です、民間がエアコンとかマスクとか花粉症対策に良い商品ですよ、というのにお墨付きを与える取り組みを国が支援していこうというざっくりした話はあるんですけど、その程度しか進んでいないので、そこをもう少しフォローアップしていきたいと思っています。

(山田さん)
国の施策で花粉症対策というと、なんとなく農水省まかせになっちゃっていて、とにかく少花粉スギ、無花粉スギを作る、それはいいけどそれだけでは100年かかっちゃうし、私が気にいらないのは低花粉スギも入ってる。
(※無花粉はその名のとおりで少花粉は花粉がほとんどない、低花粉は通常よりはかなり少ないが、ある程度の花粉がある)

低花粉スギが本当に花粉症対策になるのかどうか、やっぱり無花粉スギか少化粉スギにしていかないといけないだろうと。そんなこと本当にできるのかというと、ヒノキではあるけれど、岡山県は全て少化粉と無花粉の苗しか植えていないような状態になってきていて、成功した事例も出てきています。

今年は花粉が結構大変になるんじゃないかなと思いますけど、毎年そんなことを言っている気もしますので、ここはしっかりやっていきたいと思います。

2.障がい者の就労支援

(小寺さん)
これも山田さんがずっと粘り強く取り組んでいる、賃金がとにかく低い時給200円300円で働いているような障がい者の方の賃金を上げられないかというところで、そのファーストステップとして国立国会図書館で保存されている書籍のデジタル化してもらう仕事に就いていただきました。

(小寺さん)
非常にやりがいがあって、賃金もかなり上がった事例をしっかりと作ったので、これを全国に拡大していくことに力を入れていくべきだと思っております。

(山田さん)
これは障がいを持たれている方々にとっても仕事内容が向いているし、自分たちがやったことが(デジタル化だから)ずっと残るし、自分たちがやった仕事が誰かのためのものになる、非常にやりがいがあるということで、私も一緒に感動していました。

3.孤独・孤立対策

(小寺さん)
これは法律が今年度施行されて、ようやく山田さんが参議院で勉強会をやったり、有志で孤独・孤立対策の勉強会を始めていたのが、3年ぐらい前だったと思うんですけど、そこから国が法律をつくって、ようやく施行されていきますというフェーズです。

まず声を上げやすい社会をつくるとか、こどもから高齢者まで誰でも孤独というのは起こりえる問題なんだというのを国がきちんと定義をして、それぞれのケースに合わせた施策を行っていくというのがきちんとパッケージされていくというような状況です。

今回のまとめ

(山田さん)
ということで、これ以外にも必要な施策もあるのかもしれませんが、この1年ぐらいで何ができるのかというラインを今回(前回を含む)は示させて頂きました。

ちょっとこれだけのことを本当にやりきれるのか、自分自身もですが秘書さんのコミットメントライン、私だけがやろうと思っていても実現できませんので、小山さん、小寺さんにもそれぞれご意見いただきたいんですけど、どうですか?

(小山さん)
結構いっぱいいっぱいというのが正直なところではありますが、全くゼロからスタートするものというのはない、今から全部これをやりましょうというと到底、山田さんの残りの任期では終わりませんが、これまでやってきた積み重ねのところから加速できることは加速して、上に積み増していくとか、そういうことであればできるんじゃないかなと思っております。

(小寺さん)
私は課題があるところ、問題を感じるところ、あれやりたい、これもやりたいという思いはたくさんあったんですけど、それを言うと、やっぱりそこまで手を広げすぎると正直、うちの事務所だけでは抱えきれないから、きちんと自分たちがやれる範囲を見越してやっていこうというのは、1年間の計画としてあるべき姿だと思っておりまして、これでも多いんですけど、その中でも優先順位をつけてやれるところをまずやっていくというのは、仕事の仕方として、他の議員になかなか見られないところですので、立てた目標をしっかりと実現できるように頑張っていきたいと思います。

(山田さん)
今回ご説明してきたことで新しいものはひとつもなくて、これまでやってきたところで、特にどこをちゃんと総仕上げとして実現していくのかということのコミットメントをしようということです。

何度も言うんですけど、議員はコミットメントというか、政策を実現して初めて世の中が良くなるわけで、自分自身の政策は何なのかということを、一人一人が本当は問われるべきだと思う。

議員になるときとか、首相だって所信表明ということでこの1年間なり、この国会で何をやっていくかということを宣言するわけだけど、それぞれの議員の立場でもしっかりと公約と具体的な政策、道筋をちゃんと説明して、1年経った、あるいは選挙のタイミングでその人が何をやってきたのかが計測可能というか、評価可能な状況にするべきなんじゃないかと。

今の議員を見ていると、すみません別に同僚議員の文句言いたいわけじゃないんだけれども、プロとしてやるべきであって、衆参合わせて700人も国会議員がいるんだから、700人もの議員が一人一つでもいいから、何かコミットメントして、一つでもやり遂げたら700個も良くなるわけで。

やっぱり厳しく何を実現したのか、どこまで具体的な施策をやって、それを説明できているのかということを、もっと厳しく問うべきなんじゃないかな。

政治刷新本部とか、いつも政治と金みたいな議論をずっとやって、それはそれで重要なのかもしれないけど、それ以上にこの日本が失われた30年を初めとして、あるいは今AIも含めていろいろ産業転換が、いい方にも悪い方にも行くかもしれないこの過渡期に、全く方向感を出せないというのは絶対におかしい。

政府は政府で骨太の政策を作っていくというのはいいんだけれども、それ以前にそれを構成している議員自身がそういう気概を持っていなければ、そうじゃないとただの頭数ということになっちゃうと思う。

私もこれまでの実績編を、この後また時間をかけて皆さんにご披露していきたいと思いますけれども、私が発案して実現できてきたこともたくさんあるという自負を持っていますが、私自身に対しても、もっとできるはずだと。

残された任期は1年半ということで、最後まで気を抜かずに、今回と前回皆さんにお伝えしたことを、政治生命をかけて、できなければ私自身は当然次の選挙に立つこともできないし、当然再選もないだろうと、皆さんにも厳しくチェックをしていただいて、そもそも議員というのは選挙で勝たないと継続はできないけど、それ以前に立候補することすらできるのかということを問われても仕方がないと思っています。

(小山さん)
昔から日本の官僚は優秀と言われてきて、それが劣化しているんじゃないかという話もあるんですが、今も日本の官僚は超優秀だと思います。

ただ官僚はやりたい政策をやるわけではない、与えられた仕事を2~3年間やって、次の部署に移ってまた新しい仕事をするという形なので、ある1つの政策に対して長い間コミットメントできる人って、政治家ぐらいしかいないんだろうなというのが正直なところ。

山田さんは今の任期がもう4年半ぐらい終わって、一貫して発表してきた政策をやってきたというのが、事務所としても誇らしいと思っていまして、これをやりますと約束をして、選挙で受からせていただいて、その実現に向けてずっとやっているというのは非常に健全だと思いますし、そういう政治家がいれば、この分野はこの政治家に聞けばいいというのも官僚も分かってきて、政府と議員が二人三脚で出来る政策も増えてきているというのが実感です。

長い間1つの政策に関われるのは政治家しかいない、特に組織ではなく自分の力で勝った政治家、組織の力ですと組織の意向を強く受けてしまいますので、自分の公約で勝った政治家ぐらいしかできない。

あと1年半、本当に約束したことをちゃんと継続してこの政策には山田太郎が必要、この政策は山田太郎がやってくれたと思ってもらえるようになれるのがいいなと思っておりますので、一生懸命頑張ります。

(山田さん)
ということで頑張って、最後の任期をしっかりやっていきたいと思いますので、どうか皆さんよろしくお願いします。