悪癖

何を書いても意味を持たない気がして
押し黙ってしまう毎日
溢れ出る言葉たちが連なっているのに
信じてあげられないのは
今に始まったことではないけれど

小さな箱庭みたいな言葉の枠
その中をいくら彩ってみても
取り繕っただけに見えてくる
覗いては閉じてきたその世界は
誰のためなのかもわからない

諦めてしまったのだろうか
どうしたって届けられない言葉を
繰り返す譫言は今もぼくを
執拗に追い回しているのに
何も言えないまま今日が朽ちていく

ぼくの胸に住む自我理想が
言葉を検閲してはせき止める
書き綴る言葉はいつも行き止まって
なんだか息苦しくなるのは
そのせいなのか

意味などこの手を離れてしまえば
大したものではないと知っている
だけど信じてあげられないのは
今に始まったことではなくて

(2024.3.26.12:57)


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