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スネークオペレーター〜特別諜報捜査官〜#18

前回までのあらすじ
高速道路の佐原サービスエリアから、トレーラーの運転手中井が北朝鮮の諜報員と組んで何かを運んでいるのを発見。佐原SAの地下に基地があるのを突き止めたヤスとアルフレットは、侵入を試みるも拉致されてしまう。地下の基地から運ばれているのが飛行機の形をしたドローンMQ9であることを知る。拉致され飛行機の形をしたドローンと一緒にコンテナに閉じ込められ運ばれるヤスとアルフレット。一方暴露系ユーチューバーナンシーは、北朝鮮の上の人に聞いた情報やと言って、舞浜にあるテーマパーク、ハッピースターパークには危険なことがあるから、7月9日に誰も近付くなと宣言するも、再度、危険な日が早まったことを配信する。


〈第十三章〉

赤坂の北のアジトでは、ミニバンに乗り込んだ傭兵5名が、マシンガンなどを重装備。戦争さながらの枯れ草色の迷彩服を着て、東京ハッピースターパーク入り口方向に舞浜の駅あたりから、威嚇射撃をスタートさせるべく出発するところであった。
運転手はネネだった。ネネは大きな駐車場で見届け役と終わり次第成田に傭兵たちを連れて行かねばならない。
一応、サポート役に英語がネイティブな北の人間と2人だ。上田はアジトで留守番らしい。上田からは、北朝鮮本土から発射されるICBMの情報やどこで誰がドローンを捜査するのか不明でそれを調べてもらってる。
赤坂には、それらしいパソコンやジョイスティックと言った操作装置が無いらしい。宗がドローン操作をするのではないかとピッタリマークしているが、そのようではないらしい。
筑波に行けば分かるのだが、皆んな手が塞がっていて確認できない。

ヤスとアルフレッドが命からがら基地に帰って来た。
一応、拉致されたのだから命からがらだろう。ボルボトレーラーはオペレーターであるヤスを待っていたかのように暖気運転をして、準備完了していた。
台車には、多分日本人は見た事ないであろうPAC3のトレーラーバージョンだ。ちゃんと操作するタブレットは助手席のアルが持っている。
さぁ、出発だ!ユーチューバーのナンシーが配信したおかげである程度は、困難が見られたが、野次馬の方が凄くて、東京ゲートブリッジは情報漏れたのか、予測したのか若洲側も新中坊側もテレビ局の中継車が渋滞するくらいマスコミが山ほどいる。

その中をボルボトレーラーがPAC3を連結した見た事ない姿を撮影しようとフラッシュが凄かった。
誰よりも先に情報を得た矢﨑社長は2号車のミリタリーオタクの沖田さんと3号車の春山に連絡、若洲と新中坊の方の2箇所。東京ゲートブリッジを封鎖した。
どちらも車一台通れる様にパイロンを用意して、そこからPAC3を入れる様にしたが、PAC3を引っ張ってパイロンをのけてもらっても前に人がはだかって交通整理しないと入れないトラブルもあったが、ゲートブリッジの頂上付近に着いて斜めにくの字になるよう停車。
台車もヘッドにも足が付いているので、全部足を出して固定した。
韓国からも最近は尹(ユン)大統領になってから情報交換もしてくれてICBMの発射地点を正確にしレポートしてくれる。現在発射準備で間違い無いとの情報ももらっている。

アルが少しICBMの勉強はしていてあんまり詳しくは無いが、隊のミサイルAIが確実に打ち落とすと言っているらしい。
お願いしてるのは、撃ち落とす場所を必ず海上にしてくれと言ってある。
気象状況にもよるが、今日なら間違いなく海上に落とせるとAIが言っているらしい。
到着して、PAC3の足を固定し発射日を自動で上げ時計方向で言えば3時方向へ向いて待機した。タフブレットではまた待機となっている。AIも日本語で

「大気圏外にICBMがまだ届いてません。発射地点は確認済みです。安心してください。」

と女性の声で言う。
その時、新中防方向から凄い声援とカメラのフラッシュが俺たちの時より凄い。なんと PAC3を引いて来るかと思った呼びで頼んだミサイル。
なんとハイマースだった。日本では初めて見る代物だ。しかもボルボトレーラーを運転して来たのはミミだ。ヤスが

「何やってんだ、あいつ!」

5号車の杉山の車で引っ張って来た。ってか、免許は?いつの間に取ったんだ。
助手席に矢﨑社長が付き添っている。
今、テレビでどんな放送してるんだか?PAC3が来たと思ったら今井ミミの彼氏じゃねーか?ってなって、その後に見たこともないハイマースを引っ張って今井ミミが運転して来た。
これはパニックだろマスコミ・・・(笑)

1号車と同じように少しだけ離れて停車し、5号車のハイマースは矢﨑社長が担当することになったようだ。今、一生懸命足出している。ミミが走ってヤスのところへ来た。マスコミが望遠で捉えているのに抱きついた。
ミミがポケットから免許証を出す。大型・牽引が付いている。
あれ〜取れたっけ?とミミに言ったら

「それは・・多少はエリー様の力もあるわ。でも、ちゃんと合宿免許で試験受けたもん。国のためなら力になる!」

「ミミ、これしかもハイマースだよ。日本で誰もこれを引いたトレーラーいないと思う。ってか、めっちゃカメラ居なかった?」

「うん、気持ち良かったー!あとでテレビ見てみよ!」

と嬉しそう。ヤスが

「耳栓かヘッドホン持って来たか?」

ミミがポケットから耳栓を出した。ヤスがヘッドホンを持って来た。

「これしとけばアルと俺と矢﨑社長と話せる。」

嬉しそうに遠くからカメラ回ってるけど、ヘッドホンもカッコいいかも。

「えっ、そこ?」

ってなってる時に連絡来て、ヘッドホンからAIの声がする。ミミが

「女の人居るんじゃん!誰この人?」

って、焼きもち焼いて言うと皆んな笑った。AIが

「私は特別諜報捜査隊の作戦班AIです。名前はまだありません。」

それを聞いて、また皆んな笑った。ミミが

「そうなんだぁ〜今度考えとくね。」

とミミが言うと教えてないのに

「ありがとうございます。ミミさん!」

ミミが驚いて

「えーっ、何でミミって知ってるの?」

って聞くと、AIは

「今井ミミさんは超有名ですから誰でも知ってます。あっ、ところでICBMが北朝鮮の発射地点で点火してカウントダウン中です。」

「ミミ、AIのことはあとにして仕事始まったから、シーッね!」

するとミミが、小さい声で

「りょうかい。」

アルがニヤけてた。AIが

「北朝鮮のICBMが地上を離れました!」

「今のところ順調です。大気圏外まで12秒程でしょう。」

その頃、黄が組み上がったドローンMQ9を2機筑波サーキットのバックストレートおん第一コーナー付近に並べて停めた。ハングル語でスマホで言う。

「これでいいのか、準備完了。」

相手から

「了解、しばらくそのまま待つように。」

とのことで待つ。いつでも飛び立てるようだ。

 ICBMが大気圏外に出たようだ。これから降下してくる。
ゲートブリッジの部隊が動き出す。PAC3の向きが上下左右に調整しながら動き出した。AIが

「間もなく大気圏外から出て日本方向に向かって来ます。本日の大気の関係、風の関係上あと10秒ほどで発射します。8,7,6,5,4,3,2,発射!」

ドゴォォォーーーン!!

物凄い反動と爆音でPAC3が飛び立って行った。ゲートブリッジが小刻みに横揺れしている。見えなくなるまで見ていたら、AIが

「北朝鮮の違う発射地点からICBMのロケットに発射用意の点火が確認反応いたしました。」

続けてAIが

「1発目のPAC3、あと10秒で迎撃地点、 8,7,6,5,4,3,2,成功!落下地点は西の方に流れるので確実に海上です。引き続き任務遂行します。」

めちゃくちゃ拍手が湧き上がっていたが、それも束の間、2発目が発射準備している。喜んでられない。AIが

「2発目のICBMはさきほどの報道より西よりに上る予想。発射した模様です。大気圏外に突入するまで20秒程かかると思います。」

再び、AIが

「ICBMが大気圏外に出ました。現在、緯度経度を測定中」

筑波サーキットに動きがあった。ハングル語で話していた黄が

「了解!」

と言った途端に1台、また1台とバックストレートを滑走路代わりに全長10m程度の大きい飛行機型のMQ9が飛び立って行った。黄が

「あとは頼む。」

と言って撤収して行った。宗に連絡して

「そっちも頼む!」

と言う。


ICBM2発目もAIによると迎撃点が決まったようで

「発射10秒前8,7,6,5,4,3,2,発射!」

ズドーンと爆音爆風をさせて飛んで行った。
PAC3が見えなくなるとAIが

「レーダーが感知しました。こちらに向かっている模様ですが、暖気飛行なのでしょうか、方向が逸れて行きました。しばらく監視します。ただいま、2発目のICBM迎撃しました。落下位置も問題ありません。」

AIの声を全国に放送しているのか、凄い歓声が聞こえる。AIが再び、話を始めた。

「PAC3の任務完了いたしましたが、2機のドローンMQ9型が飛行中ですので迎撃準備のため、ハイマースのAIシステムとコネクトします。しばらくお待ちください。」

と言いながらPAC3の発射口が収納された。画像を見ていたのか拍手が聞こえる。AIが話し始めた。

「ハイマースシステムとコネクトしました。ハイマースで良かったです。ただいま、飛んでおります。ドローンMQ9はレーダーを目安にして操縦していると思われるので、PAC3ではレーダーに写るので避けることが可能です。ハイマースは超低空飛行が可能なミサイルです。なので、レーダーには写りません。ただいま飛行中のドローンMQ9を低空から撃墜したいと思います。」

今の部分は全国の放送には乗っていない。
他にもハイマースは目的物を追いかけて追撃したり、色んな使い方があります。今、聞いた話ですが、韓国から迎撃の正確さや凄さを素晴らしいと褒めていたそうです。

AIに聞くと、MQ9ドローンは電池式なので、そんなに長く飛んでいられないので、もうそろそろ戻ってくると予想していた。
「ハイマースシステムを稼働します。スターパークの方向に追撃するように近くに来たら撃墜するよう心がけています。海上で撃墜します。」
と言うと、ミミが連結して来たハイマースが動き出す。しばらく待つ。

一方、突然の配信予告でパニックになったハッピースターパークでは、18時頃には、館内放送の放送室を乗っ取られ、職員に館内の全員を舞浜の駅まで出るよう促し、従業員も全員外へ出てもらった。
場内を傭兵たちが確認し、人が居ないことが確認出来たら、18時30分〜18時40分には来たミニバンで成田へ向かって行った。
運転は北の英語のネイティブな人でネネは電車で帰ると言って残ったとのこと。
ネネは2台のタブレットを持って、ハッピースターパークの海沿いのアトラクションの高い海の見える場所に居た。
ネネの居る場所から東京ゲートブリッジも見える。現在MQ9の2機はウォーミングアップのために少し回り道をしているがスタンバイOKなので、こちらの方に向けている。
ネネはPAC3でICBMが2機とも迎撃されたのも知っていて、次はハイマースだと言うこともテレビで確認済み。
ハイマースのこともネットで調べた。早くこっちに向かわせないと迎撃される。この際、2機しかないし本来は、ICBM2機、ドローンMQ9を4機でスターパークを更地にしようと考えたのに。あのヤスのせいで・・・と、あのヤスが今井ミミと付き合っているとか。
今日はテレビでハイマースを今井ミミが持って来たり、ヒーロー気分みたいなので何もかも気に入らず、北のやつらの言うことを聞かず東京ゲートブリッジに着弾点を2機ともセットした。ここから拝ませてもらう。
今、レーダーによると、九十九里浜先まで飛んで行ってるから、東京ゲートブリッジにセットして命令送信した。あとは待つだけ。
爆弾も4機分を2機に載せた。ふふふと思いながら、東京ゲートブリッジを見たら、あれ?ハイマースが逆向きに発射された、続けて2機。テレビでもあれどうしたんだと他にも何かあったのか?と。
ネネもどうしたのだろうと考えても何なのかさっぱり。MQ9は電池がちゃんと消費を考えてエコモードで飛んでいる。レーダーと飛行速度、高度も完璧だ。

ゲートブリッジではどうだろう。
AIが言うには海の上に落とすには、海の上でないといけないと言うのは当たり前。ハイマースは追撃システムと低空飛行システムがあるので、相手の操縦者に気付かれないように撃墜しなくてはならない。
ハイマースを全然逆の方向に発射し油断させて、レーダーで追跡して海の上で撃墜すると言うトリックを使った。
ネネは、近づいて来るMQ9が急にレーダーから消えると言う現象にある訳だ。それを知らないネネを横目にAIは

「ただいまMQ9の後方を低空飛行しています。現在地はもうしばしで陸地が見えるところまで来ますので、上昇して撃墜します。10秒前,8,7,6,5,4,3,2,撃墜しました。」

ミミが

「やったー!凄いねアイちゃん!」

あちこちでやったー!と聞こえる。テレビでも大喝采でミミとヤスが大ヒーローだ。

「ってか、ミミ、アイちゃんって誰?」

とヤスが言うと

「AI、そのまま読むとアイちゃんでしょ。ねっ、アイちゃん!」

AIが

「私はアイちゃんですか?もっと可愛い名前じゃだめですか?」

とミミは言われているのを見てヤスがめっちゃ笑ってた。
警戒解除となって、とりあえず一安心した。東京ハッピースターパークは隅々まで警備し、何も無ければ明日から通常営業する予定だそうだ。

ハイマース、PAC3をシステム終了して、ボルボトレーラーの足場を全て自動で上げて帰る用意をしながら、ミミが来て

「ヤス、お疲れ様でした。大変な仕事だけど、頑張ってね。私もそうだけど日本も守ってね。」

と言いながらキスをした。ヤスも

「ミミもたまにスネークオペレーターになろうな。」

と言った。ミミは笑顔で頷き強く抱きしめた。AIが

「レーダーにこちら向けに飛んでくる飛行物体確認!」

「えっ、アル!レーダーにそんなに早くないけど、こっち向きに何か飛んで来ている。確認してもらってくれるAI?何?」

何だろう。ミサイルじゃなきゃいいが。AIが

「危険です。危険です。ミサイルです。ドローン無人MQ9です。」

おいおい、まだあったのか。アルがもう時間が無いので

「ヤス!キャビン上のロケットランチャー出してくれ!」

キャビンの上を開ける。ロケットランチャーとミサイル2機が載っている。アルが

「ヤス、そのミサイル2本とも急いでこっちくれるか!急いで。」

ミサイルのQRコードを読み込んでAIを呼び出し、

「とりあえず、2機ともレーダー上のドローンを追尾するよう設定してくれ!」

AIは

「了解しました。確認したMQ9は、レーダー予測からこちらに向かって飛んできています。」

するとアルが周りの人間にランチャー発射するので、エアーパット準備!と言って、ランチャーの発射口からミサイルを挿入して、キャビンの上に登ったヤスに渡す。ヤスは肩に担いで準備完了だ。アルが

「慌てるな。もう少し待て。ギリで落とすしかないので、早めにタイミング見て発射して、低空飛行でUターンして、MQ9を後ろからスターパーク沖で撃墜しよう。1回切りの勝負だ。いくぞ、5,4,3,2,発射!」

の合図でロケットランチャーのトリガーを引いた。
体に凄い力で押されるような感じがして、物凄い音で白い煙の線を出しながら海面へと向かった行った。
特殊なレーダーしか写らないので、こちらのレーダーで見ていたら東京湾を1回するような形でMQ9の後の低い位置にスタンバイしたみたいだ。
ヤスはと言うと発射の衝撃でボルボの天井から後ろに転がり落ちて、エアーパッとで受身してなんとか無傷で済んだがあの反動は凄かった。アルがAIに

「どのくらいの爆弾か分かんないので、今のルートで陸地に一番遠いと思われるところで、急上昇撃墜してくれないか?」

「了解。かなり、接近して来ているので浦安マリーナ沖からスターパックシーの沖あたりになりますが、今なら相手のレーダーに機影が写ってないはずです。ジャッジの時間です。」

アルが

「GO!」

と言ったら、ポイント設定したとのAIからの答え。
皆んなで双眼鏡や望遠カメラのモニターを見ていた。千葉方向の浦安上空に青白のMQ9に急接近して急上昇を綺麗に撃墜した。

「やったぞー!」

って誰かが言った途端にゲートブリッジが爆風で横揺れした。おっとっとと、震度4〜5ぐらいだろうか。皆んな揺れに驚いて伏せた。Jアラートが地震アラートかスマホからも鳴り続けた

〈第十四章〉

ユーチューバーナンシーの配信が一連の撃墜事件があったその日の夜中に始まった。
今回の東京ハッピースターパークを狙ったテロ事件を未然に防いだためかチャンネル登録者数は世界中から注目されているのもあり、元の3倍も4倍にもなり、ドナルド・トランプ氏やイーロンマスク氏クラスになった。
3年以上前に日本の警察に著名人を次から次へと秘密を暴露されたり、ユーチューブのみで参議院議員の国政選挙で見事当選するも不逮捕特権を得たにも関わらず、日本には帰国せず、もちろん国会にも参加せず、参議院から除名となり、また普通のユーチューバーになり、著名人を脅迫した〝常習脅迫〟の罪で国際手配パスポートも失効されてしまった。
それにも関わらず配信をし続けて、今回のように人助けをしたり、色んな情報を配信している。今回の配信では、見事に何千人という人を助け、現在日本で起こりうる中国や北朝鮮など他国の日本への侵略を予告するかのような配信をこれからもすると断言している。
そして今回、またも重大なお知らせと名打って配信するらしい。スターパークの件もあったので注文度は抜群だ。

時間になった。
基地で、エリー様、アルフレッド、ヤス、ミミと4人でミーティングルームで見ている。
ナンシーがもし余計なことを言ったら、IPを切断するように手配はしてある。AIにナンシーの居場所もIPアドレスから解析するように頼んである。木更津でアルもヤスも目撃しているから日本国内に居るのには間違いない。だが、察庁(警察庁)には未だ通報はしていない。
恐らく、あいつのことだから、日本に入った時の証拠を残していると思うので、それ次第では3年の時効は過ぎているが、他に何かしら罪をくっつけて一度は逮捕するのではないかと思う。日本ん居たと分かってもナンシーもバカじゃないから、IPアドレスを恐らくUAE経由でプロクシを何ヶ所も経由して配信していると思うが、うちの隊では今のところ捕まえる予定は無い。
ネネと黄、あと宗の3人とつるんでいると思うがボロが出るまでいくらでも喋らせておこう。例のように始まった。

「こんばんは!聞こえてますか?おう今、200万人ほど。いけるんかなぁ〜?サーバーパンクせえへんのかなぁ〜。」

まぁ、200万人を超えるとどこかのサーバーがダウンすることは考えられるが、サブのサーバーが生きている限り配信は止まらない。

「はじめますかぁ〜、聞こえてますかぁ?あっ、聞こえてる、了解!了解。300万を超えてます。初ちゃうかなぁ〜?と言うことで今日は危なかったなぁ?まぁ逃げとって良かったわー!今井ミミちゃん可愛かったなぁ〜。皆んな見たー?あんな可愛い子がPAC3言うん、あっ、いや、ハイマースか、日本にお目見えしたの初めてらしいで〜。いや、凄かった。迎撃時のミサイルのスピードはマッハ10あるらしいよ。東京ゲートブリッジからよく狙ったな。日本の技術も凄いわ、安心した。今まで、迎撃するとか出来るとか菅さんやら岸田さんやら言うてたけど、大丈夫かいな?って思ってたやろ皆んな。ほんまに。ICBM弾道ミサイルなんか日本に向けて去年なんか何百発もEEZの外側だの内側だの打ち込んでなぁ。あれ青森に近いとこやで、青森にもPAC3を準備したって言うけど、ホンマに迎撃できるんかいな?また、今井ミミちゃんに行ってもらわななぁ〜はっはっはっ!」

とは言うがミミはハイマースを引っ張って来ただけなのに、さすが有名人がやるとこうなるんだな・・・とヤスは心の中で思った。あんまミミの名前出して欲しく無かった。ナンシーは続ける。

「さて、今回はね、俺自身の件なんやぁ〜まぁこの3年強は色々あったけど、人気も思ったより下がらんまま、本日まで来ました。過ぎればあっと言う間でした。でも、長かったわ!統一地方選挙もあったし、あと1日真実教会の政治家の癒着やら、岸田さんの坊主の更迭やれ、いよいよ解散総選挙や。もうな、日本は他国にナメられすぎや!今回見事に迎撃全てできて大したもんやけど、元はと言えば日本に中国・北朝鮮と土地や会社、もう知らんうちに侵食されとる。情報によるとスターパーク全部更地にして、浦安の町、葛西臨海公園まで、カジノやラスベがさうみたいにするって噂やで。これからも攻撃があると思うねん。せやからな、とにかく日本を守ることや!俺も今度は真剣に国政に行くわ!衆議院議員やな。日本を守る。皆さん、また俺に賛同してください。今回のことで分かったと思います。ところでその俺ですが、実は3年前指名手配なる前から日本に居ました。当時の動画、あれは全て日本からの転送です。あっ、本にも書いてたように1回はドバイに逃げました。けどな、警察の動きが分かったから色んなとこ回って帰って来ててん。この今写っとるドバイ仕様のスクリーンやねん。ほら。」

と言ってナンシーは大きいスクリーンを巻き上げた。居場所が分かんないように黒のスクリーンを下げていた。

「まだ、どうしようか考えてません。警察に素直に出頭するのもありやし、そのまま勾留されたら、やらなあかんことも出来んくなるから、せやな、やる事やったら報告ってことにしとこか?もちろんポリ諸君!追立警部補と鶴田部長のコンビ。是非、お待ちしております!任意やろうけど・・。せやな、今一番会いたい人は、今井ミミちゃんの彼氏やな。かっこ良かったやろ!皆んな思えへんかった。あの人が週刊時春に書かれた人やで、ただの元ヤクザかと思ったら、なんやエライ力を持った方や。ロケットランチャーぶっ放して迎撃した時は鳥肌立たんかった?ただの元ヤクザやなかったんやな。誰か言うとったで、政府に特別な部署があって、階級は警視やて。普段はミミちゃん言うとったようにトレーラーの運転手で通称スネークオペレーターって言うんやて。その人に会ってみたいんや。今日この配信見とったら多分わしの居場所知っとると思うから、いつでも来ていただいたら、そっち系の情報もありまっせ。そっち系って兄さんの部署、諜報捜査でっしゃろ。いわゆるスパイでんがな。また何か知恵あったら下さい。お待ちしてますんで。ミミちゃんは無理やと思うから、彼氏にそう言うといて。まぁそういうことで、今日の配信はこの辺にします。わし、その辺歩いてるから、気がついた人には、何か持ってるナンシーグッズあげますわ。ほな、皆さんまたの!」

とナンシーの配信が終わった。エリー様が

「ヤス!ご指名でしたよ!」

はい、そのようで。ミミが

「ミミ、心配だから無視してたら。」

アルが何か言おうとしたら、AIが

「今の配信ですが、IPアドレス4回も変わりましたが、いずれも中継局が湾岸エリアでした。」

アルが

「えーっ、近くに居るんや。多分4人とも・・・。」

ヤスが言う。

「とにかく今日は休みたいです。明日また考えましょう。」

エリー様が

「そうね。今日は皆んな解散しましょう!明日各々考えを出し合って作戦考えましょう。」

ヤスが

「ありがとうございます。ってか、ミミその戦闘服カッコいいな。いつあつらえたんだ。エリー様いつの間に仲良くなって・・。」

ミミが

「エリーキャップはね、とっても優しくて考えてることもカッコよくてめっちゃ尊敬してます。これからも宜しくお願いします。」

「もちろんよ!それじゃ、今日は解散します。お疲れ様。」

とエリー様はハイヒールの音をさせて出口に出て行った。アルが

「考えてみるとこの中で顔バレしてないのエリー様だけだから、自由に外歩けるわな。俺たち皆んなダメじゃん。」

テレビを民法チャンネルにしてあったので、中継の録画やニュースで総まとめやっていて、皆んなで見ていた。ヤスが

「ミミ筆頭に3人、俺、アル、矢﨑社長・・・。あっ、社長大丈夫かぁ。電話しなきゃ。」

ヤスが、スピーカーフォンでシリに矢﨑社長に電話と言う。呼び出し音がして何が騒々しい。もしや、

「はい、矢﨑です!」

と何かやばい事してる人みちあに答えるヤスが

「社長!今日はお疲れ様。もしかのもしか?ザギンっすか?」

矢﨑は、ヤバい当てられたと言う思いと、奥さんにバレるんじゃ無いかとのハザマで

「おーっ、ヤス。今日はお疲れ!お前銀座でも有名人だぞ!やっぱ俺の部下だ。さすがだった。」

あ〜ヤスの上司だとニュースで写ってたとこ見せながら見せびらかしてるのが分かる。もう放っておこ。

「いやいや、社長。では、ごゆっくり!また明日連絡します!」

ヤスがアルとミミに

「社長は承認欲求が凄いから、自分から銀座で盛り上がってます。まぁそのぐらいのが良いのか・・・どうなのか、芸能人じゃないから分からん。」

と言うとミミがすぐ

「ミミも最初は気づいてよ・・!とか思った時期確かにあったけど、今は、あらバレたって思う。」

そうなんだと思うとアルに

「今日は出ないんでしょ?アル?」

と言うとアルも

「あっ、いや少し時間あるし、知り合いの店、少し行こうかなって思ってる。」

やっぱ皆んな目立ちたがりなんだなぁ。まぁ今日アルが店に来たら、どの店でも驚くだろうな。確かに

「了解!じゃあ、ミミと2人でゆっくりしとくね。」

とヤスが言うとアルも

「芸能人気分を味わって来ます!」

と正直に言って出口へ行った。ミミに

「あ〜っ、俺もミミが居なくて(付き合ってなくて)ひとりだったらキャバクラでも行ったかもね。でも、ミミがいるから十分。」

ミミが

「取ってつけたように言ったー!何だったら、ヤスひとりでキャバでイチャイチャしてる時にあとでミミが来るのやったらどうなるかなぁ〜。」

ヤスが慌てて

「それは冗談でも止めよう!近くのテレビ局が来るわな。」

ミミが言う。

「ヤスも芸能人みたいにチヤホヤされたいんだね。」

ヤスが

「ナンシーがあんな配信したし、ミミも記者会見で言ってるし、顔バレしてるし完全アウトです。今日はミミとギューして寝る。」

「そうよ。こんなゆっくり出来ない日ばかりになるかも知れないから。」

とミミが言うとヤスが

「そうだな・・・。」

と言ってミミの頭ポンポンして立ち上がった。

(つづく)

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