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イーハトーボの劇列車ー2


はあ、ブラック企業。
異動で上司が代わり、精神の消耗が激しいです。
前担当から「自分らしく」と言われたけれど、たぶん上司を尊敬できる日なんて、来ないんじゃないかな。
上司は部下に対するリスペクトがない人だから、私が悪いとは思わないけど、ともかくきつい。
そういう実態でも社長に妙に気に入られているというのが。

一月に一回、課長は、部下の業績進捗を確認して面談を行うのですが、数ヶ月放置はデフォルトのうえ、先日の朝、私が出社したら、後輩が
「昨日業績面談ありましたよ。あ、○○さんはもう帰っちゃったか、と言っていました。今日あるのかも?」と言っていて

え、そうなの?突然。
けど、めちゃくちゃ言いたいこと面談はしてほしいしな(ていうか、するべきなんだけど)。

と、待っていたら、結局無い。
どうやら私は無いらしい?

協力者の係長いわく
「○○さん帰っちゃったか、うっかり、なんて、小芝居。(私は)毎日挨拶してから帰ってるんだから知らないわけないし、大体の退勤時間も分かってるはず。

自分も全然面談されないし
少しでも面倒だと感じたら、避けるんだよ」

と、教えていただきました。

鵜呑みにしてはいけないけど、部下を守るどころか、社の決まりさえ自分のお気持ちで守らない課長…。
業務の逼迫にコミュニケーションを省略するのが課長として論外なんだけど
入社して一年もたっていない後輩に、面談がありましたこういう内容でした、なんて、共有事項を判断させ、先輩(私)に伝えるって仕事を言外に押し付けているのが…自分でそういうことを考えないのかな?
そんなの後輩が考える仕事じゃないのに。
(システムとはそんなに仕事が被ってないから、こんな課長なら要らないっていうね)

そのうち病むでしょう。間違いない。
労基署が、早く来てくれれば、良いのですが。


イーハトーボの劇列車ー2




イーハトーボというのは、ユダヤ人・ザメンコフの作った人工言語・エスペラント語において理想郷、ユートピアを意味するそうです。


第一幕は、賢治とその母親が妹を見舞うため上野行きの列車に乗り込むところから始まります。


岩手山の山男が、上野の学会に呼ばれたと浮かれて同乗していますが、汽車に乗るのに切符が必要なことを知らず、見せ物小屋のオーナーで真田紐で繋いだ女性を一人連れている男に借金をしてしまう、そんな不穏なシーンです。


舞台は病院に代わります。

賢治が妹のお見舞いに来るシーン。

エリートを鼻にかける商社勤めの福地第一郎の妹と同室です。


滋養がつくものをといって、妹は福地に食事をおごってもらっていますが、銀の蓋を取るとそれがステーキだと知り、二人は凍りつきます。


宮沢賢治はお題目「南無妙法蓮華経」と唱えながら「お前は精をつけなければならないから」と言って、妹の口にステーキを運びます。


「牛がまな板の上に叩きつけられ香辛料をすりこまれ差し出しした たった一つの命を、そんな嫌そうに戴くのは良くない」などという講釈を聞き、


福地第一郎は、ステーキが抹香くさくなるといって怒り始めます。


第一郎はまず「この世には鉱物、植物、生き物の三種類しかなく、このうち生き物は、鉱物を除いた植物か生き物を食べて生きるしかない。肉食を否定するには、人類の半分に飢えてシネという主張と同じだ」と賢治に言います。


賢治は「牛一頭を育てるのに8エーカーの飼料が必要だが、同じ土地面積で10人が一年食べるだけの小麦が採れる」と言い


第一郎は「三菱商事が食物をどんどん輸入し日本は豊かになるから大丈夫」と反論


「たとえ輸入で賄っても、世界で他の誰かが飢えるのは変わらない」と言います。


第一郎は「人間は自分が殺されたら嫌だから動物も嫌なはずだと思いたがるが、動物心理学的にそんな共感は無意味だ」と言い。


けれど、賢治の妹トシは、動物に死と愛の観念があることを示す事例をあげます。


次に、第一郎は、「人間の歯に臼歯と犬歯があるのは、臼歯で植物をすりつぶし犬歯で肉を噛みきるためだ。人間の身体が混食に適している。自然に従うのがいちばん良い」と言います。


それを聞いて賢治は

「たとえば、自分は妹を愛おしいと思う。妹みたいな子と結婚したいとすら思うことがある。けど、だからといって自然に任せて妹と男女の関係になるのが良いことのはずがない。なんでも自然が良いとは限らない」

と、反論します。


第一郎と妹は、それを聞いてみるみるうちに青ざめ、賢治に憤怒すると、部屋を出ていきました。


次のシーンは、三十郎と賢治の会話を挟み、賢治と父親の、宗教の確執がクローズされます。


賢治は父親に対して、法華宗こそ世の理、悉皆成仏を説き、ハエの命をめぐり、宮沢家の改宗を迫りますが、賢治を連れ戻すために下宿先に押し掛けてきた父親に、逆に論破されてしまいます。


法華宗の開祖・日蓮は、立正安国論にて、他の宗教が浄土を西に求めることを批判し、自分の住まう土地を浄土にするべきだと説きますが、


賢治の父親は、法華宗門下といいながら、自分の生まれ育った家が改宗しないからと家出をするのは、日蓮の教えに反している、と賢治に言います。





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