月がきれいな夜

ふと見上げると空に
小さく白い穴があいていて
こぼれるように照らす光に
あなたがいるような気がした

昔の人が言った有名な言葉がよみがえる
「月がきれいですね」
今なら少しわかる気がする
きっと伝えたい存在があるということ

たとえばおいしいレストランを見つけた時
きれいな風景の場所を知った時
あなたに教えてあげたいと思う
きっとそこにあなたの命がある

あなたのいない幾星霜
もう見せることもできない世界で
頭の中にあなたの命をつくる
はたから見れば意味のない行為

日常のあらゆるところに
あなたの存在が宿る
月がきれいな夜も
そうでない日も

(2024.4.26.11:21)


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