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ウサギの番付表を観に東京ステーションギャラリーに行き外国人観光客を想う

動物をモチーフにした江戸時代くらいの作品を集めた展覧会が開かれていたので、ふらっと行ってみた。

雑学として「かつて、日本にはウサギ税という税金があった」という知識はあって、どれほど流行したかというと、ウサギの番付表が作られるほどだった。ということは知っていたんだけど、でも、日本美術史で、あんまりウサギが偏愛されているような作品を見たことがないんだよね。

日本のウサギブームが描かれた作品も見られるということで、東京ステーションギャラリーに行ってみた。

ウサギはいつでも人気者

撮影禁止の展覧会だったので、興味のある人はぜひ会場でご覧いただきたいんだけど、やはり、ウサギは一時期大ブームだったらしい。
毛並みや姿形の違いを詳細に書いた作品もあったし、噂の番付表も見ることができた。大満足だ。

ふと見ると、日本に来ていた外国人が当時の日本の様子を描いた作品もいくつか並んでいて、それも興味深く見た。
美術の授業で習った通り、空間の表現方法が全然違うっていうことが改めて発見できた。次の二点の作品をご覧ください。

明治15年作
明治16年作

同じ時代の作品で、似たような状況が書かれてるんだけど、目の前の景色をこんなに違った捉え方で見てるんだってことがすごい。
価値観や文化が変われば、見えてる世界も変わってくるんだってことだな。

今を生きる僕らは、やっぱり、トイプードルとかが高級な動物で、反射的にわー!かわいい!!って思うけど、ウサギは(まぁ、かわいいけど)トイプーではないっていうか、あぁ、ウサギだなっていうふうに見る。

でも、ウサギブームの真っ最中の人たちは、僕らがトイプードルを見つめるような眼差しで見てたんだろうね。
少し昔の絵を観るだけでも、多様な価値観があるっていうことに気付かされるね。

東京ステーションギャラリーから一歩外へ出ると、そこは東京駅だった。
外国人の観光客が多い。日本人より多いかもしれない。
みなさん、写真を撮ったりして楽しそうにしている。

でも、あの人たちが見ている東京駅と、僕が見ている東京駅が同じものかどうかは、誰にもわからないぞ。

まさに、玄関口。

かわいい動物の作品を見つつも、文化の多様さを体感できる東京ステーションギャラリーへどうぞ。


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