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サード・プレイス

日本人はひとつの共同体に閉じこもる傾向がある。
ここしかないと思うと理不尽でも逃げられない。
別の居場所を持つことが大事。

(ABEMA ニュース)

最近、心に残った言葉のひとつです。

このところ、宝塚や楽天など、ハラスメントの話題を耳にすることが増えました。日大も理事長がハラスメントで訴えられていると聞きました。

嫌な時代だなあ、と思います。しかし、抑圧されてきた「声なき声」が表に出るようになっている、と考えれば、時代は良くなっている途上ともいえます。隠蔽されず、表に出てくる分、まだ救いは残されています。

ハラスメントは他人事ではありません。いつ自分の身にふりかかってくるか分からない。被害者ではなく、加害者側になることだって、可能性はゼロではない。どうしたらいいの?という疑問は常にありました。そのヒントというか答えは、冒頭に書いた言葉にあります。

「共同体に閉じこもってはいけない。別の居場所を持ちなさい」

別の居場所、もうひとつの場所を探すのです。わたしは、これに尽きるとすら思います。自宅と学校であれ、自宅と勤務先であれ「2拠点」では、ひとは持ちません。何かあったときに逃げる場所がない。3番目の場所を確保する必要があります。

2つの点を結んだだけでは、点が線になるだけです。

しかし、3つの点を確保すれば、線が面になる。これが大きいのです。その3番目の場所が、心休まる場所になり、シェルター(避難場所)になり、閉塞した自分の人生に光を当て、新鮮な風を吹き込んでくれる。

英語では「サード・プレイス(3番目の場所)」と呼ぶそうです。

アメリカの社会学者レイ オルデンバーグが著書『The Great Good Place』(1989 年)の中で提案したとされます。

サード・プレイスの例として海外では、教会、カフェ、クラブ、公共図書館、ジム、書店、公園などがあげられています。

有名なのは、スターバックス・コーヒーです。この会社は経営理念として「サード・プレイス」を標榜しています。単なるカフェではなく、人々がくつろげる、居心地の良い場所を提供することを目指しています。

日本の組織は、入り口を厳しくする一方で、内部に入り込んでしまうと、仲間意識を醸成しようとする傾向があります。自社を「ウチ」などと言いますね。よく言えば、家族的なんです。先輩後輩の関係性が強く、面倒見が良い。しかし、悪く言えば、告げ口や悪口、密告を許さない。強い「帰属意識」に支えられます。しかし、結果的に「閉鎖空間」をつくりがちです。

ひとつの共同体に囚われて、理不尽だなと思いながらも、そこから逃げることができない。

私たちが誰しも、人生の途中で、多かれ少なかれ経験するシチュエーションです。嫌な経験です。そして、不幸にも死を選ぶ人も出てくる。

別の居場所を持つことは大事。本当に大事です。

サード・プレイスは、探せば必ず見つかります。趣味や遊びに居場所を見つけるもよし、資格や語学など何かを学ぶこともよし、ボランティアや社会貢献もあります。ウェブ上でバーチャルな居場所を見つけることも可能です。

わたしは宮崎に住んでいるので、たまに海に出かけます。
私の動画でないのが残念ですが、よろしければ波の動画でも。

https://youtu.be/vPhg6sc1Mk4

ぼうっと波の音を聴いて、時間を忘れて水平線を見る。雲を見る。私のサード・プレイスは海です。なかなか良いものですよ。


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