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新庄BIG BOSSの戦略と成功…そして誤算

シーズンが始まる前から気になっていた新庄ビッグボス。

改めて過去のインタビュー記事やYoutube動画をみていると、最近の戦略が見えてきました。

私が気づくくらいですから、実は気づいている人は多いのかもしれません。(Twitterではあまり見かけなかったですんで、すこし書いてみようかと思いました。)

戦略:パフォーマンスは勝算があってこそ

日本ハム時代の新庄ビッグボスはゴレンジャーに始まり、様々なパフォーマンスを行ってきました。

そして、そのタイミングは実は計算していたというのです。

例えば、3連戦のなか日、対戦相手のローテーションの谷間といった具合です。

元々が勝つ確率が高そうな試合を選んで、パフォーマンスする。

すると、パフォーマンスをしている試合には勝つという錯覚にファンを誘い込むことができます。

パフォーマンスは面白いし、しかも勝てる。この流れに巻き込んでいくのがとてもうまい人だったと言えると思います。

この能力は監督となった現在、いかんなく発揮されていると思うのです。

成功:インスタライブ打線と杉谷選手のスタメン起用

2022年の5月29日。対読売ジャイアンツ戦で、インスタライブ打線が話題になりました。

試合前に新庄ビッグボスがインスタライブを行い、そこで打線を決めたのです。基本的な打順はもちろんビッグボスと林ヘッドコーチが決めていきます。

しかし彼らにも悩み事がありました。それが二塁手を誰にするかです。

ここでビッグボスがインスタライブ視聴者に問いかけます。この時コメントであがってきたのが「杉谷選手」でした。

そのコメントをみて(実際にはスタッフから聞いて)、外す予定であった杉谷選手をスタメン起用しました。

そして、結論から言うと、日本ハム7―2巨人(@札幌ドーム)は勝利しました。そしてヒーローインタビューはなんと杉谷選手でした。

「ファンとの交流からその場の"ノリ"で決めた選手が機能した」これが多くの人の印象になると思います

そうなると、新庄ビッグボスはパフォーマンスばかりやっているような気がするけど、そんなことをしていても勝てるんだな、面白いな、とファンに思ってもらうことができるようになります。
これがファンの獲得、そして新庄ビッグボスがやりたいことをやっても許される雰囲気づくりにとっても効果があったと思うのです。

私もこんなことしても勝てちゃうんだなと思って楽しく記事や動画をみていました。

しかし、どうも違和感を覚えることがあったのです。

その正体は、杉谷選手の名前が書いたマグネットを中途半端に外して貼ったことでした。

外すのだから端に貼っただけと言われるとそうかもしれません。私が新庄ビッグボスのことを良く分かっていないかもしれません。
それでも私にはちょっと妙に見えました。明らかに雑に、しかし目につくような場所に貼ったのです。

「実は杉谷選手のスタメン起用も考えていたんじゃないか」という考えがこのとき頭に浮かんできます。

そして、逆に”戦略”の側から今回の現象を説明しようと思いました。

すると少し面白い想像ができることがわかりました。

巨人戦は勝つ確率が高かった?

新庄ビッグボスには2つの勝算があったと想像できます。

一つは、巨人打線はどうも迫力がかけていたということ、
そして、日本ハムは投手陣が良いということです。
29日前の直近5試合での巨人の得点は、4→5→2→3→4でしたが、
日本ハムの投手陣なら抑えられるという算段があったのではないでしょうか。

そしてもう一つの大きな理由が”横川投手”です。

横川投手はこの試合が今シーズン初の一軍出場。
それまではずっとファームで投げていました。
しかもそのほとんどが1回限定です。
3回以上投げるのは4/7以来の実に2ヶ月ぶりだったのです。

横川投手の2022年の出場成績
出典:ベースボールONLINE, https://sp.baseball.findfriends.jp/player/result/20000041/


これくらい若いピッチャーであれば、打ち崩せる可能性が高いと考えたこともあるのではないでしょうか。

また、仮に横川投手に完璧に抑えられても、「情報が少ない投手だったからしょうがない」という言い訳もできそうに思います。

そんな予防線もはりながらのパフォーマンスだったと想像しています。 

失敗:(幻の)甲子園スタメン

2022年6月3日の阪神戦。

この日は6点差をひっくり返されました。

当初、ビッグボスは甲子園組で先発させたら面白いということを言っていましたが、上沢投手が甲子園未出場のため、やめたそうです。

結論としてはやめて良かったのでした。

阪神はセリーグの最下位をひた走るチームです。勝ち数、負け数ともに日本ハムとほとんど変わりません。

そんなチーム相手ですから、他のセ・リーグのチームよりも勝利が高いという見込みもあったのではないでしょうか。

しかし前述の理由により甲子園組のスタメンは実現しませんでした。

ですから、これは実は失敗ではなくて失敗になりそうだったけどぎりぎりで避けたといった方が良い事象です。

新庄ビッグボスの勘ピューターがうまく機能したということなのかもしれませんね。


2つの出来事から見えてくる今シーズンの新庄ビッグボスの戦略

今回挙げたのは2つだけですが、おそらく新庄ビッグボスの戦略は現役時代から大きくは変わっていないと私は思いました。

勝てる(勝つ確率が高い)試合にパフォーマンスをぶつける。

すると、パフォーマンスもするし、しかも勝てるチームになっていきます。

そうなれば注目を浴びることは必至ですし、ファンも戻ってくる。

ひいては札幌ドームの満員にもつながるかもしれません。


引き続き、新庄ビッグボス率いる日本ハムは注目です。

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