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北海道美唄市とのご縁

日本理化学工業の大山です。
つい先日、北海道美唄(びばい)工場へ出張へ行ってきました。もう5月も中旬で、美しい桜も見ごろを終えたころにもかかわらず、最低気温2度(ちなみにですが、最高気温は8度)。出発前の川崎が20度を超えていたので、気温差約20度を体験してきました。

さて、北海道といえば、札幌、函館、美瑛、富良野、オホーツク…など有名な場所がたくさんありますが、みなさん「美唄市」をご存知でしょうか。美しい唄といかいて美唄(びばい)、札幌と旭川のちょうど中間で空知地方の中心に位置した美しい町です。

東京都蒲田で創業した日本理化学工業が、なぜ遠い北海道美唄の地に工場を持つことになったのか。今日はその歴史と美唄市とのご縁についてお伝えしたいと思います。


始まりは新聞記事

昭和12年に創業した日本理化学工業は、私の祖父がもともと雑貨商を営んでいた時に、炭酸カルシム製のチョークを輸入してほしいというお客様のご要望を受けて、アメリカからチョークを輸入したところ、自分たちで製造することができないかと考え、日本で初めて炭酸カルシウム製のチョークを製造販売する会社を立ち上げたことに始まります。
その後昭和42年に美唄市、昭和50年に川崎市へと工場を広げてまいりました。

大田区の工場に加え、美唄市に工場を作ることになったのは、実は当時の労働大臣が大田区の工場に視察に来てくださり、障がい者雇用についても書かれた新聞記事を見てくださった美唄市長のお声かけがきっかけでした。障がい者の働く工場をぜひ美唄に作ってほしいと、当時の美唄市長から熱心にお誘いいただいたのです。

本州から離れれば、生産した商品の輸送にも費用がかかる事は懸念されましたし、美唄市は雪に覆われる時期も長く降雪量も多いことで有名です。冬の朝晩の雪の対応も、関東に住む者には想像もできない大変さがあるでしょう。しかし、それにも増して福祉に対する思いが当時の市長から熱く語られたことで、先代(大山泰弘前会長)が昭和42年9月に美唄工場を開設したのです。

美唄工場(これはかなり雪の少ない日)


余談になりますが、工場見学の際にはよくお話ししている我が社の情報を一つ伝えさせてください。弊社ダストレスチョークは、美唄工場で白、川崎工場で色、と分けて製造しています。チョークの色が混ざらないことも大切な品質管理です。

美唄工場で働く社員。美唄工場では【白】のチョークのみを製造しています。

炭鉱の町でうまれた支え合う環境

私は以前、板東前美唄市長に美唄市郷土資料館を案内していただきました。その時感じたのは、炭鉱という危険な仕事にかかわる人にとって、そこでいちどき大きな事故がおきると、一気に幸せな生活からそうでない環境になってしまう事実があること。そうした家族を周りがさまざまに支えてきたことを、改めて教えていただきました。
障がいのある社員にも優しい町、だからこそ自分たちが呼ばれたことを改めて捉えることができました。美唄という町に誘致していただき約50年の間、工場とここで働く社員を見守り、支えてくださったおかげで、日本理化学工業の工場操業、障がい者雇用を含めて今日まで守ってこられたのです。

板東市長をお話しできたこともきっかけの一つとなって、2021年10月、川崎工場敷地内に「北海道美唄コンテナショップ」が誕生しました。この「北海道美唄コンテナショップ」を通じて美唄の未来づくりに少しでも役に立つ会社になりたいと考えたのです。

品質向上がかなったホタテ貝との出会い、そして…

日本理化学を支える炭酸カルシウム製のダストレスチョークが、2005年にホタテ貝の微粉末を配合した新しいダストレスチョークに生まれ変わったのも、美唄市に工場があったことと深く関わりがあります。北海道立試験場やたくさんの方に支えていただき、商品開発が進み、試行錯誤を繰り返し、品質がいっそう向上したダストレスチョークが生まれることになったのです。

書き味、折損強度など一層品質が向上したリニューアルしたダストレスチョーク

そして…

ここからのお話はまた長くなりますので、「次回に続く」とさせてください。

【お知らせ】
5/25(土)は川崎市高津区の川崎工場敷地内にて、春の【美唄フェア】を開催します。美唄市長にもお越しいただき、私も毎年楽しみにしている、産地直送・旬の絶品アスパラガスを目玉に、たくさんの美唄の名産品を販売いたします。今回は美唄の美味しい食材をキッチンカーでもご提供予定です。もちろん、キットパス号に楽がき、アスファルトにチョークで楽がきも開催します。ご家族そろって遊びにいらしてください。

ご家族みなさまでお越しください!
旬のアスパラガスは絶品です!

今回もお読みいただきありがとうございました。

日本理化学工業株式会社
大山隆久

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