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感想『うたうおばけ』くどうれいん

くどうれいん『うたうおばけ』の感想です。
くどうさんは歌人、俳人としても活躍されています。
名義は本名と同じ「工藤玲音」さん。
素敵なお名前ですね。
本作は、くどうれいんさんの嘘みたいな本当の話。
どこか不思議で、クスッとなる日々がつづられた
エッセイ集です。

こんな人に薦めたい・・・
▼思わずクスッとなる日々の出来事が読みたい人に
▼忙しくてもサクッと読める本をお探しの方に
▼肩の力を抜いて気楽に読みたい人に


『うたうおばけ』あらすじ

"人生はドラマではないが、シーンは急にくる…"(あとがきより引用)
本作のタイトルでもある「うたうおばけ」や
「ミオ」、「まみちゃん」、「内線の人」など
39のエッセイが収められています。
1つ1つが短いので、お忙しい方でも
読みやすい作品です。
今回は『うたうおばけ』の中でも、私が特に好きな3つのエッセイをご紹介&感想を書いていきます。

『うたうおばけ』感想・レビュー

1. 「内線の人」

内線を取るなり、電話口から急いで上司に代わるよう言われた工藤さん。慌てた様子に、何事かとざわつく事務所内。尋常ではない様子。
何かあったのだろうか、問題でも起きたのだろうか。
緊張して用件を聞くと・・・
「え?」と思わず微笑んでしまう、まさかのご用件。
こんな内線、私もかけてみたいなぁとニヤニヤしました。笑
和やかな職場のワンシーンです。

2. 「一千万円分の不幸」

『内線の人』に続き「え?」という感想ですが、
こちらは笑えない・・・。
あまりに衝撃的というか、ショックというか。
「それ」に気が付いた時、工藤さんはどんなに血の気が引いたことだろう。
私なら立ち直れないかもしれない。
たまにありますよね、日付の勘違い。
でもまさか、こんなことになるなんて。

3. 「冬の夜のタクシー」

本作品で私が最も好きなエッセイです。
冷え切った心にじわりと染みる、タクシードライバーさんの温かさ。不景気なこの時代に、こんな人はなかなかいないのかもしれない。でもきっとこんな人が、疲れた人の心を救うんだろうな。
私もこんな風に、見知らぬ誰かの心を温められる人になりたいです。

『うたうおばけ』感想まとめ

くどうれいんさんの、不思議でクスッとなる
エッセイ集。
1つの話が凡そ3分くらいで読めるので、
忙しい方にも読んでいただきやすい本です。
どのエピソードも面白いですが、
私のお気に入りは「内線の人」「一千万円分の不幸」
「冬の夜のタクシー」でした。
一番好きな言葉は「天罰フォーユー」です。笑

みなさんはどのエピソードが好きでしょうか。
ぜひ一度、読んでみてください。


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