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ウェブとキャリアの共通点、1回の大変身より1%の変身を繰り返すのがホントの変身

にこフル2周年では、マインドフルネス寄せのポートフォリオキャリアの展望を書きましたが、私のキャリアのスタート(もう18年前)はウェブ企画屋さん(ウェブディレクター、ウェブプロデューサー)です。

キャリア寄せのnoteを多くしていきたいと思っていた矢先に、日経COMEMOのお題がやってきたので、私の変身したお話です。

エピソード1:有料から無料へ、Yahoo!動画のフルリニューアル(大変身)

2005年2月にヤフーへ入社し配属されたのは、メディア事業部ディレクション室で、動画や占い、コミックなど有料課金を扱うチームでした。

当日のYahoo!動画は有料またはプレミアム会員向けの動画配信サービスであり、韓国ドラマ「冬のソナタ」やバンダイチャンネルの「機動戦士ガンダム」シリーズが絶頂だった時。

そんな中、2005年4月USENのGyaOが完全無料パソコンテレビを銘打ち、Youtubeもニコニコ動画も存在する前の無料動画時代の幕開けです。

2005年12月に、我が身に降り注いだ、忘れもしないこのプレスリリース。
紛れもなく人生の大きなターニングポイントです。

仕事の段取りを整備した上で発表されるプレスリリースではなく、プレスリリース発表を持って、自分のこれからの仕事を知るパターンで、直後から約5か月間、仕事の時間だけではなく、生活すべての時間を注ぎました。

ウェブのフルリニューアル企画はもちろん初めて、しかも孫さん直々の指揮系統プロジェクト。。フロントエンドからバックエンド、動画プレーヤー、日本初の動画広告仕様策定、CS体制整備など、リリース直前の1か月は残業200時間、血尿が出たレベルで追いまれながらも、なんとかプレスリリースを体現できました。

私がこのフルリニューアルで最もこだわったポイントは、「動画を見る」というボタンを設置したこと。

今ではサムネイルに再生マークが表示されているのがデフォルトですが、2006年までは、ブロードバンドが整備されていないのもあって、500kbps、1Mbpsという帯域リンクをクリックするのが動画リンクであるのがデフォルトでした。

Yahoo!動画が「動画を見る」ボタンを設置して以降、ほか動画サイトも「Play」ボタンや「再生」という表示に切り替わりはじめて、動画サービスの大変身に少し貢献できたかなと密かに思っておりました。


エピソード2:ウェブ企画から人事へ、キャリアチェンジ(大変身)

2006年のYahoo!動画フルリニューアル以降、しばらく動画を担当し、その後はYahoo!ニュース、USENのGyaOを買収した新生GyaO!、Yahoo!スポーツなどメディアを代表するサービス企画を担当してました。

そんな中、2012年3月、ヤフーの経営体制が刷新される、またもプレスリリースで知るパターンです。

ヤフーの経営体制が変われたポイントの一つに、『ヤフーの1on1』著者の本間さんが人事部門のトップになったことが大きいです。

その本間さんは私がYahoo!スポーツ時代の直属の上司であり、「おい、お前も人事とか興味あるんじゃない?」と声をかけていただいたのがきっかけで、今までのウェブ企画から人事へあっさりとキャリアチェンジしました。

なぜ、あっさりとキャリアチェンジできたのか。

30歳過ぎてからウェブ企画としてのスキル成長が鈍化している気がしてたり、mixiやGREEなどソーシャルゲームの流行に追いつけなくなったり、いくつか逃げの理由も思い当たりますが、宮坂さん、川邊さん、本間さんが会社を変えるなら、何か面白くなりそう、面白くなるはず。自分も人事として会社を変えるところの力になりたいという想いがあったように思います。

右も左もわからない人事という仕事で、配属されたのが人材育成チーム。そこで本屋さんの自己啓発コーナーあたりで、ばったり手にした本が『サーチ!』というGoogle発のマインドフルネスというプログラムに出会うことに。(※この話は、エピソード3に続きます)

計画的偶発性理論にある通り、キャリアの8割は予想されない偶発的なことで決定されていることに気づきます。


エピソード3:1.01の365乗(小変身を繰り返す)

エピソード1、2はウェブとキャリアの大変身にまつわるものですが、一番言いたいことはそこではありません。エピソード3として触れるのは、noteタイトルの通り、小変身を繰り返すのがホントの変身ということです。

『イシューからはじめよ』『シン・ニホン』の著者、安宅さんに教えていただいた中で、一番響いているのは、この式です。

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とっても衝撃ですが、1%の繰り返しの差は、計算の通りです。

私自身、毎日1%ずつ成長できているとは思えませんが、、思い返すとこの数年で少ーしずつの年輪的な変身の実感があります。

2012年夏、『サーチ!』を手に取る
2014年10月、Search Inside Yourself コアプログラムを受講
2016年夏、ヤフーアカデミアで「メタ認知トレーニングを」開始
2016年秋、社外向けオフィスツアー兼マインドフルネス体験会
2017年、ヤフーアカデミア生以外でもオープンプログラムで展開
2017年、マインドフルネス・メッセンジャーズで展開
2018年、ヤフーの地域拠点でもテレビ会議で展開
2018年、マインドフルネスの社外展開(無料)
2019年、マインドフルネスの社外展開(有料、個人事業)
2020年、Zグループでもオンラインプログラムで展開
2020年、ヤフーグループ以外でも展開できるよう、さすらいのマインドフルネス・メッセンジャーへ

また、年間100回、累積7000人の実績を積み重ねる中で、毎回のスライドは何かしら表現や工夫をこらし、一度使ったスライドは二度三度使うことはありませんでした。社外の講演や取材も、同じネタは使えませんので、外に出る機会が多くなるほど、マイナーアップデートを重ねざるをえません。

あくまで、私個人のキャリアの一例ですが、1%ずつの改善によって、手が届く半径が、少しずつ広がっていく感覚がありました。


話をウェブとキャリアの変身に戻しますと、

近年のウェブやアプリ開発は、グロースチームなるものがいて、とにかくPDCAを高速回転して改善し続けることが求められます。日々の細かな改善効果は大きなリニューアルに勝るものであり、一発大逆転のフルリニューアルはあまり求められていません。もし大幅に刷新するリニューアルするとしたら、「改悪だ」「元に戻せ」クレームは後を絶たないことを覚悟し、その後どれだけユーザの声に耳を傾けつつグロースさせていくかどうかです。

また、キャリアも職種転換や転職などいきなりガラッと変えるよりは、これからの時代は、主務兼務、副業兼業など、徐々に片足ずつ重心をずらすようなキャリアの積み方が求められているようです。自分の役割を少しずつはみ出していく、小さなリーダーシップを発揮していく。その積み重ねでしかキャリアは形成していないのではないでしょうか。


最後に、日経COMECOからの問いです。
「そもそも人生に変身は必要か? 変身するには何が必要か?」

変身する必要あるかどうかは人生の主人公である本人次第だが、変身したいなら1%変身の積み重ねが必要です。ウェブとキャリアは同じ構造であり、日々のグロースがホントの変身です。

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