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「Mr. & Mrs. Smith」でわかる「I love you」の文化

JōZU TV Clubで取り上げている『Mr. & Mrs. Smith』、かなり大人な内容ですね。スパイ・コメディと見せかけていきなり「恋愛とは?」「夫婦とは?」とこっちに投げかける感じが最初驚きで正直とっつきにくかったです(今は見事にハマっていますが)。

そんなラブコメ(?)を今回ポッドキャストで取り上げた時にもうちょっと踏み込みたかったことが、アメリカで「I love you」という言葉の重みについてでした。

日本のドラマ、漫画、バラエティ番組などを観ていると、アメリカでは恋愛関係にある相手に「アイラァビュゥ!アイニージュゥ!」と言うのが普通…というイメージを持たれている方が多くいるように見受けられますが、実はそんなことはありません。「I love you」がカップルで成立するのはもっと時間が経ってからであって、真剣にお付き合いがしたいということを認識して初めていう言葉なんです。

もちろん人それぞれ色々な形があるので100%ではないですが、アメリカの「よくある恋愛」で踏む段階が日本とちょっと違います。まず、出会った相手をデートに誘う時点で好意を示していますが、ここでまず「Is this a date?(これってデートなの?)」という共通認識を持つことが第一歩。次にしばらくデートを重ねるごとに「I’m dating someone. (誰かとよく出かける・デートしている)」というステージに達しますが、ここでハグ・キス・セックスなど身体的に近づくことがよくあります。

が!しかし!しかしですよ!ここが日本とだいぶ違うのが、そういう関係だからといって「彼氏・彼女といった『付き合っている』関係である」とは限らないんです!お互い好意があるからスキンシップがあるのは当たり前なんですが、必ずお互いの関係を確認する必要があります。同時にそういったことになる前に「まだちょっと違うな…」や「ちゃんと真剣なお付き合いしてから体の関係を持ちたいな」などといった自分のboundary(許容範囲)を示す必要もあります。ちなみにアメリカでは日本のように「付き合ってください!」「好きです!」のような常套句は特になく、なんとなく「これって付き合ってるよね?」と聞いたり、行動に表す必要があります。

「I love you」という言葉は確認しあって「付き合っている」状態になっている後に初めて言い合うようになります。お付き合いをしだしてしばらく経って色々経験をしてから「あぁ、この人ともっとずっといたいな」と思って初めて「I love you」と言うんです。ドラマではジョンもジェーンも「I love you」と言われた時に驚きと喜びと照れが同時に出てきているのは、二人がカップルになったきっかけが特殊な上に生活も特殊だからなんです。なのでアメリカの視聴者の中には「二人の関係の展開が早すぎる」と感じる人もいます。日本からすれば「え!アメリカなのに?」と思うかもしれませんね(笑)私からすると、任務や周りにかき乱される二人が気づいたら関係を深めていく姿がたまらなく可愛いです。

カップルのスタートとゴール(というものがあるならですが)は日本もアメリカも変わらないと思いますが、途中経過の文化の違いを知ると「Mr. & Mrs. Smith」をはじめ、恋愛モノをより楽しめます。今回のことをぜひご参考の上で、また木曜日のTV Clubでお会いしましょう♪

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