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VA-11 Hall-Aとことば DAY 13 「…そういうことはもっと日ごろから言ってくれてもいいんだぜ」

DAY 13は12月25日の日曜日、メガクリスマスと呼ばれる記念日で、先週に引き続きミニゲームの日曜日です。海外の映画やドラマでおなじみTruth or Dareに興じます。インディーゲームだとWe Know The Devilでの登場が思い出深いパーティーゲームです。まあ、王様ゲームのようなものですね。

12月25日 日曜日

ギルはジルの同僚で名前が紛らわしいVA-11 Hall-Aの従業員。南極らしき出自、暗殺家業のジェイミーとの繋がりや、デイナが探りを入れる諜報員じみた背景、ドノヴァンが香港での暴動で見かけたと語るなど、小島秀夫ネタをもりもり抱えた正体不明の謎多き男です。とはいえチュートリアルでカクテルの作り方を教えてくれる良き同僚であり、普段は気さくないじられキャラで、このパーティーでもおいしいポジションにいます。VA-11 Hall-Aファンの間ではよく知られた通り、最初期のプロトタイプ版の主人公でもあります。

Truth or Dareは分岐が多く、全パターンを見たプレイヤーは少ないかもしれません。このセリフは3回目の指名時に、アルマを選ぶことで見られます。ドロシーによる挑戦でギルが全員を褒めたので、代わりに全員でギルを褒めた返しのものです。いかにもギルらしいおいしいイベントですが、同じ屋根の下で働くボスのデイナとジルからの言葉はさらっとしながらグッとくるもので味わいがあるので、見たことのない方はぜひご覧ください。このような普段言わない、言えないことを言えるというのも、非日常的な場のよいところですね。

原文は「...you could always say that more frequently, you know?」。頻度を表す副詞"always"と"frequently"が両方使われており、うむむという感じです。"frequently"が文末にあるのはこれが疑問文で、特に頻度を強調しているためですね。そして同意を求める"you know?"が続くので、めちゃめちゃもっと言ってくれという気持ちを感じます。翻って訳文「…そういうことはもっと日ごろから言ってくれてもいいんだぜ」を見ると、うーんと感嘆します。「もっと日ごろから」にするか「日ごろからもっと」にするかで悩みそうな文章で、頻度を強調するとなると「もっと日ごろから」を選ぶかなというところ。このようなことで日々頭を悩ませています。

さて、メガクリスマスを過ぎるとVA-11 Hall-Aは最終章に突入します。我々もクリスマス、そして年の瀬が迫る今日このごろ、パーティーをする方も、そうでない方も、普段あまり言えてないことを言ってみるのもよいかと思います。感謝の言葉なんてなんぼあってもええですからね。自分はパーティーの予定はありません。では、お付き合いいただきありがとうございます。

VA-11 Hall-Aとことば Advent Calendar 2023 17日目


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