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ファッション・デザイン授業での必須tool

ニューヨークで、Fashion Designを学ぶ事になった。「さて、何の道具が必要なのだろう?」
小学生から高校生までに学んだ、家庭科の時間を思い出して、日本から色々持っていったけれど、やはり、購入しなければならない物、沢山あった。
(土台、使用する単位が違うのだから、当たり前なのだけれど。)

必須 5tools

1. 巻尺 (tape measure) 
2. 直線定規  (see-through ruler)
3. 直角定規・カーブ定規 (square ruler / hip curve ruler)
4. まち針 (dress pin)
5. カッティング・マット (cutting mat)

インチの世界

アメリカは、長さの単位に、メートル法 (metric system)を使わず、インチ (inch)、フィート(foot/feet)、ヤード (yard) を用いる。そして、日常では、少数を使わず、分数が用いられる。

ちなみに、生地やトリム(trim); リボン、紐、飾りテープなど、長い物を買う時には、普通ヤードの単位を使用する。

* inch: 1" = 2.54 cm
* foot / feet: 1' = 12" <-- 1 foot = 12 inches
* yard: 1 yard = 3' = 36" <-- 1 yard = 3 feet = 36 inches

ゼロにならない分数

0.1 mとか、0.5 cmの様に、少数で数を表す事が、日本では普通。だから、
ニューヨークに来て、クラスが始まり、全てのクラスで、全教授が、分数を使うので、最初は大変戸惑い、自分の頭や感覚を、切り替えるのに、苦労した。(今は、悲しいかな、1cmの感覚が、殆どなくなってしまった。)

1"より短い長さは、7/8", 3/4", 5/8", 1/2" 3/8", 1/4", 1/8", 1/16" と言う順番で、表される。ファッションデザインの世界で、使われる最小の分数は、1/16"。では、それより小さい数は、どうするのか?20年以上、業界で仕事をしてきて、それより小さい数を、求められる事はない。例えば、ボタンやスナップのサイズを、正確に表したければ、インチで不可能な場合、mmを使って明確にする。

最初の頃は、本当にいい加減だと思った。でも慣れて仕舞えば、それで充分事足りる。ただ、本格的にパターン・メーキングを専攻すれば、いろいろな種類のソフトウェアを、CAD (Computer Asisted Design)システムの中から、選択する事になり、少数で表されるものもある。

必須 5tools 写真付き

1. 巻尺 (tape measure)

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ドレーピングや、パターン・メーキングのクラスでは、いつでも使える様に、常時首から下げていた。今でも、仕事中や、fittingの最中は、そうしている。

よく、引っ張ると出てきて、どこかを押すと巻き込まれて、テープがしまわれるタイプが、一般家庭で使われたりするけれど、それはダメ。


2. 直線定規  (see-through ruler)

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一番小さな四角 (grid)が、1/16" x 1/16" の正方形で、両端にはさらに1/16"の単位を表す、線がついている。透明なので、下に置いてある、生地や紙が見えて、相対する、印をつけたりする時など、便利。
短いものは、細かい物を測ったり、描いたりする時に使う。


3. 直角定規・カーブ定規 (square ruler / hip curve ruler)

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パターン(型紙)を書くのに、必須。曲線定規は、身体に合わせて、カーブした線を作り出すのに、使う(パンツやスカートの、お尻のラインとか。)
慣れてくると、ハンド・ドゥロウイングでも、自然で綺麗な線が、描ける様になる。

余計な話。持ち運びするのに、とがっていて、結構危なかったりするから、自分でカバーなど作ったりして、気分盛り上げようとしてた。(通学に使ってたバッグに、メタルの角で、穴が空いてしっまった。)

4. まち針 (dress pin)

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教授によっては、色付き丸ポチの、ピンの使用を、クラスで禁止する。最初は、ピンを、ドレス・フォームに差し込む時に、指の腹が痛かったりしが、慣れてくると、こちらの方が使いやすい。

余談になるが、生徒の中に、磁石を使って、床に落ちたピンを回収している人達もいたけれど、さすがにそれはしなかった。自分はクセで、ピンを口にくわえてしまうから。

でも、床に落ちてなくても、汚いと言えば、汚い、でも、それで腹痛とかになった記憶はないし・・・。でもやっぱり、不衛生。

5. カッティング・マット (cutting mat)

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日本でも、単位こそ違うけれど、同じものはあるはず。

説明するまでもなく、この上で、カッターナイフや、ロータリーカッター(rotary cutter)を使って、布地や紙を切ったりする。

日本では、信じられないかもしれないが、全く無視して、机の上で直接カッターを使う、無神経な生徒もいた。

ART系のクラス*でも、良く使った。今でも、フリーランスの仕事で、使ったりする。
*(実際にデザインしたものを描き、コレクションとして、ポートフォリオを作成したりする)


最後まで、読んで頂いてありがとうございます。

後書き

3年半の大学生活に、基づいて、『ファッション・デザイン授業への心得 5ヶ条 』を、書きました。是非、ご覧になって下さい。
https://note.com/newyork_norico/n/n2c3f489b451d


F.I.T. (Fashion Institute of Technology / SUNY) ニューヨーク州立ファッション工科大学に、97年1月に入学し、その後フィレンチェでの、海外プログラムを経て、2000年6月に、学士課程を終了し、卒業。(BFA = Bachelor of Fine Art, Fashion Design)

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