悠遠の夢

悠遠の夢

煙る冬薔薇を埋める岳より

夢の中にいる郷を望めば

断崖絶壁の海原の景、波浪は

剣の背骨背負る無言のノーム

岳を埋まる勢いで、海が来る

薔薇の棘を藁にて縋りそうでも

煙る砂しか握られぬ

熱い黄色の縄は

厄災の記憶を運んでいるだけであった


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