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りんご農家の、情報未満のゆるーい話を。

信州安曇野のりんご農家、弐七農園です。夫婦でやっている農園ですが、これを書いているのは妻の方です。

りんご農家は1年中なにかしらやっている。年が明けてからの剪定期間はいくらか余裕があるものの、4月に花が咲いて以降は秋の収穫までずっと走り続けているような感覚でずっと忙しい。摘果も終わったかと思えば、見直せばそのぶんだけ永遠に続けている気もする。そして草刈り。たまに防除。その繰り返しが収穫までずっと続いていく。

不思議なことに「あれもしたい!」「こうした方がいいよね」などのアイディアって忙しい時ほど出てくるもの。というより、りんごの作業の場合は「手は忙しくても頭は自由にできる」という状態だから楽しくあれこれ考えてしまうのかもしれない。あれこれ考えてしまった結果、このnoteを始めたのはそもそも2021年の収穫時期真っ只中、そのときには頑張って更新していたのですがそれも滞り……。真夏の炎天下の畑でふと、あれ、そういえば農園のnoteって……と思ってしまったわけです。

そんなわけで、当園の思いつきで何かやってしまうキャラとしては「またか!」という感が否めないですが、noteでゆるーいブログを再開しようかな、と思った次第です。THE農園としてのりんごのこととか、商品の詳細とかと混在させつつ、農園の中の人の個人的なボヤキとか考えとか、学びとかをゆるーくつづる。

「伝える」ハードル


そもそもあれもしたい!これもしたい!といろいろバタつきがちな当園。それをお客様へどうやって伝えるか?というのは常に課題。当園が想定するのは、ほぼ顔の見えるお客様。だから、伝えたいことも多くなるし、聞きたいことも多いし、いわばちょっと面倒くさい私たちです。

で、面倒くさいポイントその2。私(および夫も)、文章によって考えを整頓するタイプ。夫もどちらかといえばそのタイプで、もう少し進んで誰かと議論しながら考えを進めていくタイプ。

そんな当園はメールでの案内を基本としているけれど、その案内文がシャレにならないくらい長い。ほんとにこれは時代に逆行しているな……と思いながらもとにかく長い。

これじゃいかん!とインスタやfacebookでの投稿もやってみる。就農以来続けてきたブログはインスタへと移行。公式LINEも作ってみる。……けれどどうもしっくりこない。インスタもいいけど、やっぱりブログで文章を綴っていくのって好きなんだな……。

「伝える」ことは確かに大事。だけど、聞き手としたら聞きたいこと・興味のあることを聞ければそれでいい。じゃあ、数を打てばいいのでは……?それも一理あるのだけど、おそらく自分(たち)の中のモヤモヤはまた別にある気もしている。

「伝える」ことが大事なわけではなくて、どういう形であれ伝わればそれでいいわけで。伝えよう!と意気込むのに比例してメールの文は長くなり、押し付けがましさも上昇、SNSの投稿はまどろっこしさも増えていく。

メールやインスタ、facebookなどいわゆる農園「オフィシャル」な情報発信からすり抜けるあたりの、情報ともいえないもの、形になりきれていない想いのあたり、なんてことのない日常、そんなことをゆるくつづるnoteをやればいいのでは?そんなことを炎天下の畑で考えました。

考え方はゆらぐもの

noteを始めた当初、正直結構気負っておりました(今もそこそこ緊張感は持ってますが)。こうやってメディアを使い分ける!とか。noteではりんごのこと、商品のことをもっと伝える!とか。

その目的もまだもちろんあって、今後ともりんごの事細かな説明はnoteで書いていこうかなぁとは思ってます。でも、そんなに頑なにならなくても〜、って思う自分(たち)もおります。そのことも一応、記しておこうかと。

noteを始めた当初は、インスタもやってなくて代わりにブログ&メール。りんごの木オーナーの募集記事をブログ記事で書いて、それと同時にメールで募集かけらる方々には一斉配信して……。という状況。そこからHPを作って、ブログをインスタへ移行。

やってみた感想!SNSの使い方とかアドバイスは検索すればどこにでも落ちているけれど、やっぱりやってみて感覚をつかむというか、決め打ちでかかるのではなくて、どれが自分にしっくりくるのか試してみるのは悪くないかも。そして、違う!と思ったら変えればいい。そもそも、インスタなんてよく見せたい!と思った時点でなんだかずれてしまうんだな……ということを個人的には感じております。でもいいショットは撮りたいし。実に何層もの思いであれこれ足掻いているわけです。

当初の決意表明とはかわって、今はとりあえずやっているSNSやその他ツールに同じような情報を少しずつ形を変えながら投稿していき、様子をみております。何がなんでも「メールで伝え切る!」「いいねを増やそう!」とかそういうのはいい意味で諦めました。

2022年、最近の変化

2022年明けてから、園長(=夫)は「理念ベースの経営」ということをよく口にするようになりました。これを私なりにわかりやすく噛み砕くと「いいと思う方向をあらかじめ定めておいて、それに添うような仕事を積み上げていく」と(勝手に)理解しております。

外からはわかりづらいけれど、農園の中でこの1年ほどで大きな変化があった。当園、弐七農園は夫婦で経営しているという状態が続いているけれど、そして便宜上は私は「専従者」だけれど、園長が「専業農家」ではなくなった。農園とは別に、仲間と一緒に農事組合法人をやり始めた。だから農園から見ると、「園長」でありながら「兼業農家」でもあるらしい。どっぷり農業やってるのになんだか不思議。

やっている農園と法人はは似ているけれど、目指しているところが微妙に違う。ざっくりというと、園長が携わっている法人は「地域貢献」みたいなところ、農業をこの地域で続けていくことを目指している。なので、一概には言えないのだけれど、「地域貢献」のような部分は法人で実現することを目指し、それと両立が難しいような攻めた経営や農法を試してみる、せっかく新規就農したんだから挑戦してみたい!ということが農園として全振りできるようになったとも言える。

そういう状況で、農園としてどうなりたいか?を日々話し合っているのが最近の当園の状況です。そういうのもあってHPを作るに至ったのもあるのだけれど。ただ、想いを形にするのってやっぱりムズカシイ。

それに加えて、夫婦経営の難しさ。それぞれが、それぞれに期待するもの、やりたいこと、今やるべきこと、そういうのを都度すり合わせていく。

当園は夫婦でやっていますが、あえて完全な分業制ではなく、お互いがお互いの領域に干渉しながらうまいことやっていくスタイルをとっています。例えば配信する一斉メールも、お互いに推敲しあってから配信するし、力と技量の差はかなりあるものの防除以外の農作業はできるだけ双方が取り組む。そうやって「理念ベース」なるものに近づけるように……というのが最近の事情です。

というわけで、ここでひっそりとブログ再開!宣言でした。
以前のブログはこちらから。
 http://appleturtle27.naganoblog.jp/



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