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タブレット端末を使っていれば、いい授業になっているわけではありません。子ども一人一人が適切な形で学習が成立しているか、そこを見て先生達にアドバイスしましょう。

生活科の学習でタブレット端末を使って、アサガオの写真を撮り、アルバムにして成長記録にしていく。いかにも学習している雰囲気がします。
ICT先進校でもこのような学習を見ることが少なくありません。

しかし、校長としてこうした学習に騙されてはいけません。

ICTが苦手な校長であればあるほど、タブレット端末を使って授業をしている姿を見ると凄いことをしていると錯覚しがちです。


こういうときは先生に次のように質問してみてください。
校長「なぜ、タブレットでアサガオの写真を撮っているの?」
先生「アサガオが葉が増えたり茎が伸びたりして大きく成長していることに気づかせるためです。」
校長「生活科のこの学習の目標は何かな?学習指導要領ではどのように示されているのかな?」
先生「‥‥‥‥‥」

⑵ 「思考力,判断力,表現力等の基礎」に関する目標
⑵ 身近な人々,社会及び自然を自分との関わりで捉え,自分自身や自分の
生活について考え,表現することができるようにする。

【生活編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説

もし生活科の目標がわかっていれば、タブレットで撮影して成長記録をとっていくことだけではなく、他の手立てを講じているでしょうし、校長にもそのことを説明できるはずです。

この場合、生活科では「自然を自分との関わりで捉える」ことをしなければなりませんし、そのことを表現できるようにしなければなりません。例えば、葉っぱの大きさを自分の手のひらと比較して大きくなったといった自分の身体との比較が必要であり、そのことを表現させる必要があるのです。

また、このことは算数の大きさくらべにも関連していき、まさにカリキュラム・マネジメントです。

東北大学の川島隆太教授が勉強にICTを使うことは脳の発達の阻害につながると警鐘を鳴らしています。
今、何でもかんでもICTを使おうとする先生がいます。まずは使うことによってアナログにすべきかデジタルにすべきか見極めようとしている先生は構いませんが、ICTかぶれしている先生は危険です。

人間の思考力や判断力、表現力を培うのに大切な役割をしているのが「脳の前頭前野」と言われています。「脳の前頭前野」を働かせるには実際に手を動かすことが必要であると言われています。ただし、タブレットやゲーム機を扱っても「脳の前頭前野」は働かないという医学的な結果が出ています。

こうしたことから考えても、小学生のうちはタブレット端末を中心とした学習ではなく、自分の手を動かして学習を進めることが重要です。

タブレット端末を毛嫌いして使わない教員も問題ですが、ICTかぶれして何でもかんでもタブレット端末を使う教員も問題なのです。


そのあたりを校長としてしっかりと見極めて、適切なアドバイスをしていくことが必要です。

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