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【ゲームシステム解説】かしぱんおゆうぎかいのメカニクス

きいろの作のゆるかわいい絵で描かれた本作ですが、案外考えて設計したので、こっそり書いておきたいです。
めめめのアトリエのゲームはいずれも、かわいい絵と難易度のアンバランスが特徴なので、説明が必要かなって。


はじめに

このnoteではルール説明はせずに、ゲームのメカニクスに焦点を当てて書きます。ルールはゲームマーケット公式ページをご覧ください。

ジャンルと要素

まずはジャンル。協力ゲームです。
もう少し言うと以下の要素を含みます。
・ラウンド制/お題クリア型
・セットコレクション/ハンドマネジメント
・エリアマネジメント
・推理(1人プレイ除く)
・相談禁止(1人プレイ除く)
・協議&選択(1人プレイ除く)
・お祈り
他のゲームで似たものを挙げると、バトルラインザ・マインドにプレイ感が似ているかもしれません。

要素①:協力ゲーム

めめめのアトリエは、世界観や絵柄を先に決めて、その後ゲームシステムを作っています。今回は、きいろのが水族館好きであることから、魚介類をテーマにすることを決めました。
ゆるい絵柄と、穏やかな世界観から、対戦ゲームはマッチしないと考え、協力ゲームにすることを決めました。
海の生き物のお遊戯会。このテーマを軸にその他の要素も考えています。

要素②:ラウンド制/お題クリア型

お遊戯会、というテーマから、「出しもの」を成功させることを目的としました。もちろんお遊戯"会"なので、複数プログラムが用意されています。
初めは簡単なプログラム(→お題)に挑戦し、徐々に難しくすることで、ゲームで遊ぶ中で遊び方を理解することもできます。様々な調整を経て、全3ラウンド制で、ラウンド1は3つのお題(毎ゲーム共通)、ラウンド2は4つのお題(うち追加のお題1つ)、ラウンド3は5つのお題(うち追加お題の2つ)にトライすることとしました。つまり、1ゲームで5つのお題にトライします。追加のお題はそれぞれ5種、6種あるため30通りのお題を用意しています。
また、同時にこなすお題の数自体を3→4→5つと増やすことで、ゲームが拡大していく楽しさも味わえます。

要素③:セットコレクション/ハンドマネジメント

お遊戯会、というテーマから、「出しもののグループ分け」を着想して、セットコレクションを選びました。”生き物"をグループ分けするので、みんな一律か、みんなバラバラにすることで演奏に適したグループを作っていくイメージです。上位のお題では、複雑なグループ分けを求めます。
グループ分けを適切に行うためには、"生き物"(≒手札)を適切に管理する必要があるため、ハンドマネジメント要素も含みます。補助的な要素として、ドラフトでプレイヤー同士が手札の情報の一部をお互い知ることができます。

要素④:エリアマネジメント

ボードゲームのメカニクスとしては聞き馴染みがありませんが、他に適切な呼称が思いつかなかったため、エリアマネジメントとしました。
お題に必要な数の"生き物"はお題ごとに、3枚、4枚、5枚と固定されています。これを…例えばラウンド1では3つのお題に挑戦するため、計9枚の生き物をグループ分けすることとなります。
無計画に手札を出していくと、終盤数枚の手札は出せるお題が決まってしまいます。場合によっては、出す前からお題失敗が確定してしまう場合も。
作者としては、独自のプレイ感に面白味を感じています。

要素⑤:推理

要素④のエリアマネジメントを適切に実施するため、プレイヤーはお互いの手札を推理する必要があります。ラウンドの開始時に行う手札ドラフトで渡されたカード、他プレイヤーが出したカード、プレイヤーの表情などから、全体最適となる出し方を推理してくれるかなと思いました。
また、全カードの構成を規則的にしており、手札にある可能性があるカードを把握しやすくすることで、推理の楽しみを得やすくしています。具体的には、「2」は2枚、「3」は4枚、「5」は5枚、「6」は6枚、「7」は7枚、「8」は8枚、と数字と枚数を一致させています。例外的に「∞」は4枚で、代わりに(?)「4」カードは存在しません。カードのウラ面は共通して「1」です。All for Oneです(?)

要素⑥:相談禁止(1人プレイ除く)

協力ゲーム定番の相談禁止です。他プレイヤーと相談して、一部のプレイヤーしか知らない情報を共有することはできません(客観的情報はOK)
ただ、仮に相談したとしても、オモテで出せない「7」「8」カード、1つのお題に複数プレイヤーが出す必要があるルールにより、無計画に出すと失敗すると思います。

協議⑦:協議&選択(1人プレイ除く)

本作のカードは、カードのオモテのまま出せるカードと(「2」「3」「5」「6」「∞」)、ウラでしか出せないカード(「7」「8」)に二分できます。ラウンドの終わりにはウラのカードをウラのままとするか、"全て"オモテに返すか選択できます。一部のカードのみオモテに返すことはできないため、内容が把握できていても、思うようにならない場面が生じます。

要素⑧:お祈り

結局のところはお祈り力がものを言います。ソロプレイ時はなおさらです。

おわりに

ゲームシステムについてのゲーム制作者のnoteを読みたいので、制作者各位は書いて、教えてください。

BOOTHでかしぱんおゆうぎかいを頒布するので遊んでみてね。
かしぱんおゆうぎかいBOOTH頒布ページ

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