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「言葉が思い出せそうで思い出せない」を防ぐ方法

「言葉が思い出せそうで思い出せない」を防ぐ方法
バーミンガム大学の研究
対象者:平均年齢70歳の高齢者28人と平均年齢23歳の若者

・研究の意図
年を取ると言葉が出てこなくなることが多くなる
一方で年を取ってもスラスラと喋れる高齢者もいる
両者の違いを見つけたら、言葉が思い出せずに困ることを減らせられる

・研究の内容
全ての被験者にエアロバイクを漕いでもらい、心肺機能をチェックした
その後、言葉を思い出せるかどうかのテストをした

テストの内容は、モハメド・アリの本名は何? ダイアナ妃の旧姓は何? エジプトの王のために建てられた古代の墓は何? リスが食べる木の実は何? など
(それぞれの答えは、カシアス・マーセラス・クレイ・ジュニア、スペンサー、ピラミッド、どんぐり、である)

・結論
高齢者ほど、言葉が出なくなる現象は増える
しかし、心肺機能が高い高齢者はよく言葉が出ていた
運動量が多いほどに言葉が出なくなる確率は減少する
他にも、ボキャブラリーが豊富なほうが言葉が出なくなる現象が減る

言葉が出なくなる現象は、性別や教育レベルは関係ない
年を取れば誰でも等しく、言葉が出なくなっていく
(例外は日常的に運動している人)
言葉が出なくて恥ずかしい老後を送らないためにも、運動は必須である

言葉が出なくなる理由として記憶力は関係なく、脳の中で格納されている情報(正確には音の形)へアクセスできなくなる、と考えられる
音が分からないので、言葉の何となくの雰囲気でしか思い出せず、モヤモヤした気持ちになる

先行研究でも、言葉が出ない高齢者は脳の灰白質が萎縮していることが明らかになっている
灰白質は情報処理をする領域なので、萎縮することで上手く情報が処理できなくなったと考えられる

今回の実験では、どの程度の運動で言葉が出なくなる現象に効果的かは不明である
しかし、運動の効果が現れるのは中強度の有酸素運動を30分以上続けた場合が多い
(BDNFという脳細胞を成長させる物質が分泌される)
毎日30分の運動をしていたら、今後言葉が出なくて困る可能性は低くなると思われる


参考文献
Higher physical fitness levels are associated with less language decline in healthy ageing
https://www.nature.com/articles/s41598-018-24972-1

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