見出し画像

あなたの作品をもっと読んでもらうには

崖っぷち作家のニジマルカです。

私のデビュー作はまったく売れなくて大爆死だったのですが、大爆死してはじめてわかったことがあります。

そもそも売れるはずのない本を出していたのですね。

今回は「もっと売れるには(もっと読まれるには)」という話です。


売れない理由

(本を市場に出していない人は「売れない」を「読まれない」と読み替えるとだいたい意味が通ると思います)

売れない理由は主に2つです。

1.題材が悪い
2.タイトルが悪い

それぞれ見ていきましょう。


1.題材が悪い

あるジャンルにおいて、そもそも読まれない題材というのが存在します。

そのジャンルにいる読者が好きではない題材(あるいは嫌いな題材)があるのですね。

そういう題材を「地雷」と呼んだりしています。

地雷を踏んでいるとほぼ売れません。

私がいるエンタメジャンルでは地雷がとてもわかりやすいです。

たとえば、ロボット、スポーツ、和風、中華風、ミステリ、SF、幽霊、ギャンブル、泥棒、ヤクザ、逃亡、病気、裁判……などです。

たまに例外的に売れたり、流行のサイクルによって受け入れられるものもあるのですが、ほとんどの場合、地雷を出した時点で売れません。

私のデビュー作は思いっきり地雷を踏んでいました。

片足どころではなく、両手両足で踏んでいた感じです。

ですので、売れないのは最初から決まっていたのですね。


みなさんのジャンルにも地雷があると思います。

誰も好きではないものを書いていないか、チェックしてみるといいでしょう。

もちろん自分が好きなら書けばいいですが、たくさん読まれたいなら、少なくとも好まれない題材は避けた方がいいかもしれません。

以前、小説教室に顔を出していましたが、「これは地雷なんじゃないかなあ」と思うものを一生懸命書いている人たちがいました。

純文学っぽいものを書こうとしている人が多かった印象ですが、そういう人たちは「病気」「嫁姑問題」「中年の性問題」などを書くのですね。

地雷とまではいかなくても、誰もがすぐに思いつくものなので飽和している題材だと思います。

その題材で勝負するなら、よほどのアイデアがない限り、無理な気がします。


題材の良し悪しをチェックするには

書いている題材が地雷がどうかは、過去作を調べるしかありません。

市場においては、自分がいるジャンルの作品の売上を1年ほど追ってみると、どの題材が地雷かはすぐにわかります。
(売れないので)


作家志望者さんの場合は、お手軽にやるならアマゾンのコメント数や、読書メーターの登録数などが目安になるでしょう。

基本的に売れれば売れるほど、コメント数も登録数も多くなります。

ですから、あまりにコメントや登録数の少ない作品は、受け入れられなかった可能性が高いです。

もちろんそれらの数は相対的なものなので、作品同士を比較しなければなりません。

また、出版年月がだいたい同じ作品を比べないといけないこともわかると思います。
(市場に出ている期間でコメント数などは変わります)

ある回の受賞作同士などは比較しやすいでしょう。


2.タイトルが悪い

2つ目はタイトルです。

タイトルが悪いと売れません。

もっと言えば、中身よりもタイトルの方が大事です。

なぜかというと、人は中身を読む前に買うかどうかを決めるからです。

これはわかっておいた方がいいので説明しておきます。

たとえば新刊が出たとします。

新刊を買うのは「中身が面白かったから」ではありません。

もちろんまだ読んでいないから当然です。

中身を読んでいないのに、なぜ買うことを決めたのでしょうか?

それは「面白そうに見えたから」です。


つまり私たちは「中身が面白いから」買うのではなく、「外見が面白そうに見えたから」買うのです。

ですから、極端なことを言えば中身など関係ありません。

買うかどうかはすべて外見、つまりタイトルやあらすじで決まるのです。


良いタイトルをつけるには

中身が同じでも、タイトルを変えただけで売上が激変します。

ですから、地雷を避け、ほどほどの内容を書ければ、あとはタイトルだけが勝敗を決します。

タイトルを「内容を象徴するもの」だと考えると、だいたい失敗すると思います。
(一般小説ならうまくいく場合もあるかもしれません)

そういったタイトルの付け方は作者の都合によるものです。

意識を切り替えてみましょう。

自分ではなく、読者を優先しなければなりません。

作者は読者に得をさせなければならないのです。


基本的な考え方は「この本を買ったら得をする」と読者に思ってもらうことです。

そのためには、タイトルは「新しい面白さの提案」だと考えればいいでしょう。

「この本にはこういう新しい面白さ(アイデア)があるよ。だから買うと得するよ」と端的に示すのがタイトルの役目です。

もしタイトルに入れられる新しさがないなら、ヒットさせるのはほぼ無理です。

ですが、その場合でも「こういう面白さがある」とタイトルで伝えられれば、大爆死ということにはならないでしょう。


今回のまとめ

「もっと売れるには」という話でした。

1.本が売れないのには理由がある
2.「題材が悪い」「タイトルが悪い」が二大理由
3.地雷を避けるためには過去作を調べる
4.タイトルは「新しい面白さの提案」

中身を良くするのも大事ですが、それよりも外見を直した方がぐっと売上は伸びます。

試しに作品のタイトルを変えてどうなるかを見てみるといいかもしれません。

それではまたくまー。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?