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The Stone Roses / The Stone Roses (1989)

言わずと知れたUKギター・ロックにおける最高傑作と名高い、名盤中の名盤。
ザ・ストーン・ローゼズのファースト・アルバムにして実質唯一のアルバム(といってしまっていいかしら。セカンドも嫌いじゃないけどほとんど別物だし)。

リリースから35年経った今、何百回と聴いた耳でこうしてあらためて聴いてみても、やはりここには”全て”がある。

どこを取ってもエヴァーグリーンな輝きと瑞々しさと荒々しさを漲らせた名曲だらけで、イアン・ブラウンの不安定なヴォーカルが生み出す不思議な浮遊感と、ジョン・スクワイアの極上のサイケデリアに包まれた嘆息するほど美しいギター・ワーク、真のグルーヴを見せつけるマニのベース・ライン、歴代最高級のドラマーであるレニの叩き出す生命力溢れるビート、それら全てが英国伝統の黄金律のメロディに甘く蕩け、多幸感溢れるサウンドと完璧に溶け合う。

英国北部労働者階級らしいタフな主張や大言壮語じみた宣言も込められ、アルバム全編を通して、歌って、踊って、泣いて、幸せを噛み締められるアンセムの連続で、時代性と普遍性の交差する奇跡的な地点で、理想的な音楽が鳴らされている。

ちなみに僕が最初に買った再発の日本盤CDには、”Elephant Stone”が真ん中に、”Fools Gold”が最後に収められており、こうなるとまさに「ベスト・アルバム」の様相を呈している。



僕にとって人生でも最高に好きなアルバムの一つ。
少なくとも10選には入るくらい、愛してやまないアルバム。

もう何百回と聴いているのに、それなのに未だについつい歌ってしまう。
それぐらいこのメロディとサウンドはよく馴染み、耳から離れない。
飽きることなく、いつでも新鮮。

イアン・ブラウンのヴォーカルの音量が小さかったり、音程が不安定だったりするのもむしろ、こちらが一緒になって(もっというと主体となって)歌えるための重要な要素となっている。

延々と一緒になって歌っていった後のクライマックス"I Am The Resurrection"の大サビと、最後のバンドのセッションはロック史上屈指のカタルシスを生む。

4連休に臨む夜に相応しい最高のレコード。

今日もありがたいことに良いことがあった1日。ゆっくりと眠ろう。

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