Eurovision 2024 色々な結果発表
本当に色々あった今年のEurovision。
ここまで政治的な思惑に左右されて、純粋に楽しむことが出来なかった大会は初めてです。
この記事では、本当は純粋に決勝の結果発表だけをお伝えしようと思ったのですが、今大会の「色々あった出来事」も併せた総括記事として書き残すことにいたしました。
①オランダの失格
僕が知りうる限り、本戦出場が決まっていたアーティストが土壇場で失格になるという話は初めてです。
失格になった理由が、カメラマンに対する「暴言」「暴力」という話ですが、実は事実関係がはっきりしていません。
一説では、イスラエルのガザ侵攻に反対するアーティストに対して、主催者側が嫌がらせをしていたことを非難した彼の発言が、「暴言」としてとらえられた…という話があります。
ユーロビジョンのメインスポンサーはイスラエルの企業ということが関係しているのでしょうか…というか、それ以上に何か嫌な力を感じます。
②反イスラエルの抗議デモ
イスラエルの影響力が露呈した今大会ですが、当たり前のように各所で反イスラエルのデモが行われています。
抗議デモと言えばやはりこの人↓
しっかりと拘束されています。
③イスラエルの決勝進出
セミファイナルで盛大なブーイングを受けていたイスラエル代表のEden Golanですが、あっさりとGround Finalに進出したことに各所からかなりの反感を持たれているようです。
純粋に見れば、歌もステージも申し分なく、決勝進出は十分あり得る話ではあったのですが…彼女の決勝進出に対して各国から異例の反感コメントが相次いでいました。
特に前大会の優勝者Loreenのコメントが辛辣で…
「もしイスラエルが優勝したらトロフィー授与の役目を辞退する」
と公言していたそうです。
最終的には、各国の審査員の評価は52ポイントと振るわなかったものの、一般視聴者から323ポイントを集め最終順位は5位にランクイン…という結果に。
パフォーマンスの最中、あれだけのブーイングを受けながら一般視聴者の心を掴んだ…と評価するべきか、それとも見えざる(でも、あからさまな)力が働いたのか、いずれにせよ真相はやぶの中。
④割れたトロフィー
優勝者のスイス代表Nemoが、トロフィー授与後のパフォーマンス中にトロフィーをポッキリと折ってしまうというハプニングが…。
喜びのあまり…つい、といったところなのでしょうが、なんとも不吉な…。
⑤ウクライナとイスラエルとアルメニア
今大会については、戦時中のウクライナとイスラエルが当然のように戦争を前面に押し出したパフォーマンスを披露していました。
正義の所在はさておき、政治を持ち込まないというユーロビジョンの精神に反した行為であることは間違いありません。
そんな中で、昨年領土を隣国に侵略されたアルメニアが出場。
侵略側のアゼルバイジャンも出場する同じ舞台において、一切の政治的な訴えも見せずにしっかりと自分のパフォーマンスを披露したアルメニア代表のLadanivaにeurovisionのあるべき姿を見ました。
ちょっと泣いちゃいました。
⑥結果発表
なんか既に結果について色々書いてしまってますが、改めて最終的な順位を公開いたします。
優勝はスイス。
スター性が半端なかったです。優勝も納得。
2位はクロアチア。
下馬評では優勝候補だっただけあって、しっかりと結果を残しました。一般票はスイス以上。
3位はウクライナ。
歌もパフォーマンスも素晴らしかったのですが、戦争を前面に出し過ぎたのはいかがなものか。
4位以下は下の図をご覧ください。
おまけで各国の投票状況を公開します。
右端は参加国以外(日本含む)からの投票。
ウクライナはさておき、イスラエルに票が集まっていることについては疑念しか浮かばない…。
その他詳細は ↓ をご覧ください
⑦最後に
ユーロビジョンについて、かねてから国家間の政治的な忖度があることは周知の事実だったのですが、ここまであからさまな大会は僕の知りうる限りありませんでした。
イスラエルも含め、出場したアーティスト達の熱演はどれをとっても素晴らしく、本来なら変な先入観なしに楽しみたいところなのですが、なかなかそうもいかないのが現実です。
そういった現実的な視点からヨーロッパの今を眺めるのもユーロビジョンの一つの楽しみではあるのですが…今年はそれでもしんどいことが多すぎました。
ネットでは「今大会が最終回」…と揶揄したコメントもあり、なんか妙な説得力を感じてしまったわけで…。
失格になったオランダ代表のJoost KleinのMVの中で、EUを象徴する建物が焼け落ちるシーンがあるのですが、今見るとユーロビジョンの運命そのものを象徴しているのでは…と感じてしまうのは僕だけではないと思います。
…来年は心から楽しめる大会になって欲しいと、切に願います。
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