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スネークオペレーター〜特別諜報捜査官〜#16

前回までのあらすじ
コカイン売人ネネこと根本京子を追跡し木更津ベースという北朝鮮の基地を発見する。豊洲のヤスの自宅がドローンでの爆撃もここから操作されていて北の仕業と判明する。バディのアルフレットと木更津ベースを急襲する。そして佐原にも基地がある事がわかり、佐原ベースに各所監視カメラを仕掛けて動向を見張ることとした。そして黒沢組のカシラ、上田の車にGPSをつけて追跡、ネネとの接触を探り捕まえる事にするが動きがないので歌舞伎町の黒沢組を奇襲する事とした。


さて佐原の監視カメラの方だが、全く動きが無いそうだ。
見せかけとも考えられるので、そこらじゅう一体をSWATと陸上自衛隊とで捜査をしている。
そんな中、成田の空港税関からの情報で出生地がはっきりしない黒人、白人の5名がアメリカのパスポートで入国したとのこと。FBIからの情報でアメリカの民間軍事会社ワグネル所属であると照会リポートがあった。
所持品に不信な物も無く、ツーリストで入国許可したようだ。その情報を受けて、もちろん警視庁のシークレット班が動向を監視するとの報告があった。アルフレッドが

「ヤス、何か嫌な予感がして来たなぁ〜。」

と武者震いするような言い方をした。確かに、民間軍事会社の傭兵が5名も入国したのは怪しすぎる。帰国まで見失わないようにマークできれば良いが・・・。ヤスが言う。

「入国した5名は必ずどっかで北の人間と接触すると思うが、マークされているのは十分分かっているはずなんで巻かれなきゃ良いけどな。」

アルフレッドが答える。

「接触するとしたらホテルしか無いでしょう?奴らが何かの助っ人に来たのなら、武装して何かするでしょうから。」

「そうだよなぁ。俺はどうでも佐原が気になるから、アル行ってみないかボルボで。コンテナはイミテーション仕様があるでしょう?」

「コンテナはシャーシに載ってる 40フィートのイミテーションの武装コンテナあるよ。行ってみようと佐原サービスエリア!準備しとくから晴海からヘッド乗って来な。」

とアルは嬉しそうだ。一号車ヘッドは、何かあると出動すると矢﨑が心遣いで車庫にたいきさせてあった。そうと決まったら、サニトラで晴海に向かって出動した。すでに外は明るくなり始めていた。


晴海運送に到着し、既に暖機運転させてあったボルボトレーラーヘッドのコックピットに乗り、テスト操作をする。銃器等も完璧だ。
矢﨑社長も笑顔で見送ってくれた。その時スマホが鳴った。ミミからだ。早朝に直電が来るのは珍しくない。

「ミミ、おはよう!どうした?」

といつものように電話を受信する。するとミミがいつもと違う少し暗いトーンで話しだす。

「ヤス!大変なことになりそう!どうしよう!」

ミミはただならぬ様子でヤスに言う。ヤスは

「大変なこと?どう言うこと?」

とわざと軽く聞く。

「ヤスとのこと、週刊時春で書かれるらしい。今日の昼から週刊時春の会員しか見れない時春デジタルで出るらしい。明日出版の前刷りがネットで出て、明日出版になるんだけど、ミミの彼氏が元ヤクザだったみたいな記事。ミミはヤスとのことで嘘じゃないし、元ヤクザで何が悪いの?って感じなんだけど、事務所がなんか騒いでるんだよね。」

ヤスは、うわっいつかはやられると思っていたが、以前写真誌を捕まえた時、政府の方からマスコミに圧力を掛けたけど、言うこと聞かないマスコミもいるから注意しろとか、掲載が決まったら無視して収まるのを待つしかないと言われていた。そのことをミミに言った。

「ミミ、俺のことで困らせて迷惑掛けてごめんね。やっぱNGかなぁ〜?ミミはどう思うの?どうしようと思う?俺は人のことだから言ってるんじゃないよ。無視してたらどうかなと思う。」

と言うと速攻

「週刊時春って無視してるとね、第二弾、第三弾ってある事無い事書くの!ちょっと私の話聞いてヤス!」

なんかミミの考えがあるのか・・・そのまま聞く。

「事務所には今から言うけど、ミミ一人で記者会見する。」

続けて、
「ミミは、彼氏が元ヤクザだったなんて何が悪いの?ってちゃんとファンの皆さんや応援している人たちに正々堂々と言おうと思う!だって今はちゃんとトレーラーの運転手だし、スネークオペレーター言おうと思う。ヤスが前に言ってた運転手不足も助けたいし、スネークオペレーターと言う名称を周知させる。今はちゃんと更生して仕事してますって、それでミミの人気が落ちても、悪口言われても構わないよ。」
 
「ミミ本当ごめん。ミミがそれで良いなら任せる。」

とヤスは言うしかなかった。任せて!と声のトーンが上がって電話が切れた。
基地のレントゲン場入口から地下に入場した。
待っていたアルが40フィートのシャーシにコンテナが載ったイミテーションの改造コンテナを準備してあった。ヘッドと連結し、助手席にアルを乗せて出口から外へ出て東京ゲートブリッジを通り357号線を右折して浦安インターから佐原サービスエリアまで成田空港方区へ一本なので1時間ぐらいで行く。その間アルに

「ミミが今日か明日、俺のことで記者会見するそうだ。」

「えっ、ばれちゃったの?」

とアルは少し笑って言った。ヤスは

「そこ?ミミには申し訳ないと思う。人気落ちるだろうなぁ。」

アルは

「ミミちゃんは、今、人気No.1だから落ちないと思うけど、ミミちゃんぐらい人気があれば記者会見次第だけど、コマーシャルの契約とかどうなんだろう。」

とアルは言いながらコックピット内にある大型テレビを点けて見た。

「あっ、やってるやってる。レンジローバーに2人で乗ってるとこ。あっ、ヤスどっかで定食食ったの?撮られてる。ん、この件に対し、今井ミミほんにんがこの後11時から記者会見って出てるよ。あと30分暗いかな。」

ヤスが

「まじか、早えな。記事出る前にやるんだな。今日の昼過ぎから時春デジタルって言うネットで明日発売の記事出るらしいから・・・。」

ラインにもヤス頑張るからねって笑顔マークの絵文字とスタンプが来てた。アルにヤスが言った。

「見てらんないから、仕事してからあとで見るよ。」

と言ってテレビを消してもらった。そう言ってる間に佐原サービスエリア下り線に着いた。いかにもコンテナ輸送の仕事で休憩で立ち寄ったみたいだ。トラックトレーラー専用のパーキングスペースに駐車する。助手席からアルが降りて、缶コーヒーを買って、運転席の外からわざとヤスに渡す。
イミテーションコンテナの入口はシャーシの下いわゆるコンテナの底にあるため、誰も見ていないことを確かめてシャーシ下、いわゆるコンテナの底にあるため、誰も見てないことを確かめてシャーシ下に潜り込んで、コンテナの外観から見えない入口からアルが入ったようだ。
コンテナの中で電灯が点いても外に光は漏れない。コンテナの天井はマジックミラーのような素材でこれも外からは見えないが内側からは星空が綺麗に見える。
コンテナやシャーシにある四方八方のカメラのモニターが大画面に四分割で並んている。方向も分かりやすいように同じ方向で写るようになっている。今のところは何の変化も無いように見える。
サービスエリアの中のコンビニエンスストアやたこ焼き、ラーメン屋、そば屋と言った店舗は各々の業者なので開店時間が違うのだろう。
もうすぐ11時なのに、まだ中のコンビニエンスストアしか開店していない。開店準備はしているのが分かる。よく見ると店舗の裏に一般道と繋がる道があるけど関係者以外は入れないようになっているようだ。
駐車場があって、そこから食材とか搬入しているようだ。コンビニエンスストアだけ高速道路を使ってパーキング表の方から搬入している。ヤスのいる運転席にコンテナの中に居るアルからインカムで

「あれ、おかしいと思わなかった今?」

とアルが聞いてきた。

「えっ、どこが?何も変わったことなかったけど・・・。」

とヤスが言うとアルが

「コンビニの運送屋、俺ら来てから2回目だよ。」

と言う。ヤスは

「何がおかしい?チルトなんか1日何回も来るよ。」

「そうかなぁ〜。ちょっと様子見とこう。」

とアルが用心深く言う。するとヤスが

「時間抑えといて。あとさぁ上り線の佐原サービスエリアここから少し見えるけど、アル見える?」

「ああ、見えるよ。」

「高速道路沿いに隠れるように停まってるの、ボルボトレーラーじゃない中井さんの?アルなら分かんだろ?」

とヤスが聞いた。

「ん〜、ヘッドトップしか見えないけど、ボルボトレーラーだな。しかも俺がカスタムしたアップフォグだけど、恐らく中井さんだと思う。」

「ふ〜ん、こんな時間は普通海上コンテナトレーラーなら東京湾のヤードに居るはずだけど、どっか降ろし時間待ちか、バン積み(積み込み)時間待ちかだろうね。」

とヤスが予想する。一時間駐車していただろうか。アルにインカムで連絡しようとしたらミミから着信があった。時間見たら昼前だった。

「ヤス!見てたの?テレビ。」

「怖くて見てないよ。ミミに聞いた方が良いと思って・・・。」

とヤス

「そうなんだぁ。ヤス言ってやった!事務所からこれ言いなさいって紙渡されたけど、一人でスタンドマイクまで出て行って、紙読もうと思ったけど、グシャグシャにしてポイってスタッフに投げて、私、何が悪いことしましたっけ?彼氏は昔はそうだったかも知れませんが、今はトレーラーの運転手さんで私は〝スネークオペレーター〟って言ってます。好きな人と好きなところ行って、好きなもの食べて何が悪いんでしょうか。これはコンプライアンスでは無いでしょう。昔のことを後世まで言われて苦しんでる人は沢山居ると思います。私は間違ったことをした覚えはありません。以上です。って言ってやったよ。その後、質疑応答が10分ぐらいあったけど、全部ちゃんと答えて。もうすっきりした!これで人気落ちてもそんな芸能界なんか辞めても良いくらい・・・。あっ、これは言わなかったけど。 」

と弾んだ声で報告してくれた。

「お疲れ様。どんな評価であっても俺はミミを守るからね。」

と言った。ミミは

「うん、ありがとう。」

と涙声で言った。スタッフから呼ばれたらしく、電話は切られた。アルにインカムで今のことを伝えたら、密かにテレビで会見みていたらしく。

「めっちゃくちゃ堂々としてて、最初の原稿のクシャクシャポイなんか凄かった。あまりにも堂々としていたので、質疑応答があまりなかった。ビビってたのか、文句返されるかもと思ったのか・・・。俺が見ててもキュンキュンした。思ったような今井ミミじゃ無いじゃん!みたいな。返って人気が落ちると言うより上がる気がする。」

えーそうなんだとヤスは思いつつ、一度、移動したいと思ったのでアルに聞いてみた。

「そうだね。やっぱヤス、コンビニのチルト配送にしては1時間に2回は怪しいと思う。ちょっとカメラ仕掛けてくるね。それやったら電波届くところまで離れよう。IPだから電話の電波が届けばどこでもいいけど・・・。少し待ってて。」

と言うと電気工事の作業服っぽい服で出て行った。
トイレの電気を変える作業のように脚立を抱えて行った。回り道して全然違うところから現れたので笑った。
アルは脚立を使って電気を変換するふりをしながらIP用(ネット経由で見れる)の小型カメラを設置していた。
しばらくして、アルが OKと言ってコンテナの中に入ったことが分かったので、車を出した。潮来インターを出て、左にしばらく走ったところに大きな駐車場付きのコンビニがあったので駐車した。アルがコンテナから助手席に来た。カメラのモニターを見てるのかと思ったら、Xが炎上してるって言って助手席に来た。アルが

「もう犯人探し始まってるからこの車やばいかも・・・。」

「そんなぁ〜、ボルボなんて沢山居るし。」

とヤスが軽く言うと、アルが

「ボルボはこれかなぁぐらいで見るかもだけど、ヤス顔バレしてるから。」

アルが言うには週刊誌ではモザイク入ってるけど、Xでは素顔出てるらしい。まじか。アルが面白がって

「コンビニでおにぎりか何か買って来てよ。」

まぁ腹減ったし、アルもおにぎりでいいと言ったので、買いに行った。
コンビニ入って一瞬チラッと店員二人とも俺の顔見る。
その後、店員2人でこそこそ話していた。おにぎりやお茶など買ってレジへ向かって商品を出した。

「おにぎり6個、お茶2本ですね。おしぼり入れときますね。あの〜ミミさん応援してますんで。」

と言われた。めちゃくちゃ喜んでいた。俺もぺこぺこしちゃった。アルが

「ほらね。もう有名人・・・。」

テレビの力ってすごいな。ってか、ミミの人気度凄いな。ってか俺じゃ無いんかい!さてと、ミミの方はミミに任せて、アルとテレビを仕掛けたモニターを見ることに。
この場所からは近いのでハッキリと見えた。仕掛けたところまで巻き戻して移動してた時間の様子も見る。
少し早送りで見たらコンビニの看板をラッピングした2トン車がまた来ていた。計算すると約50分〜60分に1台ずつ来ている。お客さんもそんな来ないし、チルト車がすでに佐原サービスエリアにボルボで来てから3〜4回目。在庫を納入するにしてはおかしくないか?しばらく様子見ておこう。
 
そろそろ1時間が経つ。また来た。2トン車のゲート車だ。
ゲート車とは2台と地面に段差があるので手で下まで降ろさないで、台車みたいな物を荷台から出して、ゲートに乗せて地面まで油圧で降ろしてくれる昇降装置だ。
大型車にも装着しているトラックもある。手押し台車みたいに車輪が付いているので、押して行くだけでゲートが(リフトとも言う)あると便利だし、一人で作業できる。
監視カメラで見た限りでは 1回に3個の台車を納入していく。カメラでは見切れてしまうため、どこへ入っていくのは見えない。
地図アプリで現在地を見て、カメラの位置情報を見たら近道で直線距離だと1Kmも無い。多分、今、停まっている場所の上の方に、サービスエリアの従業員駐車場があるのだろう。
アルに隠れて行ってもらうことにした。ボディカメラを装着して、上に上がって行った。従業員駐車場まですぐだった。誰かに見つかったら手帳を出すしかない。駐車場から、サービスエリアに入る金網の扉があり、錠がかかっていた。錠で良かったと思った。最近では入門カードになっているところが多い。すぐピッキングで解錠したアルが

「おっ、コンビニの横に表から見えない車が2台入るような建物があり、なんとエレベーターがあるよ。」

と言った。やった!発見した。ヤスは

「今、アルが居るところ、つまり、エレベーターまで行くには錠があるのか?」

アルは

「あるね。今、ピッキングできるタイプの錠がある。表からはその錠さえあれば、エレベーターに入ることできる。」

というか、ヤスは

「エレベーターの階数見れる?」

「今居る1階とB1しかないよ。」

とアルが見たままを言う。続けてヤスが

「B1に行ったとしたら、もしかすると武装した敵が居るかも知れない。だったら変装して、こっちが武装して箱の中にどっちか入るとワンチャンスルーできるかも。でも、バレてもスキが出来るからいいかも。」

アルが

「じゃあ、この錠を複製すればいいのね。ちょっと待ってよ。差し込むだけで複製できるキーメモリーがあるから待って。これ複製データ取って今度は、コンビニのトラックで来よう。」

と複製データを急いで取り、ボルボトレーラーに引き返す。よし、監視カメラを確認しながら明日でも侵入することにしよう。今日はもう無理だ。
睡眠も取らないとクタクタだし、コンビニのゲート車と制服用意させよう。

「了解!」

「帰り、少し気になるから上り線の佐原SA寄って出るね。」

とすでに潮来インターを上りに本車線を走り出し、佐原SAへ入った。
普通車と大型車の間を通過してなるべくバレないように中井のボルボが居るか確認した。アルが

「あっ、居るよ。シート倒れてるから見てない。気になるな?」

とアル。

「さっ、帰って明日の昼過ぎの侵入にしよう。」

とヤスが言ったらアルが

「ちょっと待って!!」

と出口付近で言う。

「中井、寝てるんだったら、バッ直(バッテリー直結)のIPカメラ、分かんないところに装着してくる。バッ直だと電源困んないからな。」

と言うとコンテナに入って行って、IPカメラの24V用を持ち出し走って行った。ヘッドに装着しても何も写らないから、もちろん台車のテールランプあたりに装着する。
あの辺はあまり目に付かないから見つかりようがない。シャーシは切り離さないことを祈って。アルが装着してiphonで確認。アルが言う。

「これで、今日の夜はあいつの正体が分かる。スカでもいいや。ヤス、俺運転するよ。ミミちゃんのこと心配だろう?エゴサしてみれば。」

お言葉に甘えて運転交代してもらった。Yahoo!ニュースを開いたら何よりもTOP記事だった。

・今井ミミ、彼氏が元ヤクザですが何か?
・今井ミミ、何か悪いことしましたか?
・今井ミミ、週刊時春かかって来いよ!
・カッコ良すぎる美女今井ミミ!
・ここまで大物女優になると何とも無いネタ
・今井ミミ、堂々会見に怯むマスコミ
・今井ミミ、降板差し止め、皆無。大物女優ぶり
・今井ミミ、何でもランキングNo.1総ナメ

なんか、俺の過去の武勇伝をYouTubeで紹介している奴までいる。ミミ大丈夫かな。電話してみることにした。すでに夕方になりかけてる。
呼び出し音は鳴るが出ない。会社で怒られてるのかな。折り返しを待つことにした。普段はラインで〝今、手が離せないの〟とか〝あとで、折り返すね〟とかあるけど、何もない。待つことにする。ラインが1件入ってた。上田だ。

「兄さんネネは赤坂に居るよ。赤坂の今の宿は赤坂○丁目○番○号○○室だ。ユーチューバーのナンシーと居る。多分、今日か明日配信するんだけど、やっぱ7月9日のハッピースターパーク襲撃は早くなるらしい。そのためにアメリカから傭兵5人も用意してやるってさ。あと、ナンシーはあとでどうにでもなるから、兄さん、あのネネのアマ北の黄(ファン)とできてやがるのか、ちっとも言うこと聞かねえ。」

と真面目に報告してくる上田が少し可愛いのか、ヤスは

「上田、赤坂の方で変わった動きがあったら、また連絡してくれよ。こっちも今日、明日は大きく暴れるかも知れねえからな・・。」

「兄さん気をつけてください。何かあったら微力ですが、力になります。」

と上田がチヤホヤ無期にならないために必死だ。
そんときゃ、頼むと言って切った。そうしているうちに基地に着いた。
アルが写真で撮って来たコンビニのトラック手押し台車制服は既に準備してあった。アルはとりあえず寝たいと言って自分の部屋へ行った。
風呂に入ってメシ食って寝たら、いくら何でも朝も暗い時間に目が覚める。でも、昼に侵入だから、体調整えられそうだ。
 
おっ、ミミから電話だ。

「ヤ〜ス?ごめんね。電話出れなくて。」

とミミの可愛い声。

「おー、その声ならなんとか、元気そうだな。どうだった?」

と一番聞きたいところを聞く。

「ん?ヤス今どこ?基地なの?」

と聞かれ今日のこと、明日のことを教えた。するとミミは

「会いたいから基地行っていい?湾岸スタジオ駐車場から入る、ダメ?」

基地なら誰も知らないし、湾岸スタジオで消えても不思議じゃない。俺がミミん家の港南タワマン行くより全然安全だ。

「いいよ。駐車場に車を駐車して、B21の隣にあるエレベーター地下ボタン無いけど、カメラ見とくからミミ乗ったら地下に下げるね。」

そう言うと、帰って来てそのままだったのか。服とか着替えをバックに入れてそのまま来たんだろう。
15〜20分かからずに到着した。ミミがエレベーター乗ったので地下へ誘った。エレベーターまで迎えに行くと俺の姿を確認すると、バックとか手から離して抱きしめて来る。しばらくそうしているとキスをして来た。そして、

「ふ〜ぅ!今日は大変でした!部屋行こう!」

歩きながら、

「会社から渡された紙を読めとか社長に言われたけど、なんか謝罪みたいな堅い文章だったから、カメラの前でクシャクシャにしてスタッフに投げた。あれが気に入らなかったのか社長から説教よ。」

部屋に着いたので指紋認証で開け、やっぱ自分の部屋は今ではここしか無いのでホッとする。口に出した。

「ミミは久々会えたし、今、俺ん家ここだからホッとする。色々ごめんね。」

ミミは、ベット見ていつものやつバタンとやって、ゴロンとして、前ならえで抱っこを要求して来た。ミミは、

「これよ!これ!ヤスの匂い。ヤスの筋肉。ミミは後悔なんて何もないよ!」

「うん、そう言ってくれて良かった!」

続けて

「俺も顔バレしてるけど、ミミは大物だから悪いこと言われてなくて、コンビニでミミさん応援してます!って言われた。」

ミミが速攻、

「まじでー!もうヤスも。ごめーん!いつも、自分のエゴサしないんだけど、ヤスのことあるんで心配してエゴサしちゃった。」

ヤスがミミもエゴサするんだって微笑みながら聞くと

「だから、いつもしないけど、今日はしちゃった。」

ヤスが

「でも、最近逮捕者とか出てるけど、傷つくようなコメントないね。」

「あー、そう思った。なんか褒め殺し的な、嫌味っぽいコメ多かった。ミミってそんな大物じゃないよ。新人なのに・・・。」

とミミ。ヤスが

「でも、あーやって言われて、どう思う?」

ミミが

「なんか、むず痒いと言うか。ってか、良くも悪くも会社に最初入った時から気にしないと言うのと有名税とか言われる。ミミね、何言われても気にしない。ヤスが好きなものずーっと変わらないし、今日何言われても何が悪いんですか?って聞いて、ちゃんと答えれらる人は一人も居なかった。ちゃんと〝スネークオペレーター〟も言ったよ。海コン運転ってどんな仕事かって特集までニュースでやってた。少しは宣伝になったかな。」

とミミは自慢げに言った。自慢げとかじゃなく影響力がすごい。ミミは俺の自慢となりそうだ。ミミが急に

「ヤス、もうこれで2人である程度デートできるよ。ショッピングとか有名店に食事とか・・うわーっ、嬉しい!」

「そだね。でも、あれが元ヤクザの内藤かぁ〜ってなるけどね。」

少し苦笑いで言った。そしたらイタズラっぽく枕をパンパン俺に叩いて

「記者会見した意味ないようなこと言わない。」

ヤスはすぐ

「ごめんごめん。」

と抱きしめてキスをした。ミミはパッと起きて

「シャワー入ってくる。」

いつものミミになった。彼女が超有名人ってどうなんだろう?ミミは自分のことだから、いつm当たり前なことばっかりなんだろうな。色々ミミに学ばないと。

(つづく)

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