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黒田尚嗣の日本遺産コラム

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「世界遺産・日本遺産の語り部」として活躍中の日本遺産普及協会代表監事・黒田尚嗣によるコラムです。
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記事一覧

【黒田尚嗣コラム】会津の三十三観音巡り~巡礼を通して観た会津文化

執筆:日本遺産普及協会監事 黒田尚嗣 会津三十三観音めぐりと仏都会津の慧日寺2018年2月7日、会津若松市生涯学習総合センター「会津稽古堂」で開催された日本遺産「会津三十三観音めぐり」シンポジウムにおいて、私はこの会津三十三観音めぐりの魅力を「五感が満たされる大らかな信仰の旅」と所見を述べました。 会津三十三観音巡礼は、会津藩祖の名君保科正之が西国巡礼を模して、藩内で楽に巡礼ができるように定めたものですが、古来のおおらかな信仰の姿が今に残り、霊場に佇む石仏が私の五感を刺激

【黒田尚嗣コラム】岡山県「桃太郎伝説~古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語」

執筆:日本遺産普及協会監事 黒田尚嗣 日本遺産の地を旅する 岡山県の日本遺産「桃太郎伝説」日本遺産の旅とは? 2015年よりスタートした「日本遺産」は、日本各地に存在する有形無形の文化財を、その地域の歴史的魅力やわが国の伝統・文化を伝えるストーリー、すなわち「物語」として文化庁が認定する制度です。 しかし「物語」にはそれを語る人、聴く人あるいは読む人の心があって、それぞれの想いがその物語の土地に繋がってこそ「物語」は旅となります。 また「物語」はたとえそれがフィクショ

【黒田尚嗣コラム】日本遺産とは?「ストーリー」重視のテーマ旅

執筆:日本遺産普及協会監事 黒田尚嗣 日本遺産とは何か?「日本遺産」とは、地域の文化財や歴史的特徴を活かして日本の文化・伝統を語るストーリー”を文化庁が認定するもので2015に第1号として18件が認定されました。 日本遺産構想のきっかけは、日本で暮らしているイギリス人のデービッド・アトキンソン氏で、彼は日本の神社仏閣に何度も足を運んでいるうちに、「外観はすばらしいが、ただそれだけだ」と感じるようになったと言っています。 そして、もしその建立された経緯や今日に至る歴史など