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【第518・9回】ヤバい、2024年に国連総会に提出予定の新サイバー犯罪条約。日本が誇る表現の自由はどうなる!?【#山田太郎のさんちゃんねる】文字起こし風要約

出演者:

  • 山田 太郎 参議院議員・全国比例 公式サイト Twitter

  • 小山 紘一 山田太郎さんの政策担当秘書・弁護士 Twitter

  • 萌生めぐみ めぐみ アシスタント・イラストレーター Twitter

めぐめぐ:
 みなさんこんばんは山田太郎のさんちゃんねるの時間です。この番組は、表現の自由をめぐる問題をはじめとして、さまざまな政治的な話題について、一緒に考えていこうという目的でお送りしております。

 本日の特集は、ヤバい事実・・・・来年の国連総会に提出予定の新サイバー犯罪条約。日本が誇る表現の自由はどうなる!?ぜひともチャンネル登録、いいね、コメント、感想ツイート等をよろしくお願いします。

山田さん:
 新サイバー犯罪条約の第1次草案が出てきたので、どうヤバイのかということを伝えしたいと思います。

 特に何がヤバイかというと、所詮国際条約じゃんと思う方もいらっしゃると思いますが、条約というのは批准してしまうと国内法よりも上になる、憲法にそう書いてあるということなので、迂闊に国際条約に批准してしまうと国内でも出来なくなっちゃう。

 この新サイバー犯罪条約の中には、非実在のマンガとかアニメとかゲームもダメよと、子供を守るという文脈で、実在じゃないものについても取り締まりましょう、見るだけでもダメというかなり厳しい内容が平気で書かれているという状態であります。

 それがたくさんある条文の中の1項目ですから非常にわかりにくい。TPPのときも農業交渉なんじゃないのと、関税がどうだとか。その一方で著作権もあって二次創作に大きく影響するということは、当初誰もわかっていなかった。

 この新サイバー犯罪条約も批准してしまうと大変なことになりますので、しっかりやっていきたいということで、これは2021年からやっていますが、2022年は3月2日に総務省・法務省・外務省・文科省・経産省・デジ庁・警察庁を含めて大議論をうちの事務所でやって、6月3日、それから12月26日にも外務省とレクをやっています。

山田さん:
 まず前提の知識なんですが、条約って何よと、条約・協定・議定書・宣言・憲章・規約・取極などいろいろあるんですが、狭義には「treaty」で条約ということになります。

小山さん:
 国の間において文書の形式により締結され、国際法によって規律される国際的な合意は全部条約ということです。

山田さん:
 この条約は憲法上どう扱われているかと、まず第七条で法律と同じように条約についても公布します。六一条で条約の締結には国会の承認が必要です。七三条で、条約を締結するのは政府が行う、だから外務省がやる。そしてここが問題、九八条の二項で「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」と書いてありましす。

 つまり、仮に国内にその法律が整備されていなかったとしても、日本が締結した条約というのは効力を発し守らなければならない。だから新サイバー犯罪条約を締結し、それを批准、国会でも承認されてしまうと、法律になかったとしても、その内容を守らなければいけないということになる。

小山さん:
 直接九八条には書いていないんですが、今山田さんが言ったことは、政府の見解として出ています。

山田さん:
 これが外務省の日本政府の公式見解ですので、国内だけ見て、国内の表現の自由を守っていれば大丈夫なんじゃないの。サイバー犯罪は取り締まらなきゃまずいよね、テロとかいろいろあるしとか言ってると、その中にとんでもない内容が書いてあって、それが国内の法律を上回っちゃうんです。

山田さん:
 締結手続き、簡単に言うと署名して採択されて、国会に提出されて批准されると認められるということになる。

小山さん:
 条約からの脱退に関して、条約法に関するウィーン条約ということで脱退の規定があります、条約に基づく場合や、全ての当事者国の同意がある場合は脱退可能です。

山田さん:
 つまり条約に書いているかどうか。条約に書いてないとすると、全ての当事者国が一つでもダメだと言ったら脱退もできません。

小山さん:
 何も規定がない場合は、12ヶ月前に事前通告すれば脱退可能というのが一応のルールで、日本が条約から脱退した事例というのは少なくとも3つあります。

 特に(上の画像の下の)○2の国際捕鯨取締条約及び同条約の議定書からの脱退というのは、捕鯨というつの日本の文化に対して国際的に全く理解されず、相当強い圧力を受けて、この条約の枠組みでは日本は一緒にやれないということで脱退したという大ざっぱな理解でいいと思うんですけれども、これが一応条約脱退に関しての概略です。

山田さん:
 サイバー犯罪条約にはもう既に結ばれて存在している現サイバー犯罪条約、これはブダペスト条約ともいいます。

山田さん:
 今議論をしている新サイバー犯罪条約と何が違うかというと、現サイバー犯罪条約、つまりブタペスト条約は国連の条約ではないんです。あくまでも欧州委員会が中心となって作った条約でありまして、国連の条約ではない。

 新サイバー犯罪条約は国連で発議されている条約でありまして、国連の枠組みで議論されている、現サイバー犯罪条約は締結している国が少ないので、国連の枠組みでいきましょうという内容なんです。

 だから今のブダペスト条約があるからいいじゃないかというふうにはならず、国連で世界が認めるような、サイバー犯罪というのが問題だからということで格上げして議論されているということなんです。

小山さん:
 現サイバー犯罪条約にも、かなり表現に対して影響の大きい児童ポルノに関する規定があります。

山田さん:
 「性的にあからさまな行為を行う未成年者であると外見上認められる者」ということは実際に未成年でなくても含まれるとか、「未成年者を表現する写実的影像」ということで、マンガとかアニメとかゲーム等も入ってきちゃう。

 ただ、上の画像の右下に書いてありますが、日本は全て留保、つまりこの部分については日本は入らない、この部分だけは我が国は認めないということで留保をしている。

小山さん:
 これは9条の4項で下線を引いてあるところは留保できますとありまして、後から大事になってくるのは、2で1の規定の適用上、「児童ポルノ」とは、次のものを視覚的に描写するポルノと書いてあるんですが、これは超大事なのでちょっと覚えておいてください。

小山さん:
 現サイバー犯罪条約は留保規定が9条4項と42条にあって「特定の条に定める留保を付する旨を宣言できます」ということで、日本は9条1d及びe並びに2c及びcの規定を適用しない権利を留保した。これによって非実在児童に関する法律上の規制をする義務はないというのが日本です。

小山さん:
 この現サイバー犯罪条約の9条の留保状況ということで、日本以外の国も含めた留保状況です。

山田さん:
 これが大事だったんです。これは何をやったかというと、当時ブキッキオさんの問題があったので、必ずブキッキオさんたちはサイバー犯罪条約だとか、児童ポルノに関する選択議定書を狙い撃ちにして、日本は批准しているだろうと、だからマンガとかアニメに関しても規制しなきゃいけないって、たぶん言ってくると思った。

 そこでまず、そもそも表現の自由に関する内容等に関して、あるいは児童ポルノ表現に関して、関連する条約の全ては何ですかと聞いたんです。

 政府の答弁は2つしかありません、1つがいわゆる選択議定書と言われるもの、もう1つはこのサイバー犯罪条約で、選択議定書の方はもともと実在の児童しか対象としていない、政府もそういうふうに認識している。

 現行のサイバー犯罪条約はさっき言ったとおり日本は留保をしているので、だからサイバー犯罪条約に規定する義務を負うものではないという答弁をとったんです。

 にもかかわらず、ブキッキオさんがこう言っているのにおかしいじゃないかと、毎日新聞ですら国連がそう言ってるからおかしいじゃないかと言うんだよね。

小山さん:
 そこは今日外務省に確認しましたけれども、あくまで特別報告者(ブキッキオさん)とか委員の勧告とかは、国際スタンダードではないというのが日本政府の見解です。

山田さん:
 ですが毎日新聞が、知らないで平気でそういうことを書く、そして訂正しろって言っても訂正しないんだよね。

小山さん:
 これがブダペスト条約と呼ばれる現サイバー犯罪条約です。次は新サイバーの犯罪条約をめぐる動きについて。

小山さん:
 新条約反対派と新条約推進派で分かれています。

山田さん:
 反対派はもうサイバー犯罪条約あるんだから新しく作らなくてもそっちに入ればいいじゃないかと。裏側にあるのは、(新条約推進派は)なぜロシアと中国が中心なのか、サイバー犯罪という名目で情報を検閲したいんじゃないか、規制したいのではないか。

 それを堂々と国際的な枠組みで、国家ができるようにしたいという考え方がたぶん、新条約推進派なんです。日本とか欧米にも規制をしたい人たちはいるけれども、やはり表現(の自由)こそが人権でもあるので、そこに関して厳しくしてしまうと何もできなくなっちゃう。

 監視社会になってしまうだろうということで、自由社会対監視社会の考え方、ロシアと特に中国がひどいから、中国はもう既にこの条約以上のことをやっていますので、そういったところが主導したい条約だということを見ておかなきゃいけない。

 ただ蓋を開けてみたら反対60、賛成79で本会議で国連総会の決議としてまず議論することを認めちゃっています。これから国連の枠組みで新しいサイバー犯罪条約をつくりましょうということに関しては認められたということ。

 ちなみに言っておきますと、僕もIPU(列国議会同盟)に出てびっくりしたのは、世界的な枠組みって結構こういう感じなんです。私は中国とかロシアはとんでもないだろう、しかもロシアなんてウクライナに侵攻しているじゃないかと思いますが、数だけでいくとロシアと中国を支持する国は多いんですよ。

 必ずしも我々日本、あるいはいわゆる自由社会を前提とした国々が、世界の常識というわけでは残念ながらないという中で、この議論が行われているということもしっかり見ておいてほしいと思います。

 実はこれ表現の自由以外にも結構危ないところがあるというのを、ちょっときょうは紹介できればと思っています。

小山さん:
 今の決定を受けてというのが、2019年12月の国連総会決議74の247というところですけれども、そこからいろいろあって、2022年2月28日から第1回アドホック委員会、5月30日から第2回、8月29日から第3回が行われ、3回終わった後に2022年11月に統合交渉草案というものが示されます。

 当初は2023年に草案の提出を予定していたんですが、2024年に変更になりました。では今後の予定どうなるかというのがこちらです。

小山さん:
 外務省から示されたものとして、2023年1月から第4回、2023年4月から第5回会合で、統合交渉草案に沿ってこの2回、各国が意見を述べて議長が聴取するという手続をやります。

 第6回会合は2023年8月から、その結果を踏まえて議長が作成した「条約ドラフト」を議論します。そして最終会合が2024年1月か2月、アドホック委員会として「条約ドラフト」を承認します。その後2024年9月16日の国連総会の期日までに採択を目指しますというのが現在の状況。

 今出ている草案は第3回までのものをまとめたもので確定版ではないんですが、それが結構ヤバかったという話をこれからするんですけれども、その前に、最初はロシアがこんな感じで出してきたんです。

小山さん:
 これは現行のブダペスト条約と比べるとあんまり変わらないと言ってもいい、ただ留保規定がないというので騒ぎになったという感じなんですけれども、これらを受けて我々2022年3月3日のさんちゃんねるでも懸念点というのを出しています。

山田さん:
 実はロシア以外の国々が、オーストラリアを初めとしていろいろ付け足しているんです。いわゆる実在しない児童に関してもとか、音声とか文章にも広がるのではないか。

 それから留保の権利がなくなるんじゃないかとか、もう1つ大きいのは、ここがたぶんこれを出してきた国々の狙いではないかというのは、通信の秘密が制約される。

 通信が秘密だといわゆる軍事国家とかが対策できないから、そこを国家がコントロールしたい、あとは国民のプライバシーとかを制限して、捜査機関に筒抜けになるような仕組みにしたいんじゃないかというのが、ちょっと見え隠れしているんですね。

小山さん:
 通信の秘密とプライバシーの関係に関しては、この新サイバー犯罪条約は大前提としてインターネット利用に制約を課す国際条約なんです。表現の自由の制限によって、インターネットのサーバーやユーザーの統制強化を容易にできるようになってしまう可能性がある。

山田さん:
 そういうことをやりたがっているロシアとか中国とかイランとか、そういう国々が参画しているから、日本だけで表現の自由だとか守るような議論をしていても、条約に入ってしまったら終わりなんですよ。

小山さん:
 日本の強みとしては憲法に通信の秘密が明記されている、国際的にも珍しいと言われていて、かなりここは今守られている状況なんです。ただこの条約のようなものを批准してしまうと、例外規定を設けますってどんどん通信の秘密が破られるおそれがあります。

 日本もやはり諸外国に合わせるべきだとか、国際スタンダードみたいな話になってくるとかなりまずいというのを2022年3月の時点で、我々は懸念を示しています。

山田さん:
 そして今回、統合交渉草案というのが出てきました、これが目次です。

山田さん:
 特に重要なのがクラスター5第十八条の「オンラインにおける児童の性的虐待又は性的搾取製造物に関連する犯罪」、ポイントは性的搾取製造物、つまりそういうものを表現することが、搾取しているんじゃないかというもので、マンガ・アニメ・ゲームも含まれます。

小山さん:
 第十八条は大問題で1項のところで、「締約国は、違法かつ故意に行われる次の行為を自国の国内法上の犯罪とするため、必要な立法その他の措置をとれ」とあります。

山田さん:
 2項の(a)(b)(c)の現実又は疑似っていうのは、二次元もダメということ。「児童であると外見上認められる」これは18歳未満に見えちゃったらダメ、「児童を表現する写実的影像」これらはマンガ・アニメ・ゲームも含まれます。

 そしてびっくりしたのが「性的な目的を主要な目的とする児童の性器の描写描写」これは何?

小山さん:
 これは何を言っているのかわからない、外務省もいやわかりません、いきなり言ってきましたと。

山田さん:
 それから「拷問又は残虐、非人道的若しくは品位を傷付ける取扱い若しくは刑罰の犠牲者」これはゲームだね。

小山さん:
 ここには性的というのが入ってなくて、単なる虐待とか残虐というのがあるので、性虐待にこれを含むというのはちょっと無理があるんじゃないかと思います。

 この(d)(e)が追加されたことも我々は問題だと思っていますけれども、いろいろ読んでみると、2の柱書きと呼ばれる部分、「1の規定の適用上、「児童の性的虐待又は性的搾取製造物」には、次のものを描写する写真、ビデオ及びライブストリーミング媒体を含む視覚資材」

 ここまでは何となくわかる。続き、「並びに図画、書面及び録音物を含む。」書面というとテキストを含む、小説もアウトという可能性が出てきます。

 5項に「締約国は、1(e)及び(f)並びに2(b)及び(c)の規定の全部又は一部を適用しない権利を留保することができる。」とあるんですが、2の柱書きを留保するということは認められそうもない。

 録音とか文章テキストまで犯罪化しなさいという義務が課される可能性もありますし、その具体的な捜査をするために、かなり幅広い権限を捜査機関に認める方向になりかねないというのが大きな懸念としてあります。

 ライブ配信の視聴もダメということになっていますので、これは通信の秘密に関してかなりチャレンジングな内容になっています、十八条だけで。

山田さん:
 皆さんもう一度考え直してもらいたいんですが、これは国内法でやらなくても、さっき政府が見解を示したように、これが通ってしまえば国内だけで表現の自由とか言っててもダメな時代に入って来た。

小山さん:
 ロシア案がヤバイとか言っているレベルじゃありません。

山田さん:
 ロシアが出してきたものよりも、いろいろ寄せ集めてもっとひどいものになっちゃった。

小山さん:
 そのほかにも十九条・二十二条・二十三条あたりも表現の自由に抵触しうるものとして、システムを開発・製造するのダメめよと、ちょっとWinny(ウィニー)事件などもありましたので、悪用されると大変な規定になる可能性があります。

小山さん:
 これらはいずれも表現の自由に密接に関連している条項になっていますが、我々は2022年3月の段階でこんなものをつくっていました。

小山さん:
 当時ロシア案には留保がなくてまずいっていう話をしていたんですが…

山田さん:
 今の統合交渉草案はそれ以上にまずい。第1項の中に助長だとか視聴だとか関与でもダメだと、第2項には書面、録音物まで入ってきちゃった。

小山さん:
 あげくの果てに新条項dとeもついてきた、これを我々はどうしていくのか。外務省もステートメントペーパーとかで表現の自由を大事にしましょうって話をしたり、あとはインターネットでできる犯罪じゃなくて、インターネットと本質的に結びついている犯罪だけを対象にしましょうと。

山田さん:
 インターネットとかネットで起こる犯罪のみにすればいいんだけど、それ以外のものについても犯罪行為なのだということで、国際的な枠組みをつくろうとしているんだけれども、犯罪行為かどうかは、各国の刑法で定義すればいいことがすごく多くて、何をもって犯罪なのか、どれぐらいの刑罰を与えるのか、国によって背景も違うからね。

 どうも意図としては、かなり多くの領域を犯罪行為とすると同時に、特に通信の秘密、表現の方もそうなんだけれども、それを制限することによって傍受しやすくなったり、いろんなことをしやすくしたいと狙っているのではないかと。

小山さん:
 現実でも起こっていて、インターネットでも起こっているみたいなものは抜きましょうとは言っているんですけれども、大勢としては幅広くサイバー犯罪の枠組みに入れるべきだと、表現の自由を大事にしましょうというようなステートメントを出しているのは日本とオランダぐらい。

山田さん:
 僕も頑張ってずっと外務省と一緒にやっていて、ステートメントを出して反対していくか、留保事項をちゃんとつくって整備していかないと、こんなの批准させられちゃったら、もう日本のマンガ・アニメ・ゲームは壊滅的になると外務省も理解しています。

 国内でも与党の中でちゃんとこれを大問題だということを議論しないと、国会に上程されちゃうとどんどん進んでいっちゃう。今まで誰も言っていない国会議員で、これは問題だって誰か言ってる?

 条約だけでも毎回の国会で20も30も批准しちゃっているんですよ、追認とかして。だから知らないうちにとおっちゃう、マスコミだって知らないでしょう?何も報道されてないじゃん。

 今ロシアと中国が牽引しつつ、表現に厳しいオーストラリアだったり、欧州の一部が乗っかってきていると、世界の枠組みの中で寛容なのは、日本とオランダも割と寛容ですが、この2国だけだという状況で、これはちゃんと世論でも周知していって、皆さんにも理解していただかないといけない。

小山さん:
 第4回、第5回のステートメントも日本政府が準備してくださっているみたいで、表現の自由とか通信の秘密をぜひともよろしくという話は山田さんの方からしてもらっていますけれども、日本一国で頑張ったところでというのはあり得る話です。

山田さん:
 こういうのが怖いのは、前提はテロへの対策だと言っているから、それはそのとおり、ネットによるテロ対策を何とかしないといけない、そうするとこれを認めましょうというのは国内外でやっぱり多いんですよ単純に、細かいところまで見てないから。

 日本だけがこれに全く批准しないという立場にはたぶん立てないから、結局現実的な対応策としては、留保規定をきちっとつくって、これに余計なところは拘束されないようにしなきゃいけない。

 みんな反対すればいいって簡単に言うけれど、国際的な枠組みの中でじゃあ日本だけが、テロに対して甘い国なのかと、サイバー犯罪に関して甘い国なのかとそしりを受けるという事実もあるから、どうしてもこれは加入するプレッシャーが強くなっちゃう。

小山さん:
 よくわからない国際スタンダードというのがここでも効いてくる可能性があって、条約に批准していないのに、ワールドスタンダードだということで、ガイドラインに沿って各企業ジャンルを問わず、こんなことをしちゃダメだみたいな話にもなりかねないというのが昨今の情勢です。

 条約から安易に離れるのは得策ではないと思いますので、何とか留保規定をつけるとか、不要な情報を落とすとか、本当にサイバー本質の条約に限定するとか、日本政府に可能な限り闘ってもらって、まともな条約にしておかないと、変な国際スタンダードを作られてしまいますので、もうすでに結構今もそういう状況です。

 山田さんも毎回言ってますが、人権はグローバルだけれども、人権の中に表現の自由ももちろん含まれている、そして文化はローカルであり、人権である表現の自由と密接に結びついている。

 文化の部分をどう守っていくのかをちゃんと考えないと、日本に価値がなくなってしまう可能性も十分にありますということは、毎回レクなどで山田さんの方からも政府に言っています。

山田さん:
 留保できるということを条約の中に書いておかないと、一度条約に入ってしまうととにかく大変、抜けることが事実上できない。今著作権の方でもやっているんだけれども、昔日本が入っちゃった条約を抜けられなくて大変なんですよ。

 単に反対ということだけを作戦とするのは無責任で、どこを削ってどこを留保させるかという現実路線をとらない限りダメ。もう時間がないので、僕もちょっと国際的ロビイングをやらなきゃいけないなと思っているんですけれども、そういう状態だということです。


虹杜コメント:
 ここまでが【第518回】(2022年12月28日配信)の特集の文字起こし、ここからは【第519回】(2023年1月11日配信)のトピックスの文字起こしです。一部内容が被っていますが、新サイバー犯罪条約続報ということで、まとめて掲載します。


山田さん:
 今回のトピックスは新サイバー犯罪条約についての続報と詳細をご説明したいと思いますが、新サイバー犯罪条約ヤバイよって話をしてきたんですが、一部の方から、いやいや、元のロシアとかオーストラリア等の出してきた原案に対して、新しい草案の方は大丈夫になっているという指摘がありました。

 その後外務省ともやり取りをして、草案の文言を巡って、そんなに大丈夫な状態ではないということで、改めてどういうことなのかということを、詳細に、重要なことですので、お伝えしておきたいと思います。

 まずもう一度簡単に説明しますと、国連で新サイバー犯罪条約というのは、元々ロシア等が発案ということで議論が始まりました。現行のサイバー犯罪条約というのは今も存在して日本も批准しているということです。

 サイバー犯罪条約の何がまずいかというと、実在の子供じゃなくても、つまり非実在のマンガ・アニメ・ゲーム等でもある表現に関しては違法として、それを取り締まるべく法律を作りなさいと書いてありまして、批准した国はそれを守ることになる。

 ただ今のサイバー犯罪条約に関しては、留保規定というのがついていまして、日本はその部分について留保しているので、非実在の部分については守らなくてもいいということで、表現の自由を守れているということです。

 これは私自身が野党時代に政府に対して質問主意書を出して確認してる内容なんですが、その現行サイバー犯罪条約があるにもかかわらず、新サイバー犯罪条約を作ることになりました。

 日本の立場はもう既に現行のサイバー犯罪条約があるのだから、新たにつくる必要ないんじゃないかということだったんですが、ロシアや中国なんかが、積極的にこれを作りたいと。

 たぶん背景にあるのは、サイバー犯罪条約という名前でもって、情報監視を国際的にしていきたいという思惑も感じるんですが、その中でかなりマンガ・アニメ・ゲームに関しても厳しい内容が書かれてる。

 ポイントは留保規定が限定されてる、もし条約がこのまま通って日本も批准するということになれば、かなりマンガ・アニメ・ゲームが壊滅的な状態になるということです。

 2022年末に新たに草案が出てきたんですが、その条約の中の文言は直接実在を指すのだから、いわゆる非実在に対しては関係ないんじゃないかという声もいただいたんですが、そんなことはなくて、含まれる可能性は極めて高いということを、外務省にも確認していますので、そうならないように何とかしなきゃいけない。

山田さん:
 ちょっと現条約と新サイバー犯罪条約の草案を見てほしいんですが、 赤文字で書かれているところが、現行の条約に対して主に付け加えたところなんですが、英語になっていますので、これを日本語(仮訳)にしてみます。

山田さん:
 特に問題なのは、1のcの「宣伝し、提供し、公表し、公に展示し」つまりこれまで宣伝とか公表とか展示ってのは関係なかったんですけど、範囲が広がると同時に、fも「故意に、児童の性的虐待又は性的搾取製造物にアクセスし(中略)性的にあからさまな行為を行う児童をライブ配信による視聴すること。」見ることも犯罪となる。

小山さん:
 こちらに関して非実在を含むという解釈がされてしまって、日本もそれに乗っちゃうと、子供に見えるようなものが出てくるアニメを視聴することも違反になりかねないという状況になります。

山田さん:
 それで条文の英文をよく見てみると、非実在は含まれないんじゃないのという指摘をされる方もいて、そういう声が一部ネットで広がったんですが、外務省にも確認して、結論から言うと非実在を含む可能性は極めて高い。

山田さん:
 下のbとcを見てほしいんですが、「現実又は類似の性的にあからさまな行為を行う児童云々」という仮訳になっているんですが、原文の「a child」というのはあくまでもチャイルドなんだから、実在の子供を指している。だから大丈夫じゃないかと、それを訳として確定させた方がいいんじゃないのというご指摘がありました。

 これは上の現行のサイバー犯罪条約の方を見ていただきたいんですが、解釈も訳も固まっていて、これは明らかに非実在を含むということを、国際的にも日本政府の解釈としても確定していますので、ゆえに草案も非実在を含まないとは限らない。

 上の画像の一番下のところに「現状薬の解釈に関する政府解釈」というのがありますが、この政府見解に「およそ実在しない児童を描写したものを含むと解される」とはっきり閣議で決定されているんです。

 現行のサイバー犯罪条約でも同じ文言で非実在を含むということですので、外務省の判断、あるいは国際的な解釈としても、これは非実在を含まないということにならないというのが、もう確定的な事実なんです。

山田さん:
 それからもう1つ問題なのは、児童の権利条約選択議定書の方にも「in real or simulated」(現実の若しくは疑似の)とある。この選択議定書は日本がもう既に批准していますけれども、この疑似というのがどこまで含むかは解釈が不安定だということで、外務省も認めてます。

小山さん:
 訳からすると現実若しくは疑似のあからさまなに性的な行為というのが何を指すのか、非常に多義的です。例えばいやらしい顔つきでバナナをなめるみたいなのもダメなんじゃないかという声もこちらに届いてます。

 それはバナナをなめてるだけじゃないかとなるのか、いや疑似の性的な行為と評価されてしまうのか、そのあたり、この書きぶりで含むのか含まないのか、そういった話もどうなんだというのを今政府と議論をしているところです。

山田さん:
 我々としては仮に条文がそうなったとしても、あくまでも実在の部分で、二次元とか非実在を含まないようにということで頑張ってるんですが、安全策をとっておかないとまずいということなんです。

 というわけで一部で言葉の解釈を巡って大丈夫だという説もあったんですが、外務省と直接やりとりして、現実的にそうじゃないんだと理解していただきたい、とても安心できる状態ではありません。

 もちろんこのまま認めさせるつもりはありませんので、これを変えさせる、または少なくと留保規定を作って、仮にこれがこのまま通ったとしても、我が国は関係ないようにしておこうという努力は、これからも改めてしていきたいと思ってます。

 いずれにしても全く大丈夫ではない、山田さんまた大げさなことを言ってるとか、またデマを流してるというふうに言わたりしますが、これは外務省とも直接やり取りをして確認していますので。

小山さん:
 山田さんが質問主意書で確認したものとしては、日本が条約上の義務を負うものとしての児童ポルノ関連はこの選択議定書と現行サイバー犯罪条約の2つであると。

 選択議定書の方は実在に限定されているという理解です、ただそこには「疑似の」も入っています。現行サイバー犯罪には非実在も含むけれど、留保規定を使って留保しているので、日本は条約上、非実在児童ポルノを規制する義務を負ってません。

 ここをスタートとして、この条文を基に解釈しないと、今回の統合交渉草案も同じ書きぶりだったら外務省も同じように理解せざるを得ないので、今回のものと現行条約はほぼ同じ書きぶりですので、非実在を含むとしか解釈できない可能性があります。

 なのでこのあたりはかなり危険で、新サイバー犯罪条約では児童ポルノの対象が格段に広がっていますし、しかも留保規定が使えない状態で、現行条約では「視覚的に描写する」というのが、「描写する写真、ビデオ及びliveストリーミング媒体を含む視覚資材並びに図画、書面及び録音物を含む。」となっている。

山田さん:
 図画だからマンガ・アニメ・ゲームは確実に含むということで、何度も言いますが、これがそのまま批准されれば、その瞬間、日本はかなり厳しい状態になるということです。

 ただおおっぴらに反対すると、日本はジェノサイドを正当化するのか、テロリズムを放置しておくのか、過激主義を放置しておくのかと言われかねないんです。

 そういった活動は当然させないようにするべきなんですが、この辺は我々も気をつけないと返り血を浴びるというか、規制したい人たちの思惑に乗っかってしまう可能性が高いので、ここはちょっと厳しいと思っております。

小山さん:
 元々はロシア案に留保規定がないと騒いでたところ、現行条約と統合交渉草案の比較ですと、やはり1項2項のところが最大の問題でして、留保規定も一応付きましたが、ただその対象がかなり限られちゃってます。

小山さん:
 そういう問題もありながら、どうしていくのが日本としてベストなのかというのを、今政府と山田事務所の方で詰めているという段階です。

山田さん:
 ということで大変ですけれども、頑張ってやっていきたいと思います。


虹杜コメント:
 今回の文字起こしは以上です。今回もある程度要約・カットした部分がそこそこありますので、しっかり内容を確認したい方は是非動画の方をご確認下さい。

 こちらの文字起こしテキストは自由に切り抜いてTwitter等で利用して頂いてかまいません。ここまで読んで頂きありがとうございました、もしよろしければスキを押していただけると幸い(お礼文はランダム表示)です。

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