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技術士二次試験の勉強実績

過去の記事の中で、私の技術士二次試験の勉強時間は筆記については100時間程度ということを記載していました。Web上の情報を色々と調べてみると、この実績はかなり少ない方だと思います。

勉強方法や手順については他の記事の中でかなり細かく書いたつもりですが、具体の勉強時間の内訳などもう少し細かい情報も整理していたので、そのあたりも参考として記事にしてみました。
過去の記事と被る部分もありますが、それは重要な箇所だと思って頂ければ幸いです。

記事の対象

  •  管理人の勉強時間の内訳(実績)に興味がある方

  •  最低限、どの位の勉強時間が必要か知りたい方

  •  技術士試験の勉強のコツを知りたい方

記事を読んで得られる知識

  • 1回の論文執筆練習に掛ける時間(準備、復習)

  •  管理人の勉強方法(チーム勉強会の使い方、運用方法)

  •  管理人の勉強時間の確保法

1.筆記試験の勉強法とその内訳

筆記試験(論文)の勉強は、一つのテーマ毎に次の手順で行います。
①    情報収集
②    骨子作成
③    論文作成
④    論文添削
⑤    情報収集
⑥    骨子修正

学校の授業に例えると、①~③が予習、④が授業、⑤⑥が復習、です。

私が作成した、骨子&答案のストックは12本で、うち3本は友人から共有してもらったものを含みます。
 (一般:4題,専門A:3題,専門B:5題)

<補足>
直近4年間の試験問題を見ると、私が受験した当時(2011年)と比べて従来の専門A(包括課題)の比重が増えています。この結果、細部技術に関するウエートが下がっているので、対策はし易くなると思います。(包括的な視点での課題のウェイトが大きくなったので的が絞りやすい。)

2.勉強会

勉強会は色々な面で助けになる

当時、私が所属していたグループでは、毎年4月末~6月に技術士資格を所有する上司や先輩が、技術士試験の為の勉強会を開いてくれていました。
例年4~6人の若手が技術士試験を受験する環境で私が受験した年は5人が受験しました。

<勉強会の概要>
・1~2週間に1回の頻度で計5回開催
・初回は論文作成の基本について説明
・事前に準備された題目に対して、各メンバーが論文案を作成
・勉強会当日は、作成した論文のコピーを出席者に配布
・講師になる上司等が模範解答を配布
・各回で1~2名分の代表論文を取り上げて、添削
・終了後、全員の回答と骨子は共有サーバで共有
・各自で骨子等を修正(復習時間は個人による,私は3h程度)

勉強会では毎回添削してもらえるわけではなく、事前に提出がされた答案のうち1~2名分の答案について改善点を説明してもらえるというものです。

ただし、添削と言っても先輩もプロではないので、説明不足箇所や冗長な箇所の指摘、論文構成の飛躍、基本的な構成確認にとどまるため、添削自体はおまけ要素と認識していました。

私の場合、グループ勉強会の主な恩恵は、次の5点でした。   
メリットが大きい
ので、会社で勉強会やグループが作られている場合は、参加することをお奨めします。

  1.  強制的に勉強する機会がつくられる

  2.  仲間の存在がモチベーションの維持に役立つ

  3.  仲間と答案を比較することで、自分の論文の改善点が見えてくる

  4.  仲間と骨子を共有することで、効率的に骨子がブラッシュアップされる

  5.  仲間と骨子を共有することで、効率的に手持ちのネタが増える

3.個人学習

勉強時間のメインは個人学習

勉強会は非常に効果が高かったですが、4題だけでは演習量が圧倒的に不足するため、個別学習での補強は不可欠でした。

勉強会は情報交換や添削の場であり、実際に資料を読んだり、骨子や論文を作成するメインの学習は個人学習になります。

勉強会で扱ったテーマは必須科目3題、専門A1題の計4課題だったので、必須科目で勉強したテーマを専門科目への落とし込みをすることで、論文ストックを増やしていました。

※ 「専門科目への落とし込み」
一般課題で狙われそうな課題(当時は長寿命化、耐震性能、震災復興、超過外力、ICT)の論文を元に、専門分野(例;河川、土質、道路等)に限定してより具体&詳細な課題と対策に落とし込んだ論文を作成する作業。

4.勉強時間(実績)

小論文作成練習は先に説明した①~⑥のステップで次のように時間を使っていました。
①    情報収集   2h
②    骨子作成   0.5h
③    論文作成     1h
④    論文添削     1h
⑤    情報収集   2h
⑥    骨子修正   1h

初めてのテーマの場合、1つのテーマで8時間程度の時間を掛けました。
必須課題のテーマは類似の問題もあるので少ないものだと5時間程度で①~⑥まで終わっていました。

私の骨子ストック数は12個でしたが、友人から骨子だけもらったものも3つ含まれているので、勉強時間は80時間くらいだと思います。

そのほか、当時は月に2,3回出張があり、移動時間などで白書や技術書等の情報収集に充てていました。が、、、毎回頑張れるわけもなく、多くて20時間くらいでしょうか。

以上より、勉強時間の実績はトータルで100時間を少し切るくらいだと思います。

5.勉強時間の確保方法

朝活がおすすめ

勉強時間の内訳は概ね次のとおりで、土日に4~5時間/週、平日は1時間/日くらい勉強していました。平日は出張日や飲み会の翌日などは出来なかったので、平均すると週に3日ほどです。

よって、机での勉強時間は1週間に7~8時間くらいだと思います。
GWは妻と旅行に行っていたので机では勉強してませんでした。たしか、申請書を書いていたような記憶があります。(2011年頃はGW明けが申請書の〆切でした)

本格的に、勉強会が始まったのもGW明けからだったので、そこから以下の流れで勉強をしました。
土日のどちらかで、骨子、論文作成を行い、1週間掛けて復習や骨子の作り直しをする感じです。

土日…①~③の予習 or ⑤⑥の復習
平日…就業後(勉強会1h/1-2週)④
始業前    1h/日    ⓹⑥の復習 (週3日くらい)
移動時間 1~2h ⑤⑥の復習

※ 実際は出張などで予定どおり進まない週も出てきます。そこはしょうがないです。

復習や骨子修正は細切れ時間で勉強しても良いのですが、②③(骨子作成~論文作成)の作業だけは一度に実施する必要があり、1.5~2.0hを確保する時間が必要になります。

業務が忙しい方は、中々まとまった時間を作るのは大変ですが、私は土日のどちらかを早朝5時に起床して6~9時くらいまで勉強していました。(日曜が多かったと思います。)
平日も朝の始業前に勉強していたのですが、朝は脳機能が最も活発に動くので勉強するにも効率が良いようです。
 
激務でどうしても夜が遅くなるという方だと難しいのですが、20時位までに退社できることが多い人なら、実践可能ですので是非試して見て下さい。 

私も数年前に博士号を取るために学位論文等を執筆する際に、朝活で対応していました。当時は2人の子供が小さく手が掛かる時期でしたが、なんとか時間を捻出できました。

6.おまけ(技術士の受験経緯)

私が技術士を受験することになった経緯などを綴ってみます。

私の入社した会社は事業者(=発注者)だったので、先輩の多くは「定年を迎える迄に、技術士を取れれば良い」という人が多く、私も「管理職になったら取ろう」くらいに考えていました。

入社7年目に2010年に国の研究機関に出向するのですが、その時点ではどこにでもいる普通の技術者の一人だったと思います。
出向先には建設コンサルタントからの出向者が多く、若手技術者の育成も兼ねて2.で記載した技術士試験の勉強会が開催されていました。

このため、技術士に興味のなかった私も、自然と周りの同僚と一緒にこの勉強会に参加することになりました。

当時の私は技術士一次試験すら受験してなかったので、2010年は一次試験を受験し、2011年に二次試験を受験することになります。

勉強会がスタートする2011年4月下旬から受験勉強を開始し(本格的にはGW明けから)、78月(すみません、7月末だと思っていましたが、8/7でした)の筆記試験、12月の面接を経て、無事、技術士資格を取得しました。

まとめ

私の技術士二次試験(筆記試験)の勉強実績について紹介しました。
勉強手順や掛ける時間などは参考になったのではないでしょうか。

過去の記事の中で、勉強方法や論文作成の基本事項をもう少し詳しく説明しているので、未読の方はこちらも参考にして頂けると幸いです。

テクニカルな部分は、私が意識していたことは別記事を作成中ですが、その中で説明する論文作成の型をマスターしていない人は、一度は添削をしてもらう機会があると良いです。

特に初めて受験する方や過去の受験でA判定を取れた論文がない(=論文の熟度と判定の関係性が体感として理解できていない)人にお勧めです。

添削は周囲に技術士資格を持つ先輩技術者がいれば、その方に相談すると良いでしょう。相談できる先輩技術者が周囲にいない場合や、独学で厳しいと感じている場合は指導セミナーを受講してみるのも選択肢としてはあるでしょう。

ここまで、読んで頂きありがとうございました。


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