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第4章〜ダブルダッチ教育家計画1年目、イベントリベンジ〜

失敗から学べることは多い。初めての会社でのイベント企画失敗から残り半年の間にもう一度リベンジを決心し、開催の許可をもらうために、これまで何度も壁を越えるために行ってきた「あらゆる分析」を始めました。

売上を上げるために必要なのは、基本的には「客数」と「客単価」です。まず店舗内の「客数」を上げるために行ったのは、「ターゲット分析」です。店舗に来店しているお客様の年齢層・カテゴリーを曜日・週ごと、月ごとの比率を過去5年間に遡り分析しました。

調べるとアミューズメント施設なので、ファミリー層がダントツで多いのですが、それに次いで、10〜20代のカップル、近年ではフィギュアの精巧化が進み、20〜40代の男性が多いことも理解しました。時期的には夏休み期間が一番でしたがこの時すでに季節は秋でしたので、開催時期を春休みに設定しました。

次に行ったのが、「流行分析」。アミューズメント施設は、その年の流行に左右される傾向が強く、キャラクターもの、ゲームなど常に最新の情報を把握しておく必要があります。その時期に一番人気だったもの、またネット情報から春にやるアニメや、漫画などの情報を先取りして予測し、その商材をリストアップしておきました。かなりの量のアニメや漫画も読んだので商材のPOP作りや陳列などもその商材の背景に合わせてつくれたので役に立ちました。

続いて「店舗内導線分析」。置いているゲーム機器、商材の配置によって売上は天地ほどの差が出ます。これは利用するお客様の心理を誘導するメンタリズム的な要素もありますが、王道として主導線の入り口付近に誰でも獲得できるようなクレーンゲーム商材を入れておき、そこから獲得しやすい商材を主導線沿いから副導線に流して行き、店内奥まで誘導して滞在時間を伸ばしていく。「この店舗はお客様にとって優良だ」と思っていただけるように計算して配置していきます。これも今までの配置データが残っていたので、それを一つ一つ入店率・滞在率を見ながら、開催時期に適したレイアウトを組む計画を進めました。

今度は「客単価」に関して、店舗内で必要だったのが、「稼働率分析」です。どんなにいい商材があっても、その商材の力に頼っている状態になってしまうと、『なるべく安く取れればいい』という心理になってしまいます。そこで、既存ゲーム機の遊び方の常識を壊すことにしました。今回はクレーンゲーム機に特化して考えます。

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優先順位一番は「陳列」です。人間は第一印象見た目6〜7割と言われるほど視覚情報に頼ります。見た目が楽しそうだと試行意欲も掻き立てられると思い、陳列には色々気を遣いました。突っ張り棒を使ってぎっしり詰め込んでみたり、違うアニメ同士のキャラクターが闘う構図を表現してみたり、一度遊ぶと特典映像が流れる仕組みを作ってみたり、、、自分が『やってみたい!』と思うブースを考えていきました。

次に「ギミック」です。クレーンゲームは、基本商品を掴んで出口まで持っていくゲームです。その基本的な遊び方で一番嬉しい瞬間が「持ち上がって動いている瞬間」です。そこに特化して「100%掴めるクレーンゲーム」を考案。クレーンの爪に滑り止めテープをつけて、確実に持ち上がるようにアームの力を100%の強さに設定。それだけだと毎回取れてしまうので、出口に商材に合わせた仕掛けを設置。箱ものだとゴムをつけることで、落ちた瞬間アクロバットな動きをして外れるなど。

当時はこの一連の動作が面白いと会社の紹介にも載ったほど人気になりました。今では色んなアミューズメント施設で色んなギミックがありますが、2009年以前は僕の調べですとあまりなかったように思います。こういったプレイすること自体に楽しさを見出すことを意識して、機器の魅力アップに力を注ぎました。

店舗内はこれで準備完了。次は「店舗外」です。

店舗外からいかに集客に持ってこれるか。これは前回の失敗の最大の要因でした。そして今回行ったことは以下の2つ。

①自店舗・他店舗・お客様とのWIN-WIN-WINの関係

②開催イベントの共同主催

③商業施設外へのアプローチ

話すとかなり長くなってしまうので、ここは割愛します。とにかく関わる人全員が笑顔になれる方法を考えて準備していきました。

まとめると以下の形になります。

<店舗内>

・「ターゲット分析」で店舗の目的・ニーズを理解

・「流行分析」で社会の流れを先読み予測

・「店舗内導線分析」でより長く滞在しやすい空間を目指す

・「稼働率分析」でより楽しめる空間を目指す

<店舗外>

・「ALL WIN」の関係を築き、イベント後の運営円滑化を目指す

・「共同主催」でリスクもコストも半分に

・「施設外アプローチ」で市内の認知度アップ


当時23歳の自分にできる限りの分析と準備をして、企画書にまとめて店長にプレゼン。色々と確認は必要だったものの、無事に開催許可をいただきました。

そして、イベントリベンジ当日、結果だけ言うと、イベント集客率96%、売上前年比125%の大成功でした。ここでようやく初めての「成功体験」を得ることができました。

このイベント企画を通して、学んだことは「成功するためには分析する努力が必要」ということと「関わる人に同じ想いを持ってもらうこと」でした。

ここがイベント運営をする上での僕の原点です。ここから会社にいる間に大小様々なイベントを行い、自身に経験とデータを蓄積しました。

ここで社会人1年目は終了。2年目は場所が変わり、四国は香川県高松市に転勤です。そこでも濃い1年間が待っていました。

次回、第5章〜ダブルダッチ教育家計画2年目、生活環境の差〜に続く


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