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【社員インタビュー】職人の心得を継承する中堅(石川貴史さん)

弊社のnoteをご覧いただき、ありがとうございます。日本ニューノーズルで技術から採用まで幅広く担当している製造部の田中正之です。

日本ニューノーズルは、主にプラスチックなどの素材を加工する射出成形機の部品を製造している会社です。以下の3つを事業の柱としています。

①部品を生産・販売する製造事業
②サービスパーツを生産・販売するサービス事業
③現在進行中の新規事業の3本柱で事業

今回のnoteは、シリーズでお届けしている従業員インタビューです。製造部の石川貴史さんに話を聞きました。人当たりが柔らかく穏やかな性格でありながら、芯の強さを感じました。特に、「仕事のミスは仕事で取り返す以外の方法はない」という言葉が印象的でした。


プロフィール

名前:石川貴史さん
 (静岡県立科学技術高校出身、少林寺拳法同好会に所属)
社歴:入社14年目(中途入社)
業務内容: NC旋盤やマシニングセンターに加えて、放電加工機やワイヤカット機を使った金属加工、若手従業員の指導

転職の決め手は「見たことのない形状の製品」

―入社した経緯を教えてください。
子どもの頃にミニ四駆が好きで、モノづくりに興味がありました。静岡工業高校(現:科学技術高校)を卒業後、製造業の会社に就職しました。約10年勤務し、この会社に転職しました。転職の決め手となったのは、日本ニューノーズルのホームページで見た製品です。前の会社では見たことのない形状の製品に、一体どうやってつくられているのかと興味を持ちました。また給与や通勤時間が自分の希望と合っていたところも大きかったです。

―今までにつくったことのない形状の部品を扱うことへの不安はなかったですか?
前職と同じ製造業でしたが、これまでとは求められる製品の精度や難易度が違ったので最初は大変でした。それから、この会社は新規製品の注文が入ってくるので、新しく覚える知識や技術も多かったです。不安や苦労がある分、やりがいや達成感は大きいですね。

<複雑な形状も多い日本ニューノーズルの製品>

「一体どうすれば…」
入社から3か月は失敗の連続

―入社してから、どんな業務を担当してきましたか?
最初は前の会社で経験していたNC旋盤を担当しました。基本的なプログラムは理解していましたが、部品を加工する精度の高さとペースの速さについていけませんでした。入社してから3か月間は不良を出してやり直すケースも多く、「一体どうすれば良いんだろう…」と悩みました。同じミスを繰り返すと上司から厳しく指摘されることもありました。それでも、「粘り強く続けるしかない」と、当時は自分に言い聞かせていました。

―入社して、どのくらいの期間で仕事に慣れてきましたか?
半年、1年と継続していくうちにペースを掴めてきました。ミスを減らせるように自分なりに作業のチェックリストをつくり、担当する部品1つ1つの加工寸法や時間などを覚えていきました。不良でやり直す数や上司に指摘される回数が減り、生産のスピードも追い付いてきたことで、不安はなくなっていきました。

―NC旋盤に必要なスキルを身に付けてからは、どのような業務を担当しましたか?
入社して1年経ったくらいのタイミングでマシニングセンターを担当しました。ここでは、円筒状に加工した部品に溝を掘ったり、穴を開けたりします。初めて触る機械だったので、1から学びました。その後に担当した放電加工機も前職では経験していない機械でしたので学びの連続でした。この会社に入社して、特定の機械や工程だけではなく、知識や技術を幅広く身に付ける必要性を感じています。

<昨年度、導入したばかりの新しい機械も担当しています>

忘れられない苦い記憶
「仕事の失敗は仕事で取り返す」

―特に印象に残っている仕事はありますか?
最も印象に残っている仕事は、すごく複雑な穴形状の加工に、初めて挑戦した仕事です。加工する前に、機械でシミュレーションして刃物の動きを確認してから作業に入ります。ただ、狭くて長い穴の中に刃物を入れていくと、刃物が折れてしまう可能性があります。実際の作業が、プログラムで組んだシミュレーション通りにいくとは限りません。刃物が欠けないように部品を削るスピードを調整するなどして、慎重に作業を進めました。自分にとっては未知の領域の仕事だったので時間はかかりましたが、無事に完成した時は達成感が大きかったです。新規製品の加工は、どうすればお客さまの希望する形状に加工できるのか、工程を考える楽しさがあります。

―記憶に残っている失敗はありますか?
放電加工で製品を20個くらい不良にしてしまったことがあります。放電加工は同時に複数の製品を扱うので、プログラムにミスがあると、まとめて不良となってしまいます。加工する金属には様々な種類があり、その時に使用したのは金額の高い材料でした。複数の工程がある中で、私は真ん中の工程を担当したので、材料の損失だけではなく、前工程を担当した人の仕事も無駄にしてしまいました。

―ミスをした時は、どうやって気持ちを切り替えるのでしょうか?
仕事の失敗は仕事で取り返すしかありません。外へ遊びに行っても、頭の中には失敗した申し訳なさや悔しさが残っていて全く楽しめませんから。ミスの原因を分析して、失敗を繰り返さないようにします。今も、その時の製品を担当する際は苦い経験を思い出して緊張感があります。

<加工した製品の細部まで問題がないかを確認>

“生きる教材”先輩たちの背中を追って14年

―入社当初は苦労があり、忘れられない失敗もあった中、この会社で14年間勤務している理由を教えてください。
射出成形機業界は米国と中国の覇権争いなどで少し低迷している面はあるものの、安定していると感じています。日本ニューノーズルはルートを開拓して、新たな製品も受注しています。今までは新規製品が月に10種類ほどでしたが、最近は50種類を超えた月もありました。将来性がある会社だと感じています。それから、お手本となる先輩がいるところも長く働いている理由です。例えば、入社当時から直属の上司にあたる藤原さんと早川さんは、生きる教材のような存在です。

―藤原さんと早川さんには、それぞれどんなところを学んでいますか?
藤原さんからは、仕事に向き合う姿勢を学んでいます。自分に厳しく、大ベテランになった今も向上心や好奇心を失わない先輩です。新しい仕事にはやりがいや成長するチャンスがある一方、覚える大変さがあります。藤原さんは、どんな仕事もまずは自ら取り組みます。そして、他の部署にも目を向けて、会社として生産性を上げる方法を考えています。他の人から見たら努力と感じることも、藤原さんは当たり前にこなします。だからこそ、仕事で結果を出せているのだと感じています。

早川さんのすごさは、仕事の精度です。NC旋盤の操作に関しては、早川さん以上に技術の高い人を見たことがありません。金属を加工すると刃物が摩耗するので、製品の寸法が微妙に変わったり、加工した部分に粗さが出たりします。ところが、早川さんの加工は複雑な形状の製品でも寸法が変わらないんです。100点の仕事をしても120点を目指し、今よりも製品の質を上げるやり方を追求している姿に職人魂を感じます。

<先輩や同僚の存在も長く仕事を続けている要因>

未経験者も活躍できる
工業系・理系はアドバンテージ

―石川さんも若手に仕事を教える立場になりました。心掛けていることはありますか?
同じミスを繰り返した時など、強い口調で伝える場面は必要だと思っています。そのような指導を私自身が尊敬する先輩たちに受けてきたからこそ、今があると思っているからです。もちろん、怒声罵声を飛ばすわけではありません。最初は上手くいかないことは自分の経験からも分かっています。私は人に強く言えるタイプではないので、強めの口調で後輩を指導する時は決死の覚悟です(笑)。誰もがやりがいを持って、従業員一丸で目標に向かって結果を出せる会社にしていきたいと思っています。

―入社前に工業系や理系の知識があるとアドバンテージになりますか?
社内には工業系の高校を卒業した同僚がいます。専門用語や工具の基本的な使い方を知っていると入社後に生きます。ただ、普通科の高校や文系の大学出身も活躍しています。ある後輩は入社当時、工具に触った経験がなく、ニッパーを初めて使用する場面で、刈込ばさみのように両手で持っていました。もちろん今では片手でニッパーを扱い、機械を回して製品の加工もしています。素直さや向上心があれば、未経験者でも仕事を覚えられると思っているので、スキルよりも人柄の方に関心があります。

以上、石川さんのインタビューをお届けしました。最後までご覧いただき、ありがとうございます。次回のnoteは、社内で実施した「ロジカルシンキング研修」についてお伝えする予定です。あらゆる業種に生きる思考法で、現状の課題解決につながるヒントが詰まっています。皆さんも、参考にしていただければと思います。

■会社HP
http://nihon-new-nozzle.co.jp/

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