論文購読備忘録メモ(2021年6月) #関係人口 #ポストコロナまちづくり

この週末は、ひさしぶりに。ほんとうにひさしぶりに学会というものに参加しました。

いつもは手元の紙memoだけで済ませてしまうところですが、オンラインで集中できない…さらに自分自身にすこしばかりにプレッシャーをかけるためにもnoteにメモを残しておきます。

今回知りたい話題は2つ。

1.関係人口

2.コロナのまちづくりへの影響


9つの論文と発表をもとに一口コメントメモを付記します。


1.関係人口

●まちづくり活動をしている人が、近隣地域への訪問型関係人口への移行可能性が高い!

一口コメント:納得です。

全国を対象とした非訪問型関係人口の活動実態 -COVID-19収束後の訪問型への移行可能性に着目して-
安藤慎悟(筑波大学大学院)・管野貴文・清水宏樹・谷口守
土木計画学講演集 2021.6

2.コロナのまちづくりへの影響

・熊本市内の繁華街では時間帯別,曜日別滞在人口比較では,COVID-19感染拡大によって,どの曜日でも,繁華街の滞在人数のピーク時間が,2019年よりも早くなっている(モバイル空間統計)

・男性より女性の滞在人数の減少が大きい傾向

・高齢者ほど感染者数の人数に関係なく,滞在人数が少なくなる傾向

一口コメント:女性の滞在人口がもともと多かったんでしょうかね?

COVID-19が熊本繁華街での2020年の夜間行動パターンに与えた影響分析
福嶋謙吾(熊本大学)
円山琢也
土木計画学講演集 2021.6

・金沢都市圏内の主要地点(金沢駅,片町・香林坊,金沢城公園)の石川県居住者の人口滞在量の時系列推移を分析・石川県緊急事態宣言による人の行動低下への影響が大きい
 具体的には,金沢駅,片町・香林坊,金沢城公園で同時間に滞在する人のうちで約 20~30%の人が来訪をとりやめた

・行動変化の時間推移を説明できる変数は,ローカルな感染者数情報(石川県 PCR 検査陽性患者数)より東京都 PCR 検査陽性患者数が採択

・感染者数情報による自律的な変化は人口の約 5%~10%の変化、行政が期間を指定して要請した政策は約 10~30%の変化

一口コメント:石川県の感染者より東京を重視。これは全国でも同じ??面白い結果。

新型コロナウイルス禍における金沢市の移動行動変容分析
小川純平(金沢大学)・山口裕通・本多了・稲原里咲・中山晶一郎
土木計画学講演集 2021.6

・東京都の場合,感染者数が増え始め,緊急時代宣言が発令された3月最終週以降,郊外の人口比が1.0を上回り、中心市街地ではGWを除いて1.0を下回る状況が継続

※一口コメント:秋山先生さすが緻密にメッシュの分析。当たり前と思われるがそれを量的に明らかに。

モバイルビッグデータを活用した新型コロナウイルス禍における人の動きの変容分析
三嶋瑞季(東京都市大学(現 大成建設(株)))・秋山祐樹
土木計画学講演集 2021.6

・COVID-19禍で公共交通利用に不安を感じるようになった層は,外出自体をためらい,減らすようになったグループと,外出頻度自体は大きく減らしていないグループとに区分

・女性の方が公共交通利用に不安を感じる傾向

・外出自体をためらう傾向にあるのは高齢の女性に多く,男性は少ない傾向

・公共交通利用に不安を感じるようになった層は,乗合バスから自家用車へ移行したケースがあることも示された。

・乗用タクシーの場合,公共交通利用に不安があることでの利用減はなし

・買物の目的地を自宅近くにシフトする傾向とあわせて考えると,例えば,乗用タクシーを活用して,近距離の輸送に特化したサービスを提供
 これは、超高齢社会におけるモビリティ確保と,利用が減少した公共交通の収益確保の双方に寄与する可能性

一口コメント:男女差があるのは本能なんでしょうか。

地域における輸送サービスの特性を踏まえた公共交通システムの選択要因に関する研究
竹内龍介(国土交通省国土交通政策研究所)・吉田樹
土木計画学講演集 2021.6

・データの違いによる介入により受ける影響の大きさは,影響の大きい順に,駐車場利用実態,歩行者通行量,WPS,モバイル空間統計の順となった.このようになった背景には,捉えている対象が異なることに加えて,データが捉える量の違いも関係していると考えられる.

一口コメント:ドコモのモバイル空間統計が手に入るならそれたいいという結果。

多様なデータを用いたCOVID-19の対策による人出等の変化分析 ~地方都市の中心市街地を対象として~
西堀泰英(大阪工業大学)・嚴先鏞・佐々木邦明・加藤秀樹・豊木博泰
土木計画学講演集 2021.6

・移動手段に対する好き嫌いについて65歳未満は,徒歩,自転車,車は8割程度が好きであり,バスは嫌いが半数になり,鉄道は両者の中間

・65歳以上は、徒歩の嫌いが減少.

・自転車では,年齢が上がるにしたがって嫌いが増え,車,バス,鉄道では嫌いが減少するが,特に鉄道では顕著

・Covid-19を受けて新たな移動の意味として「移動環境(衛生)」が抽

・徒歩は意味的利点想起数が多く,車と鉄道は機能的利点想起数が多く,両者は対極に位置

・Covid-19禍では,鉄道とバスの機能的利点の低下が顕著に表れている.

・徒歩は全部の意味(思索,健康・運動,気分,自然・季節,風景・
情報)をもち,自転車は思索とコミュニケーション以外の意味をもつ。

・身近な徒歩と自転車の精神的身体的重要性が示唆

・Covid-19流行前と流行禍で,機能的利点を比較すると,流行禍において徒歩,自転車,車の快適性が顕著に増加

一口コメント:移動の意味は改めて学びです。わたしは自転車はたいせつだと思います。

Covid-19体験及び自動運転車とワークスタイルの多様化を踏まえた移動の意味と理想の移動
金利昭(茨城大学)・大河内晃
土木計画学講演集 2021.6

・"同伴者と共に最頻余暇活動を行った後に,付随活動を行って,バスを利用して帰る"と認知的幸福感が高まる

一口コメント:コロナの論文でないが面白い。共通の趣味を持つ友人をつくらないと。

都市娯楽活動における付随・帰宅行動に関する研究
日下部ほのか(京都大学大学院)・川端祐一郎・藤井聡
土木計画学講演集 2021.6

・サードプレイスを持つ人が主観的幸福感が高く,サードプレイスを持た
ない人が主観的幸福感が低い

・生活の満足度が最も主観的幸福感との関連性が大きく,次に職種,サードプレイスの有無,居住地,性別の順
 サードプレイスの有無は,居住地や性別よりも関連性が強い

・サードプレイスに自宅よりも職場から訪れている人,5~10年前から訪れているサードプレイスを持つ人が主観的幸福感が高い

・主観的幸福感との関連の大きさを分析した結果,生活満足度,生活嗜好性,サードプレイスにいつから訪れていたか,どこから訪れているか,居住地の順
 サードプレイスの要素は,居住地よりも主観的幸福感との関連性が大きい

・居住地や,交通手段,生活嗜好性によって,サードプレイスの有無と主観的幸福感の関連性が異なっている可能性もある

一口コメント:行きつけの居酒屋やバーがあるといいですね。私は珈琲焙煎のおみせです。

コロナ禍におけるサードプレイスと主観的幸福感に関する考察
今村陽子(岡山大学大学院)・橋本成仁・海野遥香・堀裕典
土木計画学講演集 2021.6


論文から情報をうまくひきだしていきたいものです

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