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署名キャンペーンの経緯1

■ タグとの出会い

政治なんて興味がなかった私がそのタグ #検察庁法改正案に抗議します に気づいたのは5月9日のことでした。

「トレンドに政治ネタがある…???」

その時のツィートはまだ1万5千くらいでしたが、1時間後には倍増。勢いよく伸びていたので面白い話題なのかも……という気持ちで少し覗いてみると、予想外の内容で溢れていました。

この法改正が日本の検察の独立公正性を著しく損なう可能性の高い法案であること、特に政治家が人事権を行使して検察を支配下に置くことも可能で、悪用しようと思えば簡単に出来てしまう事がわかりました。

更に調べていくと、公務員の定年延長を定める法改正案の中にセットで束ねられていて、全部に賛成か、全部に反対かしか選べないこともわかりました。

頭の中を疑問と危機感がグルグル回り、軽く混乱していました。

■ 大きなうねりに

民主主義国家に住んでいると自覚してる人間ならば、このことに少なからず危機感を持つのではないでしょうか。日本人のみならず世界は、20世紀半ばに起きた戦争の下で、国家権力がどのように市民を抑圧したか、大なり小なり知っていると思います。興味のあるなしは別にしても、学生の頃に社会や公民の授業で習ってきたはずです。私たちの人権が侵害された場合のみならず、国家や総理大臣など権力者の不正を告発できるのは検察だけです。その検察の人事を政権が握り、都合よく任期を延長することができるなんて、例えるなら犯罪者が判事を予め買収しておいて、自分専属の判事にするのと同じです。

果たして、このツィートこのタグがトレンドを駆け上る様子は凄まじく、翌10日昼には200万を超え、世界のトレンド2位に!その後もものすごい勢いで増え続け、ついにニュースに。


その経緯については、タグの発端であるツィートの作者・笛美さんのnoteをご参照ください。


SNS発信のツィート・デモとでも言うべき大きなうねりは、5月12日の新聞朝刊では朝日・毎日・東京新聞のトップを飾りました(読売は扱いなし)。

■ 公共放送が国会中継したくない本音は?

5月15日、この問題を審議する国会の内閣委員会が行われ、成り行きが気になった私も国会中継を心待ちにしていました。ところが、NHKは報道しない、というのです。(当日午前中にNHKふれあい窓口に電話して確認しました。)国民の関心がこれほど高い問題の国会を報道しない、とはどういうことでしょうか? NHKに国会中継を求める多くのツィートを目にしましたが、果たして国会中継は行われませんでした。見たかった人はインターネットの国会中継を視聴したため、回線が混み合ってパンクし、国会中継を見られなかった人が続出するという事態になりました。公共放送であるNHKが機敏に視聴者のニーズを汲み、国会中継を行えていれば、このような事態も避けられたと思います。(参考記事:

それでなくとも、NHKには、最近気になる噂が広く流れています。
こちらのnote

の前段にあるツィート


のように、「NHKはここ数年、国民にとって大事な審議がある国会ほど、放送しない」というものです。Noteの作者keさんはNHKの国会中継のルールと照らし合わせた上で、このように結論づけています。

「NHK自らが、この「検察庁法改正案」に対する世論の動きを重要なニュースとして捉えていることは、その報道内容からも見て取れる。それはつまり、国民的関心の高さの点でも、視聴者ニーズの点でも、ニュースバリューの点でも、この日に国会中継が行われなかった理由を説明できないということを意味する。」
「なぜ、5月15日の内閣委員会は中継されなかったのか。その明確な理由は一切説明されていない。」(引用終わり)


今回(5/15)の「NHK国会放送せず」を受けて、その後ツィッター上では様々なタグが立ちました。

  #NHKは国会中継をしてください

  #国会中継しないNHKに抗議します

  #NHKに内閣委員会の生中継を要求します

といった、NHKに国会の中継を要望するタグが次々と立てられ、NHKにも相当数の中継要望が寄せられたと思いますが、私には大きな懸念と焦りが生まれていました。次の内閣委員会の開催は5月20日。この立林するタグを使って次々と生みだされる、濁流のようなツィート。でも、どれだけ多くの要望が寄せられようと、それがどのくらいの数なのかはNHKしか知ることができません。

やはり次回も放送をせずに、いつものお決まりの回答「総合的に判断して放送するか否かを決めます」になるのではないか?

■ 声よ、届け!

NHKが見て見ぬ振りをせぬよう、この多くの声をなんとか可視化することはできないか?・・・・・

「そうだ!署名!!」

私は署名を立ち上げることを思い立ちました。この案をリアルやネットの知人らに話すと、幸いすぐに賛同と助力が得られ、急遽この会「NHKに適正な国会放送を求める会」を立ち上げました。そして、ネットの署名サイト Change.org にて、翌日5月17日夕方にはこの署名キャンペーンを開始しました。


署名の呼びかけはツィッターのみにて行いました。

このキャンペーンをリアル&ネット上の友人知人らが熱心に呼びかけてくれたこともあってか、順当に賛同者数が増え、5月19 日(月)の朝には1万人に達しました。ところが、19日の午後には

「検察庁法改正案、今国会での成立見送り浮上 政府与党」https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59230250Y0A510C2MM0000/

とのニュースが流れました。もしこのニュースが本当ならば審議は早くても秋の臨時国会となるため、今の急場は回避できたことになり、ホッとする反面、「この署名も、お役目御免、とまではいかないけれど、お役目は秋まで延期かな‥‥注目度も減るだろうな‥‥」との思いが頭をよぎりました。そんな矢先、17時を回った途端に賛同者数が3千以上跳ね上がったディスプレイを目にし、思わず目を擦りました。しかしそれは幻でもエラーでもなかったようで、その後賛同の数は爆発的に増え、19時手前には3万に達したのを確認してすぐ、まだ開いてるNHKの電話窓口に「署名を持ってあがりたい」と要件を伝えました。

すると、ここで予想外の答えが‥‥(次のページに続く)

👉 ビックリした、NHKの返事