福島沖地震レポート


発生時刻:3月16日23時36分 震源:福島県沖 深さ:60km マグニチュード:7.3(速報値)

この地震の特徴

1.県境で起きた地震

福島と宮城の県境で起きたことにより、県をまたいで広範囲に被害が発生。
被災者救済制度などの運用には、都道府県行政も大きく関わるため、同じような被害であっても行政対応によって差が生まれたりする。

2.広範囲で見えづらい被害

震度6強を観測した地域でも、一部損壊被害を受けた軒数の方が多い。家が傾くような全壊ではなく、屋根が一部ずれたりブロック塀が一部壊れたりする被害が広範囲で発生した。最大震度7に二度襲われた熊本地震のような家屋倒壊が多い地震被害とは違い、被害が見えにくい地震であった。

3.三度目の地震被害

2021年の2月にも福島県沖で震度6強の地震が発生。同じような地域が被害にあっている。さらに、2011年東日本大震災では津波と原発によって複合的に被害を受けた。「前の修理が終わったばかり…」「地震はもう3回目、生きていて良いことあるのだろうか」と住民が話すように、度重なる揺れによって経済面だけでなく精神面でも大きな負担が生じていると強く感じた。

そもそも、地震被害は水害被害と比べて、一般ボランティアが手作業でできる活動が少ない。水害からの復旧では、家財搬出や土砂撤去が多くなるのに対して、地震被害は、屋根上などの高所作業や傾いたブロック塀などの危険物撤去など、活動の性質が違うため。

誰でも安全に活動できる範囲が狭いために、地震のときの災害ボランティアセンター(以下災害VCとする)では、対応できないニーズが多くなる。
だからこそ、高所作業や重機を扱える技術系ボランティアとの連携が必要不可欠になる。

また、前述のように見えにくい被害に加えて、ウクライナ情勢などのニュースに注目が集まり、支援で最も重要な「関心」が集まりにくい災害でもあった。

<災害NGO結の活動>
南相馬市に入り、被害の広がりや被害規模、被害の特性などを調査。
南相馬市以外の福島・宮城の両県に支援に入ったNPOなどと情報共有をし、被災地域全体の支援のバランスを考え、個々のNPOと協議した。
また、南相馬市災害VCと技術NPOとの連携体制を整理。災害VCへの過度な負担を減らし、技術ニーズに迅速に対応できるような仕組み作りを進めた。
連携にあたっては、発災後に立ち上がった地元支援チーム「このゆびとまれ」の運営サポートを実施。南相馬市災害VCと連携し、このゆびとまれが技術系ニーズを集約、人員調整、報告などの対応ができるようサポートした。

このゆびとまれ・・・地元の団体であるパブリックトラスを中心に、オペレーション・ブレッシング・ジャパンシャンティ国際ボランティア会震災がつなぐ全国ネットワーク、等で成り立っている福島沖地震で発生した課題を解決するチーム


最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。 少しでも、災害現場の課題が伝わっていたら嬉しいです。 いただいたサポートは、被災地の現在を伝えるための活動資金にさせていただきます!