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仕事に関して

私は言語聴覚士という仕事をしている。
シンプルに大雑把に言うと、言語や飲み込みのリハビリをすることが業務内容だ。

この仕事はとても奥が深い。
そして私にとってはかなり大変だが、魅力もたくさんある。
食べられなかった人が食べられるようになったり、全く話せなかった人が少し話せるようになったりした時はやはり嬉しい。

また個室で訓練をするせいか、他のリハビリ職より患者様の話をたくさん聴くことができる。人生の先輩から、その人しか持っていない経験や物語を聴けるのは喜びである。役得だ。

患者様に癒されることも多い。
かわいいおじいちゃんおばあちゃんの言動には思わず笑ってしまう。自分も将来こんな風に老いていければ良いなと思わされる。

反対に辛いこともある。
一番私が辛いのは、担当患者様が誤嚥性肺炎になってしまうことである。
誤嚥性肺炎とは、飲み込みの力の低下により、飲食物や唾液が気管や肺へ入って発症してしまう肺炎だ。
新人の頃、初めて担当患者様が誤嚥性肺炎になってしまった時は泣いた。
とても責任を感じた。
食事形態やポジショニング、介助方法などを決めたのは他でもない、自分だからだ。

医師の指示のもと動いているとはいえ、自分の選択と行動の結果、そういった事態を引き起こしてしまったという事実は辛かった。

今でも患者様が誤嚥性肺炎になってしまったらまあ落ち込む。避けられない肺炎もあると分かっていてもだ。

そしてこの仕事は特殊である。
言語や嚥下という捉えどころのないものを扱うせいか医学的な根拠が乏しい訓練法もある。
教科書通りに訓練してもうまくいかないことだってある。

それでも患者様はどんどん来る。目の前の患者様には自分が知っている最善の方法で関わっていくしかない。
幸い今の職場はVFやVEといった飲み込みの検査もあり、リハビリ科の医師もいてくれている。とても働きやすい。論文も読み放題だ。
論文や学会等で学ぶ。学んだ事を実践する。それが良かったのか悪かったのか考察する。
より良い療法士になるには、このサイクルを繰り返していくしかない気がする。

言語聴覚士に限らず、全ての医療職はそうかもしれないが常に学び、考える姿勢が求められると思う。

良い言語聴覚士になれるようにがんばりたい。

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