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温療法と熱療法の違い

福西先生の『お灸療法』で一番のメッセージはこの一言に尽きると思います。
「熱くない」「アトがつかない」と表紙ではうたっておりますが,本文中では「八分灸」「九部灸」として焼き切らない直接灸を薦めておられます。

もちろん私もお灸初心者のみなさんにはなから「直接灸」をお勧めするわけではありません。
というのも子供の頃にお灸されそれがトラウマになっている方(関西以西の方が多いかも?)を見たり聞いたりしているからであります。

やはり熱いお灸は自分で納得されてからでないと,逆効果になってしまうと思います。
しかしそれにつけても「熱いお灸の治療効果」は凄いです。
ぜひ一人でも多くの方に「据えられる」のではなく,自らもぐさを捻り「セルフ灸あ」して体調管理・健康増進してもらいたいと本気で思っております。

さて話を本道に戻しましょう。
福西先生のお灸療法p31「温療法と熱療法の違い」
この項で先生は『これらの両者は「似て非なるもの」であって,実は内実はまったく違うのです。』と述べられております。

私が自分自身の実体験を交えて痛感するのがこの点です。
日本というより世界のお灸トップリーダーというべき,せんねん灸(セネファ)など多くの鍼灸関連メーカーさんは東洋医学・お灸の魅力を少しでも多くの方に伝えようと台座灸など「熱くない温灸」をしきりと宣伝しております。
もちろん台座灸の「せんねん灸」も素晴らしいです。
煙りや臭いの少ない「せんねん灸の奇跡」も企業努力の塊と思います。

しかし・・・・・
福西先生の言われる「温療法と熱療法」の違いは歴然とあると思います。
健康になるためや治療のために誰もがお灸痕が残るようなお灸が必須とはもちろん申せません。
でも仮に直接灸を据えて,うす茶色のお灸痕ができたとしても数週間で元に戻ります。
もしそのリスクすら避けたいと思われる程度の病気や体調不良であるならば直接灸をお勧めはしないです。
どうぞせんねん灸太陽やあずきの力などの温療法でおからだご自愛ください。

くれぐれも申し添えますが「せんねん灸 太陽」も「あずきの力」もセルフケアとしてとっても良いと思っております。

セネファさん,桐灰さんに敬意を込めて・・・

でも「せんねん灸太陽」や「あずきの力」など温療法セルフケアだけでは勿体ないと心から思います。
なにせ日本には古来から直接灸できる上質なもぐさが身近にあるのですから。
粗もぐさはネパールから中国など東アジアにありふれてますが,直接灸できる上質のもぐさは日本でしか入手できません。
大型ドラッグストアであれば「せんねん灸」(台座灸)の片隅に下記のもぐさが売られていること多いようです。


でも残念ながら,このもぐさは点灸用としては中等度品で,中級者のお灸に慣れた方向きの商品で初心者にはもっと適当なお勧めがございます。
それは山正の「日本一黄金山」です。
最高級の点灸用もぐさを購入されること心よりお勧めします。

別にセネファの「せんねん灸」が安物で,山正のもぐさが高級という訳ではありません。
山正さんでも2kgで5000円程度の粗もぐさも取り扱われてますし,セネファでも100g1万円以上の上質もぐさもあるのですがネットショップでの流通が偏っているのです。

初心者の方にほど最初は最高級品で熱さ少なく「直接灸」に触れていただき『熱気持ちいい』という感覚を味わっていただきたい祈念しております。
その感覚がわかったら,最高級品のもぐさを3つ据えるより,中等品を1つ据えるだけで熱が伝わるならもぐさ代も安く済みますし,なにより家族から毛嫌いされる「煙り」「臭い」も1/3で済みます。

これが私の最初にご紹介したセルフ灸あセットに3種類のもぐさが入っていたことに繋がるのです。
つまりある程度,セルフ灸あに慣れて毎日行うようになるとツボごとにその熱感に応じて3種のもぐさを使い分け,またもぐさの大きさ・固さを変えることで1つのお灸でちょうど熱が伝わるようにすることができるのです。

それで多くのツボにお灸しても,それぞれのツボ一つにつき一つのお灸で十分熱療法でき,お灸療法の効果は最大にしながら,煙りや臭いは最小限にできるという訳です。

それじゃ また (^▽^)/