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感想『ぬしさまへ』畠中恵

畠中恵『ぬしさまへ』の感想です。
畠中恵さんの代表作『しゃばけ』シリーズの第2弾!
今回も体の弱い若だんなと、過保護な妖たちが大活躍。
たくさんの難事件を解決します。

こんな人に薦めたい・・・
▼妖怪が好き、江戸を舞台とした物語が好き
▼ファンタジーやミステリー、人情ものが好き
▼小説より漫画が好きという人にも!

※シリーズ第1弾『しゃばけ』の感想はこちらから
https://note.com/nice_ixia842/n/nc8a028bc73bc?sub_rt=share_pw


『ぬしさまへ』あらすじ

江戸有数の豪商、廻船問屋「長崎屋」のひとり息子である一太郎(若だんな)が、妖たちと共に難事件を解決していく物語。新品の布団から泣き声が聞こえたり、幼馴染の作った饅頭を食べたご隠居が死んでしまったり、ある日突然妖たちがいなくなってしまったり…「ぬしさまへ」「栄吉の菓子」「空のビードロ」「四布の布団」など6つの物語が収録された、「しゃばけ」シリーズの第2弾です。

『ぬしさまへ』感想・レビュー

1. 「仁吉の思い人」

なかなか薬を飲まない若だんなに、佐助が衝撃の一言。
「薬を飲めたら、仁吉の失恋話をしましょう」
女性にモテる仁吉が一途に想い続ける、まさかの相手。
たとえ叶わぬ恋であっても、その人を大切に想う気持ちは変わらないんですね。百年以上もずっと慕い続けるなんて、なかなかできないのでは。

2. 「四布の布団」

若だんなの布団から女性の泣き声が聞こえてくる。布団を購入した問屋に文句を言いに行くと、何やら訳ありの様子で…というお話しです。
問屋の主人に怒鳴られ、目を回して倒れてしまう若だんな。
それに機嫌を損ねた仁吉が「人違いでもいいから、あの主人が下手人の方が面白くありませんか」と言います。なんて適当な…。笑
妖たちは、若だんなを傷付ける輩がとにかく嫌いなんですね。

3. 「空のビードロ」

前作であまり多くを語られなかった、若だんなの異母兄弟である松之助が登場します。
松之助がどのような境遇で、何をしていたのか。
奉行先の人々の黒い思惑に巻き込まれる松之助。
生まれた環境が少し違うだけで、人生はこんなにも変わってしまうのか。
立場は違えど、いつまでも兄弟の絆が続いてほしいです。

『ぬしさまへ』感想まとめ

身体は病弱でも心はたくましい若だんなと、彼を大切に守る妖たち。
今回も彼らの活躍で、たくさんの難事件を解決しました。
特に『仁吉の思い人』は、仁吉の一途さと優しさが伝わるエピソードでした。
『空のビードロ』では、孤独だった松之助が、偶然拾ったビードロに救われました。ちょっとした物が、御守りのように自分の心を守ってくれること、ありますよね。心の拠り所があるって大切だなと思います。

最新刊は、シリーズ第21弾となる『こいごころ』です。(2024年2月時点)
まだまだ続く、若だんなと妖たちとの優しく愉快な物語。
ぜひ一度、読んでみてください。


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