マシュマロにご用心
テレビ局の幹部の着服事件、非難ごうごうのようです。
こうした「不祥事」は「人の問題」と「組織の問題」がありますね。属人的な問題と、システム的な問題と言っても良いんですが。
もちろん「人の問題」が一番大きいです。まともな人間はこんなこと、やりません。
この局長は名前を晒され、仕事を失い、懲戒解雇で退職金も出ない。今まで築いた信用も地位も何もかも失います。年齢的にもリカバリーが困難なレベルで、社会的な罰を受けることになると思います。
さて、問題はもうひとつ残っています。「組織的な問題」です。
会社が組織として不正を見抜けなかったのはなぜか?さらには、そうした不正行為を容易にさせるような組織上の問題点があったのではないか?
厳しく問われる必要がありそうです。
ところで、マシュマロ実験、ご存じですか?
1970年に行われた、子供を対象とした実験です。正確には、スタンフォード・マシュマロ実験(Stanford marshmallow experiment)と呼ばれるそうです。あらましは、こんな感じです。
実験の対象は、保育園児です。机と椅子だけの部屋に通されます。机の上には美味しそうなマシュマロ。監督者は、こう言って部屋を出ます。
「マシュマロは、戻ってくるまで食べるの我慢してね。それができたら、ご褒美にマシュマロをもうひとつあげるからね」
子供の「自制心」をテストしたわけです。
我慢できなかった子も当然、いました。しかし、必死でプレッシャーに耐えた子供もいたそうです。英語版のwikipediaにはこうあります。
「自制心」でヘトヘトになる保育園児、いじらしいです。
子供なりに、欲望と戦うんです。
着服したテレビ局幹部は、マシュマロを食べちゃったんです。
保育園児のように、歌をうたったり、腕の中に頭を隠したりして「気を紛らわせる」ことができなかった。しかも、監督官は不在で、美味しそうなマシュマロだけが残された。マシュマロを放置したのは会社です。
この事件は、そういう話です。
マシュマロは意外に、ころがってますよ。
今日、わたしはコンビニでコピーを取ったのですが、返却口に100円玉が残されていました。誰かが取り忘れたのでしょう。100円であっても、小さなマシュマロです。危ない危ない。もちろん店員さんに報告しました。
マシュマロには、どうぞお気をつけください。
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