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2024年3月のトマムスキー旅行 (その4)

その1~3と続けましたスキー旅行の報告も、この回で終わりになります。
よくこんなに書けたなと、自分でも驚いています。少しでも面白く読んでもらえるようにと頑張りました。
おつきあい頂けたら嬉しいです。


1.最終日の早朝

スキー旅行の最終日、3日目(3月18日)は、午前4時には起きてました。

この日は、早朝の雲海ゴンドラもないですし、それほど早く起きる理由はなかったです。ただ、私は外出先でも熟眠できるのですが、大概は早起きなのです。貧乏性が災いしているのか「寝てたら勿体ない」と思い、フカフカのベッドで5時間くらい寝られたら、どこに泊まっても起き出して、部屋で本を読んだり、外をうろついたりしています。

以前、北海道東部の中標津町にある、"だいいち"という旅館に泊まった時には、年代物のオーディオが置いてあるホールにテンションが上がり、夜中に何時間も過ごしたことがありました。
さすがに音を鳴らすことはできませんが、アンプやレコードプレーヤーをじっくり見て写真を撮り、側にコーヒーサーバーがあったので、ソファに座って本を読んだりしてました。
次の日の車の運転を妻にしてもらったのは、言うまでもないです…汗)。


湯宿だいいち のオーディオルーム
2022年10月撮影

話をトマムに戻すと、朝早くに起きて、ポットで湯を沸かして紅茶を作り、サーバーやコップで冷ましてから水筒に入れるという作業をしてました。
出発の日の朝の習慣です。少し贅沢なことを申せば、スイートルームは、寝ている同行者を気にせずに、リビングでこうした作業ができるのが助かります。心置きなく本を読んだり、記録をつけたりもできますし。

外は夜中、吹雪いていましたので、様子が気になりフェアリーウッズコースに接している出入口(スキーヤーズエントランス)から覗いてみました。
まだ雪は降っていましたが、だいぶ穏やかな様子でした。階段を降りるとズボっと新雪で足が埋まってしまいます。スノーシューズを履いていたので靴の中まで濡れることはなかったですが、暗い時間帯に外へ出る気にはならない積もり方でした。

スキーヤーズエントランスの階段  午前4時頃撮影
夜に降った分だけ、足跡が深くつきました

初日の昼頃に、スキー用具の荷解きをしたエレベーターホールの写真も撮りました。春分の日がもうじきでしたが、緯度のせいか北海道の朝はまだ暗かったです。ホテルも人気が感じられず、シンとした静けさでした。

1階エレベーターホール 午前5時頃


2.夜明け後の外の様子

リゾナーレトマムには、Books & Cafeというコーヒーやお茶を飲みながら本を読めるスペースがあります。そこで時間をつぶして、5時を過ぎたあたりから外も少しずつ明るくなったので、もう一度、スキーヤーズエントランスから出てみました。

自分がつけた以外の足跡はなかったです

この日は圧雪車のエンジン音が聞こえず、フェアリーウッズのコースもピステンの跡がついていませんでした。広い雪原のように足跡ひとつなく、そこを歩くのが申し訳ないくらいでした。寒さはそれほどでもなく、風もやんでいて、シンシンと粉雪が降っていました。

ゲレンデがパウダー祭りになるのは容易に想像できました。そんなことを思いながら周囲を見回したら、思わぬものに気づきました。


誰が? このパウダーでどうやって??

誰が作ったのか、雪だるまが置かれていました。木の枝で鼻もあしらわれています。周囲に足跡が全然ないので、作ってから時間がたっていると思われます。それにしても、手ですくってもサラサラのパウダースノーなのに、どうやって大きな雪の塊をこしらえたのだろうと不思議に思いました。

3.窓の外

部屋に戻ったら、妻が起きていました。
一緒に窓から景色を見たのですが、びっくりするくらいの雪景色でした。
森の木々に雪が積もっており、まるで北欧か絵本の世界のようでした。

すぐ手前に、雪に凍ったニポチェアの索道が見えます

雪の世界の写真をもう一つ….。

朝食は、リゾナーレのサウス棟32階の "GRILLED・AGI" で頂きました。
ファームからトマム山まで、それこそトマム一帯を眺めながら食事ができるレストランなのですが、この日は文字通り雪景色でした。

駐車場の車に積もっている雪が、昨晩の降雪を物語っています

松任谷由実の "SUGAR TOWNはさよならの町" という曲に
「昨日できたての 砂糖菓子の道」という表現がありますが、
窓から覗いていると、本当にそのような感じでした。

4.最終日をどう過ごすか

この日は飛行機で静岡県に帰らないといけない日でした。
最終日をどうスケジューリングするかということは、旅行の前に夫婦間で大いに議論したテーマでありました。

それまでの冬のトマム滞在では、最終日は10時過ぎの特急で帰るのが通例でした。それで、新雪に恵まれたにもかかわらず、滑らずに後ろ髪をひかれながら早々にトマムを後にするという、悔しいこともありました。
今回の滞在に先立って、最終日の前の日(3月17日)に吹雪くという天気予報が出ていましたので、最終日のゲレンデは新雪でリセットされるという予測は容易にたちました。

それでも、10時にトマムを去るのか….。大いに悩みました。

全く滑らないのは悔しいので、せめて30分だけでもゲレンデに出て、1本か2本降りるという選択をした時もありました。2年前の初めての冬のトマムでは、9時30分にゲレンデから戻って、30分で帰り支度をして、10時20分頃にホテルを出るJRトマム駅行きのバスに乗るという離れ業をしました。滑ったのはわずか30分だけでしたが、その滑走体験が、初めてのパウダースノーとの遭遇でしたので、掛け替えのない思い出となりました。

でも、この時は板もブーツもウェアーもレンタルでした。カウンターへ返却をするだけで良かったので、荷造りして別便で発送という手間がなかったのです。特にスキー板は、ビンディングの間など細かい部分に入り込んだ雪はブラシやウェスで取り除ききれませんので、十分に乾いていない状態でスキーケースに入れたら錆を覚悟せねばならないです。乾燥もメンテナンスも、梱包も十分にするだけの時間がとれないのに、大事なスキー板を30分だけの滑走に使うのか、それで満足できるのか、心配でした。
ですので、旅行前には色々な可能性を検討しました。

5.四点の決定事項

それで決まったのが、次の四点です。

  1. 自分達のスキー板は二日目 (3月17日) のメンテナンス後は使用しない

  2. 三日目 (3月18日) だけレンタルのスキー板を使用する

  3. ウェアーやスキーブーツは自前のを使用し、滑走後に別送品に加える

  4. 帰りの飛行機は、19時10分新千歳発のセントレア行きの便とする

この決定事項に従って、旅行最終日のスケジュールを組み、飛行機の予約をしました。この便ではセントレア到着が21時10分になりますので、自宅に着くのは23時を過ぎるのは覚悟せねばなりません。
それでも、パウダーで滑ってみたかったので、翌日に疲れた体を引きずって出勤しないといけないとしても、最終日に満足するまで滑ることを選んだのです。

一つ、細かい説明をさせて下さい。
最終日の朝いちをレンタルスキーで滑るためには、8時45分のリフト始動までに板を借りてなければなりません。ところが、レンタルの受付が開くのは午前9時です。こういう事情のためにか、前日15時以降なら翌日分のレンタルのスキー用品の借り受けが可能となっています。
このシステムのおかげで、二日目 (3月17日) の16時にゲレンデから上がって、レンタルのカウンターでスキー板を借りることができました。
最終日 (3月18日) の8時30分には、借りた板をかついでスキーヤーズエントランスを出られたのです。

6.最終日の滑走開始

最終日の滑走開始までに帰り支度は済ませ、チェックアウトもして、別送品や手荷物はフロントで預かってもらいました。自前のスキー板はケースの中に入れて預かってもらい、三日目も使用するウェアーやスキーブーツは、12時に滑り終わったら水気をとって、スキーケースの中に戻し、それから別送品として手続きをする段取りにしました。

ここまでスケジューリングをして、手順を決めて、やっと最終日も心置きなく滑ることができたのです。
おかげで、これまでの人生最大のパウダー祭りに参加できました!

妻は、トマムマウンテンのクネクネフォレストコースを滑るというので、ふもとで分かれ、私は初日に繰り返し滑った、フリーウェイコースに向かいました。正直に申して、妻について初級コースを滑った方が良かったかもしれないと、後で思いました。

7.パウダースノーに悪戦苦闘

フリーウェイのゲレンデは圧雪されておらず、膝下まで雪に埋まる状態でした。このため、その下の固い雪の部分の凹凸は全くわからず、突然、ギャップにはまったり、コブに乗り上げたりして、ハチャメチャな滑りになってしまいました。
先が見えれば対応もできるのですが、全ては厚く積もったパウダーの下です。突然のスキー板の上下動には、膝や腰をすぐに屈伸させてバランスを保ちつづけるしかないという感じです。とにかく、股関節を前後左右に思いっきり曲げ縮みすることが、パウダーでは求められることが、わかりました。

もう一つ、ある程度のスピードで滑れば、根雪の凹凸に関係なくパウダーが積もった中で板を走らせることができるようです。それでも、足首や脛は雪にしっかり埋もれていますので、いつものように雪面をズラしながらターンをしていくという感じではできず、いつも以上に気合を入れてエッジを立てながら雪の中を泳いでいくという感覚を覚えました。
とにかく、気合と集中を維持してないと、すぐにコケてしまいました。

多くの人達が言う、パウダースノーでの浮遊感を楽しむには、私はほど遠いようでした。良い勉強をさせてもらえました。

あと、充電は欠かさずしていたのですが、GoProはゲレンデに出てすぐに動作不能になってしまいました。毛糸のネックマフラーでカメラの周囲をくるんで防寒対策としていたのですが、この日は効果がなかったようです。
せっかくのパウダースノーの様子を記録に残したかったので、残念です。

8.トマムを後にして

12時にホテルのエレベーターホールで妻と落ちあい、レンタルのスキー板を返却して、フロントに預かってもらっていた荷物をまとめ直して、別送品の発送手続きをしました。これらの作業だけで1時間くらいを使ってしまい、あとはロビーでのんびりしながら14時過ぎのリゾナーレトマム発、JRトマム駅行きのバスを待ちました。
妻は期待通りの雪質で、十分に滑走を楽しめたようでした。
2年前のパウダーの時も、私達はハローニポやフェアリーウッズといった圧雪バーンを滑っていましたので、圧雪していないバーンは、私の経験や技術では大きな壁になることが、よく理解できました。そういう意味でも貴重な経験ができ、思い切って最終日も滑って良かったと思っています。

予定通り、14時19分にバスに乗車して、リゾナーレトマムを後にしました。
ホテルのスタッフの方々が、手を振って見送って下さいました。
そして、トマム駅で札幌行の とかち8号 に乗車して、南千歳駅を経て新千歳空港に行きました。
時間との勝負で走り抜けた二日前とは対照的に、19時のフライトまでゆっくりと、のんびり空港で過ごし、19時10分発のPeach MM464便でセントレアへ向かいました。

新千歳空港で、機内より撮影

中部国際空港 (セントレア) には21時10分に到着し、土産物を詰めた預かり荷物を受け取った後、ターミナルビル向かいの空港駐車場で車に乗って、自宅へと向かいました。
心配するほどには疲労感はなく、時間が時間でしたので伊勢湾岸道に出るまでも混雑はなく、快適に車中を過ごせました。

翌日は仕事でしたが、強行軍への後悔もなく、ただただ、思いっきりトマムで滑れた、雪に恵まれた、その喜びで職場に向かうことができました。

9.おわりに

「トマムで滑りたい」
この思いでスキーを始め、自分達なりの準備をしてきました。
おかげさまで、5度の経験をしましたし、来シーズンも「次のトマム」を計画しています。

どうして、トマムなのか? 
まだ、よくわかりませんが、圧雪していない中級バーンでも、パウダースノーを楽しみたい。
そのことを目標に頑張っていきたいと思ってます。

非常に長い報告になってしまいました。
読んで下さいまして、本当にありがとうございます。

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